中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

死亡とパワハラの因果関係は認めなかった

2016年03月28日 | 情報

裁判長は、当時の郵便局長らの言動でうつ病が悪化したと認めたのですが、死亡とパワハラの因果関係は認めませんでした。
新聞記事だけでは、裁判の詳細が分からないので、何とも言えませんが、この辺が事実認定の微妙なところで、
ですから、メンタルヘルスに関わる裁判は、一律に語ることができないのですね。

「辞めていい」郵便局長のパワハラ認定 地裁、賠償命令
2016年3月10日 朝日

日本郵便職員だった男性(当時41)が死亡したのは上司のパワーハラスメントによるストレスが原因だとして、
遺族が同社に1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、福岡地裁小倉支部であった。
野々垣隆樹裁判長は死亡とパワハラの因果関係は認めなかったが、当時の郵便局長らの言動でうつ病が悪化したと認め
同社に220万円の支払いを命じた。
男性は2011年4月から飯塚郵便局(福岡県飯塚市)に勤め、6月からうつ病などで休職。
12月に販売用の年賀はがきを受け取るため局を訪れた際、駐車場に止めた車内で心疾患のため死亡した。
野々垣裁判長は、局長が同年5月の面談で「いつやめてもらってもいいぐらいだ」と発言したことや、
職場復帰を巡る10月の面談で「郵便局の一番大事な時期、11月と12月と1月の10日まではきついわ」
「(郵便物を)投げつけられたって、あんた文句言えんぞ」などと話したことを「上司の部下に対する言動として甚だ不適切」と指摘し、
同社の安全配慮義務違反を認めた。
日本郵便は「判決内容の詳細を確認した上で今後の対応を決めて参ります」とコメント。
遺族の代理人は「判決内容を確認し、控訴するかどうか検討する」としている。

郵便局員急死賠償訴訟 パワハラ一部認定 因果関係は認めず 地裁小倉支部 /福岡
毎日新聞2016年3月12日

2011年12月に福岡県内の郵便局員の男性(当時41歳)が急死したのは、
上司のパワハラによるストレスが原因として遺族が日本郵便に1億円の賠償を求めた裁判で、
地裁小倉支部はパワハラに関する一部の訴えを認め、日本郵便に220万円の支払いを命じた。
パワハラと急死の因果関係は「別の生活上の心理的負担も一定の影響を及ぼした可能性がある」として認めなかった。判決は10日付。
判決によると、男性はうつ病で休職中の11年10月、復職を願い出た際、勤務先の郵便局長から「1月10日まで、
郵便の繁忙期だからそれに耐えられるか、あんたが出てきたら皆に迷惑がかかる。罵声が飛ぶかもしれんばい」、
「郵便物投げつけるぞ、投げられたって文句言えんぞ」などと言われ、復職を見送った。
男性は12月、知人に販売する年賀はがきを払い出しに訪れた勤務先の郵便局駐車場車内で、致死性不整脈により死亡した。
野々垣隆樹裁判長はこれらの発言を「うつ病から回復の兆しが見え、職場復帰を目指すこととなった原告に対し、
著しく配慮を欠く極めて不適切なもの」と認定した。
日本郵便は「判決内容を確認した上で今後の対応を決めたい」としている。

 

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