OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

銀鏡 森田千晶 和紙展

2019年10月09日 | 気になる展覧会

これらは私の銀座 +ノーションでの先ごろ終えた個展「雲のように 水のように」で、展示販売した「漉き込み和紙」作品。

これは、和紙を漉いた後に、書いた作品をのせ、さらにもう一枚、薄く漉いた和紙をのせ、三層にしたものだ。

漉くのはいいが、紙作りは原料作りで大半が決まる。原料の楮の表皮を削って、煮熟。そして、水でさらす。

柔らかくなった楮の皮を、叩いて叩いて柔らかくして、繊維のほぐれた状態にして、やっと漉ける状態になる。

さて、そんな和紙原料作りだが、今回、煮熟など工房でひなが見てくれ、さらしまでしてくれ、私の手助けをしてくれたのは、和紙作りの後輩になるが、今は、和紙作家として活躍する森田千晶である。


彼女は、オリジナルの和紙レースをつくり、壁面に使えるものからアクセサリーまで展開している。

そんな展示も見ごたえがあるが、今回は「銀鏡」というタイトルにある通り、銀箔を中心とした「箔」の世界をみせる。
先の東京都美術館等でのクリムト展で、クリムトが日本の箔に影響された装飾性ある絵画にちなんで、クリムトへのオマージュとして金銀箔の和紙ブローチを作り、クリムトグッズとして売られ好評だったようだ。

そこからもっと自由に、ブローチやカフス、イヤリングなど、ほかでは持てないアクセサリーが並ぶ。

日本文化をなにげなく身に着ける。
そんな感じ。

おまけに、そこでは、「太陽とゆず」コーディアルという濃縮ジュース?も一緒に売っていて、買ってきた。
キャップがかたく、開けるのに苦労したが、自然な味で、炭酸割がいける。


会場は、問屋街で観るだけでも楽しい馬喰町、馬喰横山からすぐ。最近はオシャレな店がちょこちょこある。

組む 東京
千代田区東神田1-13-16
03-5825-4233
www.kumu-tokyo.jp
「銀鏡・森田千晶 和紙展」
2019 10月5日から14日まで。
12時30分~19時(金曜20時まで)
9日、10日はお休み。

お散歩しながら、どうぞ。


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土方歳三展

2019年04月20日 | 気になる展覧会
4月20日から6月30日まで。

没後150年 特別展 土方歳三

日野市立新選組のふるさと歴史館で。
日野駅から徒歩15分程度。

今日は、関係者の内覧会。
明治維新、戊辰戦争…いま、見方が広がっていると感じるが、どちらにしろ、その時代を生きて、敵味方になった人々がいるわけだが、
土方歳三の子孫で記念館の館長をしている土方愛さんの挨拶のなかで、次のようなニュアンスの言葉が胸に響いた。

その時に生き死にをかけてこの国の形を作ろうとした人々の思いを無駄にしてはならない。

ちょっとファンになりました。
さて、今回の特別展は、じっくりみれれば、なかなか面白そうだ。
イベントもなかなか充実。ぜひ歴史館の検索を。


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延長されたアラビアの道

2018年03月06日 | 気になる展覧会
アラビアの道が日本まで、来たのが、現在、上野の国立博物館 表慶館で開催中の「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」展。1月23日から3月18日までの予定が、5月13日まで延長された。

3月2日には、来場者10万人突破とか。
サウジアラビアの文物自体が日本でみられる貴重な機会だが、今回の展示品は、100万年以上前の石器から、5000年の人形石柱等々から、アラビア文字の石碑の数々も見ごたえあり。
17世紀のイスラムの聖地マッカのカァバ神殿の本物の扉も迫力ありました。

会期延長されてうれしい見に行くべき展覧会は、620円で安い。
月曜も開館する日もあり、金曜土曜も夜まで、とか、HPをチェックすべし。


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バラカ

2018年01月23日 | 気になる展覧会
アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝 

なかなか珍しい展覧会が、1月23日から3月18日まで、上野の東京国立博物館 表慶館ではじまった。







2月4日までなら、表慶館前に、アラビアの遊牧民テントを設置。アラビックコーヒーに関する民具や香炉、毛織物などあり。
その期間、毎日先着1000名には、アラビックコーヒーとナツメヤシの実の砂糖付け?デーツが無料でふるまわれる。

画期的なのは、展示品のすべての撮影が許可されるとのこと。なかなかそういうのはない。


100万年以上前の展示品もあるが、石造やら文字資料も多く、イスラム文化となってからのマッカ(メッカ)のカアバ神殿の本物の扉など、見ごたえ充分。



バラカ、と読むそうである。日本的に言えば「福」。神の祝福、という意味だそうで、9世紀の鉢片。


アラビア文字は、右から左へ書くが、なかなか難しそうである。

でも、シュクラム ありがとう。

は覚えた。

アッサラーム。

アライクム。   こんにちは。

は、サウジアラビアの方に教わった。

とても友好的で紳士の方が多かった。

遠くても少し近くの国になった。





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平安の正倉院 

2017年09月28日 | 気になる展覧会
遣唐使らによって、大陸の文化を積極的に取り入れた8世紀中期までの天平文化は、現在、東大寺の正倉院に多く残されている。

そして、この国自らの文化が花開いたのは10世紀から11世紀、平安中期からの藤原氏が力を持った摂関政治の頃。
大陸の影響の強かった「唐風」文化に対し、これを「国風」文化というが、その文物、国宝・重文だけで1300点もあるというのが、
春日大社である。そのことから、“平安の正倉院”とよばれるそうだ。

創建は768年、来年で1250年ということから多くの催事が予定されている。

まずは、この暮れ12月22日から来年3月25日まで「伝説の名刀たち」展。
平安鎌倉室町から現代の刀匠月山家の名刀までが並ぶ。
飾剣(かざりたち)から、日本刀の原形と考えられている毛抜形太刀など、ただの名刀展ではないところがポイントで、名刀ブームの極めつけになるのかもしれない。

4月1日から8月26日までは、「(仮題)神前を飾る美術」展。
聖域である春日大社御本殿の神秘を感じる展覧会になりそうである。
いわゆる王朝美を体感するにはもってこいのイベントである。
競馬好きの人にとっても、最古の競馬図を観るのもいい!?

その会場となるのが国宝殿であるが、各建築雑誌に大きく取り上げられたが、昨年10月オープン。
名建築家谷口吉郎によってなった1973年竣工の宝物殿から、その良さを継承しつつ、見事な展開となったようだ。
宝物の魅力を引き出す建築だと学芸員の方も自負するが、そればかりではなく、全体的には、インスタレーション展示やグッズなど、今どきのワクワク仕様の国宝殿となっているという、季節になると、自慢の藤の花のソフトクリームまであるそうな。



猫のまだらは「KA SU GA」。新グッズ各種展開のこの猫は、国宝の毛抜形太刀の螺鈿にあしらわれているものをデザインしたもの、3パターンの1。



ご朱印も人気らしいが、この9月から、来年いっぱいまで、本来の文字だけの印から周りに藤と鹿をあしらった新たな印が使われる。


昔は春日大社の一角であった場所に建つ奈良国立博物館でも、「春日大社にすべて」展が4月14日から6月10日まで。

来年の旅は、春日大社を基本に据えるのも、大いにありだ。
ちょっと早いが、計画はお早めに、か。


(春日大社御創建1250年に関する記者発表会に伺って。感謝)





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