中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

心のケアでプラスに

2024年07月31日 | 情報
余裕があれば、企業・事業場内での設置も検討する価値があるでしょう、事実、先行事例もあります。

パリオリンピック選手村に初の「心のケア」スペース、SNS中傷など対応…大坂なおみら苦しみ注目
24.7.24 読売

26日に開幕するパリ五輪で、国際オリンピック委員会(IOC)や日本オリンピック委員会(JOC)が、
選手たちの「心のケア」に本腰を入れる。国民の期待を背負う重圧に加え、
SNSへの悪質な投稿によるプライバシーの侵害や人種差別、性的な偏見などでアスリートが精神的に傷つき、追い詰められるのを防ぐためだ。
選手村に相談に応じる拠点を設けて専門家を配置し、SNSの中傷対策も強化する。
パリ郊外で選手ら約1万4000人が過ごす選手村。
敷地内北部のフィットネスセンター2階に「マインドゾーン」と名付けられた約400平方メートルのスペースがある。
極度の不安や緊張に襲われたり、SNSで中傷されたりした選手の「駆け込み寺」として、IOCが五輪で初めて開設した。
専門スタッフが常駐して悩みや不安を聞き、さらにサポートが必要な場合は専門家に橋渡しする。
施設は23日に報道陣に公開され、選手がリラックスできるように照明を抑え、静かな音楽が流れる空間が披露された。
VR(仮想現実)ゴーグルを装着し、心が落ち着く映像を見られるコーナーもある。
アスリートの心に不調が生じる要因は、重圧や技術的な不振、ライバルとの関係など様々。
近年はSNSで 誹謗ひぼう 中傷が後を絶たず、特にスター選手は標的にされやすい。
IOCの担当者は「誰もが手軽に使えるサービスを提供することで、心の健康の重要性を世界に広められる」と話す。
さらにIOCは、出場選手のSNSに投稿された暴言などを人工知能(AI)で検知する仕組みを導入。
35以上の言語に対応し、24日から「監視」する。
日本選手団も前回の東京五輪で被害が相次ぎ、JOCは今大会、対策を強化した。
選手村にIOC公認の「セーフガーディングオフィサー」1人を相談窓口として常駐させ、
男性の精神科医、女性の臨床心理士ら有資格者3人と連携して選手たちをケアする。
悪質な投稿はSNS事業者に削除させたり、警察に相談したりする方針。
選手らには5月以降、大会中にSNSの投稿を控え、メッセージが届かない設定にするなどの対処法を伝えている。
アスリートの心のケアが重視されるようになった契機は、
今大会も出場するテニスの大坂なおみ(26)が2021年5月、うつ病の症状に悩んだことを告白し、全仏オープンを途中棄権したこと。
東京五輪では、体操のスター選手、シモーン・バイルス(27)(米)が
心の健康問題を理由に個人総合決勝などを棄権し、世界的にクローズアップされた。
各国・地域も選手のサポートに取り組んでおり、JOCの鈴木和馬セーフガーディングオフィサーは
「米国は選手村の外にも専門家約10人を置いてバックアップする」と説明。
「非日常の環境で、極限の精神状態で戦う選手たちのメンタルケアは今後ますます重要になる。
試行錯誤しながら、日本もしっかりとした態勢を築きたい」と話している。

パリ五輪選手村に交流スペース
日本、心のケアでプラスに
24.7.24 北國新聞社

パリ五輪の選手村に日本オリンピック委員会(JOC)が日本選手団のためにカフェのようなリラックススペースを設けた。
対話できる環境をつくり、心のケアの充実にも取り組む。
23日、報道陣に公開され、発案者の谷本歩実副団長は
「他競技の選手同士が話し合ってプラスになるような場所になればいい」と積極的な活用を願った。
昨秋の杭州アジア大会でも試みた選手サポートの一環だ。
今回は出入りの多い1階の角に設置され、コーヒーやインスタントみそ汁などを提供。
オセロやトランプも準備し、交流の促進を図る。
バレーボール女子の古賀紗理那(NEC)が飲み物を選んでいるときに、
スケートボード男子の堀米雄斗(三井住友DSアセットマネジメント)がスケボーに乗ってさっそうと出かけていく場面もあった。
部屋に直帰せずに一呼吸置く場があることで、選手同士のつながりも増えそうだ。
大会前のアンケートでは「いつも通りいられること」を望む選手が多かったという。
谷本副団長は「『ただいま』と帰ってきて『お帰りなさい』と迎えるリビングのような時間を過ごしてほしい」と話した。


【パリ五輪】「家に帰ってきた感覚」日本選手宿泊棟にカフェ設置 谷本歩実副団長「一体感大事」
2024年7月24日 ニッカンスポーツ

【パリ24日=阿部健吾】パリ五輪の選手村が23日、報道陣に公開された。
各国、各競技の選手らが一緒に暮らす村。大食堂から美容室までそろい、
自転車移動などが今大会の取り組みとして歓迎される中、各国の宿泊棟もモニュメントなどを用意して彩る。
日本選手団は今回、宿泊棟の1階に「TEAM JAPAN Cafe」を設置。
尽力した柔道で五輪2連覇、副団長の谷本歩実さん(42)に思いを聞いた。
日本の宿泊棟から出てきた堀米雄斗が、片手に持っていたスケボーに乗ると、さっそうと去って行く。
今度は自転車にまたがった競泳の池江璃花子がハンドルを握ってどこかへ。
この日午前の練習後には「歩くの苦手な私たちみたいなタイプには、自転車はありがたい」と感謝していたが、最大限活用しているようだ。

さまざまな競技の選手が寝食をともにする選手村。
日本に割り当てられた宿泊棟の1階には、五輪では初めて「カフェ」が設置された。
22年の杭州アジア大会で初めて試みられ、好評だった選手の共有スペ-ス。
「家に帰ってきた感覚」を掲げ、飲料の他、選手が交流できるようなカード、ボードのゲームもそろえる。
メンタルヘルスの専門家も常駐する。
主導してきた谷本さんは「きっかけは古賀先生なんです」と明かす。
恩師の古賀稔彦さんが五輪初出場の88年ソウル大会の時、
「窓から飛び降りようかと思った」と思うほど重圧に押しつぶされそうになったと聞いていた。
「選手村はつらい場所だったんです」。
自身の現役時代も、楽しさは皆無。04年アテネ大会では「他競技の選手とは話すな」と厳命され、部屋と食堂の往復の日々を送った。
メダル数を争うような「ライバル」の意識が強かった。メダルを逃した選手の悲痛な顔が印象に残っていた。
いまは違う。「一体感は本当にすごい力になるんです。負けた後のショックから、他競技の力を借りて戻ってきたりする」と力説する。
選手村の情報交換なども行われ、より快適に過ごすノウハウなども自然と共有されていく
。「カフェ」もその一助となるために利用してほしいと願う。
開幕日の26日には選手団全員が参加できるオンラインの“結団式”を開く予定だ。
東京五輪でも実施し、サッカーの吉田麻也、ソフトボールの上野由岐子らが決意を述べた。
内村航平に言葉をもらおうとした時に、誤って八村塁を指名してしまう、本人がびっくりするほほ笑ましい場面もあったという。
海外では最多の409人の代表選手が参加する祭典。
競技の垣根を越えて、ともに挑む。

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