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故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

シャッター街の再生

2015-12-06 04:16:47 | プロジェクトエンジニアー

エンジニアリング会社に勤めている友人は、都市開発や空間設計のエキスパートです。
東京は、アメーバのごとくまだまだ発展し大きくなると言いきりました。
それは、行政ではなく民間主導だからと言いました。

地方に延びていた各鉄道会社の支線が接続されました。
線路が広軌、狭軌どうしが共に接続されました。
東京は通過点となりました。
地方と地方がつながっています。
宇都宮から横浜へ通勤が可能になりました。
かつては、地価が上がって住めなかった東京の都心に人々が帰って来ました。

JRは駅中商売を始めました。
膨大な資産の運用が始まったのです。
東京駅の自動販売機は、JRが開発しました。
メーカーにこだわらず、売れ筋の飲料を売れるようになりました。
自販機の多くは、メーカー単位で設置されています。
メーカーではなく、売る側が新しい自販機を創り設置したのです。

この自販機では、便利なことにスイカでも買えます。
カメラで買い手の年齢を判断し、お勧めの商品を変化させるのです。
液晶で商品を陳列できるからです。
売り上げはデータ管理され、売れ筋商品の素早い補充や
マーケッティングに使われるようになりました。
各メーカーの自販機の数倍の売り上げを誇っています。

昔の下町でも変化が起きています。
下町には、サラリーマンだけでなく、いろんな職種の人が住んでいる地域です。
人口の構成だけでコンパクトシティーと言えるのです。
売る人のぬくもりが伝わる人情豊かな商店街は、素通りはできないのです。
高齢者も若い人もひしめき合っています。
元一軒の敷地に鉛筆ハウスが3軒建ちました。
規制緩和で、100%建ぺい率で200%容積率の3階建てが可能になったのです。
若い家族が住み始めました。
商店街は、安売りのオンパレードです。
100円ショップ、金券ショップやチェーン店です。
しかし、シャッター街ではありません。
昔ながらの洋服店、写真館、食堂や本屋も生き残ることができました。
駅前に活気が戻ってきました。

沖縄の公設市場で見た光景が印象的でした。
買い物に来たおばあちゃんが、店の椅子に座って友達と話していました。
のんびりとした時間が流れていました。
誰も長々と話す二人をとがめませんでした。
どの店も活気がありました。
観光客も来るようになりました。

さて地方のシャッター街の再生について考察をします。

ドーナツ現象もコンパクトシティー構想も、
部分最適であってはならないのです。
全体最適でなければならなかったのです。
ある地方だけが再生に成功すれば良いことではないのです。
隣りの街も村も併せて再生されなければなりません。

東京は、混然一体です。
あれが駄目になってもこれがある。
どの町にも魅力ある特徴があります。
画一性こそ、あってはならないのです。
地方のJR駅前はどこも似ています。
わざと曲道をつけるくらいの勇気が必要です。
つまり溜まりです。
便利だけでは、通過されるのです。

シャッター街にこそ老人ホームやデイケア設備を設置すべきです。
幼稚園を作るべきです。
町全体で、子供や年寄りを見守るべきです。
今や、シャッター街には年寄りが溢れているのです。
どこかに隔離するような施設は作らない方がよいのです。
それでは、生活が点と点のつながりになります。
そこにいけば誰かに会える。ついでに話も買い物もして帰りましょう。
起業を目指す若者は、資金、スペース、アドバイザー、理解者の
どれをとっても不足しています。
遊んでいる資産の運用であり、需要者の新たな開発と発信が可能です。
ものづくりのアドバイザーはどこかからお願いするとして、
発信者であり、売り手のエキスパートは、シャッター街に潜んでいるのです。

田舎に残る一軒の万事屋(よろずや)の店主も年寄りになりました。
店主も病院に通わなければなりません。その間は、店は留守になります。
田舎の唯一の食べ物屋とて同じです。
留守でも来た客の期待を裏切らず何かを売るのです。
食べ物が入った自販機でも良いのです。
うどんの即席自販機でも良いのです。
店主も、気兼ねなく病院に行くことができます。
鮮度管理、売れ筋管理はコンピューターでするのです。
データ転送を受ける他の会社が自販機を運用すればよいのです。
食品の補充は、店主でも会社でも良いのです。
店主がいるときは、憩いの場です。

ネスカフェもユニリーバも世界的な食品会社です。
日本の1兆円の売り上げを達成した会社はわずかに7社です。
その全社の売り上げを足しても、この2社にはかないません。
彼らは、地産地消を重点施策としています。
その地域で獲れる原料で商品作りをし、その地で販売するのです。
作り手も買い手もその地方の方々です。
おまけに、世界中の5大陸に均等に市場を分散しています。

ナショナルブランドを買わずにその地方で獲れるものを食べ、着るのです。
地方では、情報が遅れます。常に受け手だからです。
地方から、情報を発信するようにすればよいのです。
発信者になれれば、一番新鮮な情報を入手できるのです。

レッドオーシャンをブルーオーシャンにできるのです。

元気な地方とこれからの地方を結ぶのです。
どこかだけが強くなる(部分最適)のではなく、
地域を広げ、県単位、地方単位で文化を発信できるようになるのです。
その街に行くのに、途中に疲弊した街があるのは変です。
行きたくなくなるし、不便になります。
この地方に行けば、こんなにいっぱい面白いことがある。
それより住んでいる人が元気になり、新しく来る人も元気になるのです。

2015年12月6日

(注)
レッドオーシャンとは、
競争が激化し価格やサービスなどでライバル社をしのぎ、
「競争で赤く染まった現在の市場」

ブルーオーシャンとは、
より深く可能性を秘めた
「未開拓の市場」

コメント
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