Q4; 従業員70人規模の運送業の、人事総務部長です。
復職を可とする主治医の診断書を添えて、うつ病で休職中の従業員から復職の申請が出されました。
復職を可とする主治医の診断書を添えて、うつ病で休職中の従業員から復職の申請が出されました。
ところが、主治医の診断書には、「復職にあたっては、原職からの移動が必要である」との意見書が添えてありました。
当社には当該労働者を移動させることができるような部署がありません。
どのように対処すればよいでしょうか、復職を拒否することもできますか。
当社には当該労働者を移動させることができるような部署がありません。
どのように対処すればよいでしょうか、復職を拒否することもできますか。
A; 〇以前にも、同様な事案で意見を述べています。
ということは、頻発しているのでしょうね。
ということは、頻発しているのでしょうね。
〇主治医の意見書については、産業医から主治医に、その真意と背景を尋ねてもらいましょう。
推測ですが、患者の要望をそのまま書き記したと考えてよいでしょう。
産業医は患者が所属する会社の内情を知る由もないからです。
推測ですが、患者の要望をそのまま書き記したと考えてよいでしょう。
産業医は患者が所属する会社の内情を知る由もないからです。
なお、会社から当該主治医に対して、診断書の内容について質問しても、回答を得ることはできないでしょう。ここは、産業医の役割です。
〇会社は、復職希望者と面談して、診断書に記してある但し書きについて、その理由と背景について質問します。
会社側は、復職希望者の意見を聞く姿勢を見せることが大切です。
最初から無視するようなことをすると、以降の労使関係を円滑にするうえで、問題になります。
会社側は、復職希望者の意見を聞く姿勢を見せることが大切です。
最初から無視するようなことをすると、以降の労使関係を円滑にするうえで、問題になります。
なお、復職希望者が、異動を希望するのは、休職前における職場の人間関係に問題があったと推測できます。
〇結論として、休職に至った理由や背景については、問題が発生した時点で十分に調査しておかなければならない事案です。
即ち、再発防止策ができていなければなりません。
即ち、再発防止策ができていなければなりません。
〇復職を云々する時点では、事案発生時から相当な時間が経過してしまっているもと想定できます。
関係者の記憶が曖昧になっている状況では、問題解決に支障をきたす場合があることを理解してください。
「鉄は熱いうちに打て」が鉄則です。
「鉄は熱いうちに打て」が鉄則です。
〇参考判例
片山組事件(最一小 平10.4.9判)
復職者のために新たな職務を作る必要はない。