駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

リンゴのドラミング

2017年06月25日 | ビートルズネタ
昨日の続きであります。

ビートルズ・サウンドの要、リンゴ・スターのドラミングの秘訣とは。
自分が思うに、それはスネアの重さではないかと。
リンゴの使用していたスネアはラディックのジャズ・フェスティバルという、メイプル材の薄いシェルなのでスネアは軽いのでは?
なんて、そういう話じゃありましぇん。。。
スネアのタイミングが軽いか重いかという話であります。
普段気にせず聴いていると、リンゴさんの軽やかなドラミングは、「軽い」というイメージがあったりします。
「ア・ハードディ・ナイト」、「ヘルプ!」などのスネアは、かん高く、まるでメタルのスネアのようにカンカンと鳴っています。
もちろん、レコーディング時にテープスピードを変えていたりするので、聞こえるスネアサウンドやタイミングが軽くなるのは百も承知の上。
また、スターキーのメンバーも「テンポ感ではなくスピード感ががリンゴは違う」などと抽象的なビートルズ哲学をぶつけてきたりして、自分も敢えてスネアのタイミングを「軽め」方向へシフトしつつ演奏してきたわけです。
ザ・スターキーはまる5年継続していますので、けっこう長い事、意識をそう持って演奏していたことになりますね。

ところが、それってちょっと違うんじゃないかなと、このところ疑問を持つようになってきました。
それは、自分なりにいい演奏をしたように感じたライブの録音をプレイバックすると、逆におかしかったりする。いや、以前からそうなんですが、後で音源を聴いて反省しますが、「いい演奏」というものが、意識して軽めのスネアを叩いた時にリンクしない。不自然なのであります。

YouTubeで古い映像を確認しますと、リンゴさんはスティックをスネアに押し付けるように叩いています。
「むむっ、これかあ~」なんて思ったわけです。実は、このリンゴさんの「クセ」は、ずいぶん前から知っていました。
けれど、このクセはいいクセではないと勝手に思っていました。なぜなら、ドラマーとして考えた時、スネアをヒットした瞬間にスティックを押し込むと、サウンドが変化するんです。
例えば、抜けのいいチューニングしたスネアを、「スパ~ン!」と叩いた瞬間にスティックでヘッドをぐっと押し込むと音が詰まります。するとナチュラルなスネアのサウンドが台無しになるんではなかろうか?と、どこの誰が考えてもそう思いますよね。
しかし、それをリンゴさんがやっていたんです。
そうすることで、スネアのサウンドというより、タイミングが遅くなるのではないか。

実際にそれを意識してみると、次の小節の準備が遅れることによって、全体のリズムが重くなるのです。
これがリンゴさんが作る、ビートルズサウンドの秘訣じゃないか、と思うわけなんであります。
コメント (4)
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