楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

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カミさんとボク 5(楽しかった日々:結婚までの二年間)

2004年01月03日 10時39分00秒 | つれづれなるままに考えること
(楽しかった日々:結婚までの二年間)

二人で街を歩く、これはボクにはかなり苦痛であった。
前にも書いた(アルバム 3 夫婦円満:私の場合11月13日付)が、
カミさんは素晴らしく美人だ。
そしてカミさんに比べると、ボクはどう見てもダサい男なのだ。

苦痛の種は、二人で街を歩くと、行きかう人が必ず振り向くことである。
視線が二人に集まる。
これが大変苦痛であった。
カミさんは、美人で視線が集まるのは慣れていても、
ボクは不細工であるからこれに慣れていない。

この苦痛は、いまだに続いている。
60歳定年になって、海外旅行に出かけて、
記念に自分のカメラで二人並んで写真を撮ってもらうと、
ツアーで一緒の人達が冷やかして、ピューピュー口笛を鳴らす。
恥ずかしいことこの上も無い。

スペイン旅行の時など、レース販売に当たって、カミさんがモデルに引き出されたりする。
レースをベール代わりに、頭からかぶせ、顔にかかるようにすると、
長年連れ添ったボクから見ても、見直すくらいである。
そのモデル代として、レースを一枚頂戴するなんて得をすることもあるが、
ボクの苦痛には変えられない。

独身時代の借金は、着実に返済していった。
何処でも、遊びに行けば、自分は持てているつもりであるが、
実はお金が持てているのであって、
本当は自分が持てているのではない。
金の切れ目が縁の切れ目とはよく言ったものだ。

結婚を申し込む前に遊んで貯めた借金も、
返す段になると、また遊んでこなくてはならない。
それでは、借金が減っていかない。
それが向こうの付け目なのだ。
しかし、ボクの意志が強いことは、きっと誰にも引けを取らない。

こういう場合、借金だけ返すことを考える。
キャバレーやクラブでは、
借金はおおむねホステスが立て替えていることが判った。
そこでホステスの更衣室を訪ねて借金を返す。

半分裸の女性で込み合っている更衣室で、
今まで懇意にしていたと自分では思っていた女性を、
呼び出してもらってお金を返す。

脂粉の臭いがぷんぷんする、
殆ど裸状態のホステスでごった返す更衣室の奥から、
当のホステスが出てきて、差し出したお金を受け取るや、
ブラジャーの中から領収書を引っ張り出して、
お礼も言わず領収証を渡してくれる。
ホステスは、借金だけ返しに来る男は、もうお客さんではない。
領収書を返すなり、奥のほうへ入ってしまう。
クラブも同じだ。
バーや一杯飲み屋は、お酒を飲むことなく、
お金を返すなり、受け取りを貰って帰る。

まさに金の切れ目は縁の切れ目。
もてた心算が、実はもてたのはお金。
井原西鶴の日本永代蔵よろしく、すべてこの世は金で動く。

それにしても一年かけて、よくも返したものだ。
後になって、仕事の都合で接待の途中、お金が無くても、
「今日はお金無いよ!あとで返すから」と言えば、
どのお店でも、平気で遊ぶことが出来た。

そんな自慢にもならない信用だけが、身についた。
さて、そうした日々は貧乏していたから、
彼女と一緒に遊び歩くのもままならず、土曜日は彼女の家に泊まりこみ、
日曜日は、ボクのアパートで、彼女が掃除洗濯という一年が続いた。

そして、次の二年目。結婚の費用のために貯金をした。
これには苦痛は伴わなかった。
日一日と過ぎるのが楽しみであり、
結婚式の日取りも決まると、その日が待ち遠しくなる。
新婚旅行は? 
新居は?
結婚式の招待客はどうする?
どんどん日にちは過ぎていった。
カミさんはすべてボク任せ、
これで結婚生活うまくいくのかしら?
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