尾上町をゆく(3) 崎の宮神社と高砂神社
加古川河口左岸(東岸)に、崎の宮神社(加古川市尾上町養田)があります。
この神社はスサノオノミコト・クシナダヒメ・そしてオオナムチノミコトを祭神としており、祭神は、右岸の高砂神社と全く同じです。
もともと、加古川河口に位置した二つの神社は、洪水から地域を守るこlとが期待された神社であったのでしょう。
江戸時代の歴史書「播磨鑑(はりまかがみ)」の一部を読んでみます。(読みやすいように改めています)
「・・・崎の宮神社は、高砂の祭神と同じである。9月11日の宵宮に、高砂より神輿をねりに来る。それを迎えて、川船で11日の未明まで神事をしていた。しかし、近頃(江戸時代初期)、事情があってこの神事は行われなくなった・・・」
「近頃、事情があって、この神事が行われなくなった」と云う箇所が少々気になります。
中世の加古川左岸の今津(尾上)は「今津千軒」をバックに、たいそう賑わっていたことは先に述べました。しかし、江戸時代、高砂は姫路藩最大の経済都市として大いに栄え、その地位は完全に逆転しました。
高砂衆に支えられた高砂神社も大いに賑わったのです。
そのため、わざわざ崎の宮神社に出かけ、崎の宮神社を本宮のごとく神事を行うことは、高砂衆のプライドが許さなかったのでしょう。
播磨鑑の筆者も、かつての尾上の賑わいの跡を語っているようです。
*写真:崎の宮神社(加古川市尾上町養田)
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