中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

休職・復職Q&A⑦

2023年11月29日 | 情報
Q; 従業員70人程度の流通業で、管理部門の管理職をしています。
うつ病で休職中の従業員から復職申請がありました。
主治医の診断書には、「復職可とする。ただし、当面はリモートワークでの復職であれば差し支えない」とありました。
貴重な人材ですのでリモートワークでの復職を認めたいのですが、アドバイスをお願いします。

A; 
〇繰り返しになりますが、復職する場合は、
「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」に記載の通り、原則として「元の職場」です。

〇最初に、会社が受け取った主治医の診断書を産業医に提出し、内容をチェックしてもらいます。
診断書の疑問点は、産業医と主治医間で解決してもらいます。
それから復職希望者には、まず、会社の始業時間(午前9時)に出社してもらい、産業医との面談を実施します。

〇面談結果は、以下のように想定できます。
想定1.前提条件なしに、元の職場への復帰は、問題ない。
想定2.数週間の復職訓練後であれば、復職に問題はないであろう。
想定3.病状は「寛解」しているかもしれないが、睡眠状況も改善しておらず、復職させるのは問題がある。
想定4.復職希望者は、会社指定日の指定時間に出社できなかった。

〇小職が推量するに、「リモートワークでの出社」というのは、
復職希望者の強い願望を主治医が最大限に受け入れて、認めたものと考えます。
リモートワークでは、復職希望者の顔色など、健康状態を正確に把握することは困難ですし、
産業医も恐らく復職には慎重な見解になると想定できます。

〇復職を認めるか否かは会社側の権限ですから、今回は産業医の見解を添えて、復職を認めないとしてはいかがでしょうか。
ただし、当事者の自主的な復職訓練には、会社側もできる範囲内で協力することが求められます。

◎企業のメンタルヘルス対策において、この「休職・復職」問題が、大きな問題となっているのは、事実です。
今回の「休職・復職Q&A」シリーズは、これで終了しますが、大きな反響がありましたので、これからも役に立つ情報を発信して参ります。

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