中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

2017年度の労災補償状況

2018年07月09日 | 情報

当事案に関するマスコミ報道には、従来より不満を述べてきました。
今回は、少し前進しているようにも受け取れますが、やはり不満です。
一例をあげれば、「約3割の1カ月平均残業時間が100時間以上だった。」でしょう。
残りの7割は、100時間未満です。100時間未満であっても、決して少ないとは言えませんが、
もう一歩踏み込んでいただきたいと思いました。
でも、このような報道レベルだから、小職の存在価値があるのかもと、自己満足しています。

心の病で労災、昨年度最多 506人、半数が30代以上
2018/7/6付日本経済新聞

厚生労働省が6日発表した2017年度の労災補償状況によると、仕事が原因でうつ病などの精神疾患にかかり、
労災認定を受けたのは16年度比8人増の506人で、1983年度の統計開始以降、過去最多を更新した。500人超は初めて
うち自殺、自殺未遂が同14人増の98人。約半数が30代以下で、約3割の1カ月平均残業時間が100時間以上だった。
精神疾患による労災申請も16年度比146人増の1732人と過去最多になっている。
10年前の約1.8倍となり、増加に歯止めのかからない状況が続く。
厚労省の担当者は「患者調査では精神疾患の患者が増えており、労災認定の増加につながっているのでは」と分析。
「ストレスチェックを活用するなどし、職場環境の改善につなげたい」としている。
労災認定を受けた人の精神疾患の発症原因では「嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」(88人)。
「上司とのトラブル」(22人)など職場での対人関係が目立った。
ほかに「仕事内容などの変化」(64人)、「悲惨な事故や災害の目撃」(63人)。
年代別では40代が158人で最も多かったが、全体の半数は30代以下が占めた。
業種別では製造業(87人)、医療・福祉(82人)、卸売業・小売業(65人)、運輸・郵便(62人)など。
1カ月平均残業時間は、100時間以上が151人。うち160時間以上は49人だった。
今国会で成立した働き方改革関連法では、残業時間に月100時間未満などの上限を設けている。
一方、脳・心臓疾患で労災認定を受けた人は16年度比7人減の253人。
業種別では運輸・郵便が99人、卸売り・小売り35人など。全体のうち過労死は同15人減の92人だった。
申請は840人で3年連続で増加した。

過労死・過労自殺、昨年度190人 横ばい状態続く
7/6(金) 朝日

過労死や過労自殺(未遂を含む)で労災認定された人が2017年度は計190人いたことが、
厚生労働省が6日発表した「過労死等の労災補償状況」でわかった。
前年度より1人減ったものの、ほぼ横ばいだった。
政府は15年度に過労死をなくすための対策をまとめた「過労死防止大綱」を策定したが、
その後も大勢の人が働き過ぎや仕事のストレスで亡くなる状況が続いている。
くも膜下出血や心筋梗塞(こうそく)などの「脳・心臓疾患」で過労死した人は92人で、前年度より15人減った。
一方、仕事のストレスなどで「心の病」を患って過労自殺・自殺未遂をした人は14人増の98人で、
14年度の99人に次ぐ過去2番目の多さだった。
長時間労働が背景にあることも改めて浮き彫りになった。
過労死のうち時間外労働が「過労死ライン」とされる月80時間以上の人は9割、月100時間以上の人は5割を占めた。
過労自殺・自殺未遂では月80時間以上の人が5割を超えた。
実際に働いた時間にかかわらずに一定時間を働いたとみなし、残業代込みの賃金を支払う
「裁量労働制」で働いていた人は過労死で2人、過労自殺・自殺未遂で5人いた。この制度は長時間労働に陥りやすいとされている。

 

 


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