(参考)家族介護、就業の重荷に
2022年4月4日 日経
東京大学の全国調査で、家族の介護が女性の就業やメンタルヘルスに影響を与えている現状が明らかになった。
東大では2007年から同じ人たちを対象に毎年調査をしている。21年の調査では、34~48歳の女性の約5.4%、49~54歳では約16%が家族の介護をしていた。男性と比べてそれぞれ1.6倍、3.3倍にのぼる。
家族介護が就業に与える影響を分析すると、女性のみが影響を受けていることが分かった。介護をすると、介護していない場合に比べて就業確率が平均で5%低くなり、月の労働時間も平均5時間短くなった。調査を担当した大久保将貴特任助教は「就業調整をするのは女性だという社会規範があり、同じ介護といっても女性の方が男性より長時間またはハードな介護をしている可能性がある」と指摘する。
家族介護は女性においてのみメンタルヘルスを悪化させる傾向もあった。大久保特任助教は「本人の希望にかかわらず、家族介護で就労を断念せざるを得ないケースがある。公的な支援サービスの利用等で働き続けられることが望ましい」と話す。
◎仕事と介護の両立 ~介護離職を防ぐために~ 厚労省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/index.html
家族の介護を抱えている労働者が仕事と介護を両立できる社会の実現を目指して、仕事と介護の両立に当たっての課題や企業の両立支援策の状況を把握し、介護休業制度等の周知を行う等の対策を総合的に推進しています。
施策の概要
高齢者人口の増加とともに、介護保険制度上の要支援・要介護認定者数は増加しており、今後、団塊世代が70歳代に突入することに伴いその傾向は続くことが見込まれます。
介護者は、とりわけ働き盛り世代で、企業の中核を担う労働者であることが多く、企業において管理職として活躍する方や職責の重い仕事に従事する方も少なくありません。
そうした中、介護は育児と異なり突発的に問題が発生することや、介護を行う期間・方策も多種多様であることから、仕事と介護の両立が困難となることも考えられます。
このため、厚生労働省では、育児・介護休業法に定められた介護休業制度などの周知徹底を図り、企業及び労働者の課題を把握し事例集を作成するなど、介護を行っている労働者の継続就業を促進しています。
事業主の方へ
経験を積んだ熟練従業員や管理職など企業の中核となる人材が、仕事と介護の両立に悩み離職してしまうことは、企業にとって大きな損失です。離職する従業員や心身ともにストレスを抱える従業員が増える前に、仕事と介護の両立支援の取組をはじめることが必要です。
労働者の方へ
継続的に介護を行うためには、経済的な負担がかかります。
また、介護が終了した後の生活を視野に入れて考えても、経済的基盤は重要です。
介護に直面しても、すぐに退職することなく、仕事と介護を両立するための制度を活用して、仕事を続けながら介護をしましょう。
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