OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

桃太郎

2023年11月02日 | 書道・筆文字

私が書道を始めてすぐに目についた“例の会”。45年も前の話だ。

そのリーダーが桃太郎さん。上田桑鳩最晩年の弟子たちの集まりのようだった。

桃太郎さんは苗字はまた莚平と変わっていたが、私は、桃太郎が号なのか本名なのかもはっきりしらないままだ。

木曽の山中での“例の会”の合宿に知り合ってから数年後に参加した。その時、途中から前衛書のパイオニアのお一人である岡部蒼風先生を藤原ジトさんが車で連れてきた。

合宿は刻字を中心にその時は行われたと記憶しているが、岡部蒼風先生はそのころ芭蕉に傾倒していたこともあって、みんなで連句を巻くことになった。

そのことは昔、『書道ジャーナル』に若手の寄稿コーナーがあって、依頼があったのでそれを書いた。またの機会に。

その合宿は、私の大事な20代の思い出であるが、その時、桃太郎さんが大東の幹事長で部長が有地さん。有地さんもその場にいた。麗しの高校教師であったが、本日、そのころ以来、対面す。品のある姿は昔よりも。いい歳の重ね方だと思った。

そう、今日は青梅は繭蔵というギャラリーで、桃太郎さんの遺作を含め、縁ある7名での展覧会があって、そこへ伺ったのだ。

それを主宰した例の会の富永さんは佐賀からだ。そこに当時は衣料関係を動かして社長業をしていた繁田さんは、生意気だった私がいうのも変だが、生意気な人でそりが合うとは思えなかった、今は染色家の繁田さんは気のいい親父になっていた。

そこになぜか漆の武井さんがいて、これは私は別のところで知り合って、4年前は私の作品も買ってくれた方だ。

ブキっちゃんは、昔は彼と中心になって紙喰蟲展なるものもした仲間だった。

もう一方は私の知らない方だったが、チームラボとかに関係している方だそうで、作品も書もそれぞれ。

そうもう一方、藤原ジトさん。存在そのものが面白すぎるお方である。

今日は富永さんと繁田さんがいてくれた。明日3日に行けば、みんなと会えた。そんな個性的すぎる連中と飲めない酒を酌み交わす日となったはずだが、今日でよかったかな。あくが強すぎる連中である。今の世の中とはすこしずれているかな。芸術に対して純粋すぎるのかもしれないと思える輩である。

岡部蒼風はその木曽で桃太郎にいった。「巨匠の雰囲気がある」と。

今ならどう返す桃太郎。

「襤褸」「健康で…」桃太郎作。代表作とは思っていない。もっと私たちの前を歩いていってほしい方だった。

 

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