超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

記録的豪雨

2008-08-30 20:27:42 | 出来事
昨夜、会社帰りに久々にトレーニングジムに寄った。
駅からバイクで乗りつけ、ビルの前の歩道に止める。ヘルメットはハンドルにある鍵付きのフックにぶら下げる形だ。
止めたときはもちろん雨は降っておらず、気温は低いが少し湿気が多い感じだった。

そして約2時間後、プログラムを終えサウナへ入って出てくると。。。かなり強い雨が降っている。
なんだよ。まあいいか、買えるだけだし。。。
リアBOXから愛用のポンチョを着てヘルメットをかぶったら、たまっていた水がどばーり。ついてねえな。

そして家路に向うと、目も開けられないほどものすごい豪雨に変貌した。。。
ポンチョを着ていてももはや全身ビッショリだ。
この調子だとどこかで冠水するかもしれないな。早く気をつけて帰ろう。

こんな大雨に日に思い出されるのは、あの大怪我した日だ。。。(今日は珍しく自虐話題)
グループ会社で営業をやっている友人のご招待でごちそうになったときだ。
私の大好きな日本酒「浦霞」の良く冷えたやつを思う存分飲ませてくれた。おいしい料理もある。
一升は飲んでいないと思うのだが。。。東京駅からタクシーで帰るにあたり、どんどん目の前がぐるぐる回ってきた。

季節は体育の日の3連休、秋の大型台風が接近していた。
横浜新道では一番早いワイパーでも前が見にくいほどの豪雨だった。
こりゃ、我が家の近辺は冠水しているかもしれないな。以前お友達の家の前が床下浸水していたし。。。

東京へまた帰るのは大変だろうと気をきかせた私は、結構手前の大通りでタクシーを降りた。
悪夢のアクシデントはここから始まった。(というより冷酒をノーブレーキで飲んだ時点で始まっていた)
道路は水浸しで足首まで浸かっているが、なんかこう・・・目が回り、膝から下が浮いているように間隔がない。。。

なるたけ、水がない道を選んで進んでいたら、道がわからなくなっちゃった。っと同時に自分もわからなくなっちゃった。。。
膝から下の間隔がないので、ものすごい勢いで2回ほど転倒し、激痛が走った。
うーむ。どこなんだここは。。。見た事あるよなないような・・・

まあ、いいや。寝てればそのうち止むだろ。どこかの駐車場の隅で寝転んでしまった。
しばらくすると耳の横に水が流れる音が。。。
なんと!頭のほうが少し高くなっており、水がざばざば滝のように流れている。。。

このまま寝てしまっては水死だ。何とか家に帰れないものか・・・すぐ近くのはずなんだが。
しばらくさ迷っていると、なにやら道祖神のようなものがあった!
これは我が家の前から真っ直ぐ海に歩いて向う途中にある御地蔵様だ。そうか!ここを真っ直ぐいけば帰れる。。。

やっと辿り着いて、ピンポーン!玄関を開けると妻が立っていた。

「いやぁまいった。雨で道がわからなくなっちゃってさ・・・」妻は私を真正面から指差し、

「それよりどしたのよ?血ぃ出てるよ血ぃ!」

「ん?」

手をあごに当てると、なにかつららができている。。。なんだこりゃ?赤えぞ。血か?
と思いながら玄関で寝転んだ。
甘辛は眠そうに起きてきて

「すげえ血出てんな。しょうがねえなあ。父ちゃんは。。。」

と言いながら、上がり框についた血を雑巾で拭き取っていた。妻は即刻救急病院に連れて行こうとしたらしいが、なぜか救急車は呼ばなかった。救急病院に電話をして確認したとき、救急車を手配するか尋ねられたらしいが、断ったそうだ。
後で聞くと

「この台風の中で、本当に救急車を必要とする人が多いはずだ。その人のためにとっておき、うちは車で送ればよい」

うーむ。自分的にはナントも言えんが立派と言えば立派だ。
病院に着くとすぐ処置室の台に寝かされた。2箇所大きな傷があるようだ。
医師はアゴのほうが鉤裂き状になっていて化膿するといけないから、ブラシでゴシゴシ洗うというゾッとするようなことを言っている。。。看護師は

「こんな小さな子を夜中に起こして手伝わせるなんて。。。ゲンコツものよね。」

さらにときどきイビキをかいてうつらうつらしている私を見て

「先生、これだけ酔っていれば麻酔無しで縫っても大丈夫じゃないですか?」

電光のような防衛本能が発動され、超腹筋を使って直角に起きあがった。

「すんません。麻酔だけはかけてください!」

またバタンと元通り。。。

後から聞いたら、後頭部七7針、アゴした5針を縫う重傷だったようだ。
りんご「富士」に使う網目のカバーみたいなやつを頭につけられた。。。。

今でも息子甘辛は枕言葉で使うのだ。

「ああ、父ちゃんが頭にケガして熱海いけなかったときだよね」

さらに、妻はあの付近を通るたびに

「この辺で水が流れる中寝てたやついるよね」

車が水没する恐ろしさもあるが、自分が気がつかぬうちに水没するのはもっと恐い。
みなさん、大雨に日は色んなことに気をつけましょう。
 
つづく