中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

SC(ストレスチェック)制度の準備情報・質問編⑭

2016年03月11日 | 情報

Q:弊社は営業網を全国展開していますので、全国各地に50人未満の販売拠点が複数あります。
SC制度は、全社員を対象に実施すべきと考えていますが、これら50人未満の事業所で実施する場合の注意点は?

A:結論から申し上げると、50人未満の事業所は、来年度実施とし、先送りすることをお勧めします。
法令では、50人未満の事業所については努力義務になっていることは承知の上でのご質問でしょう。
全社一律で、という考え方は尊重しなければならないでしょうが、これにこだわると良い結果にはつながらないことがあるからです。

SC制度は、今後法改正がない限り、毎年実施しなければなりません。
そこで、もっとも大切なことは、従業員の信頼を勝ち取り、従業員の協力を得ながら、毎年着実に
実施する、できる体制を確立することなのです。
そのためには、成功体験を積み上げて、御社独自のSC制度を完成させることが必要になります。

例えば、遠隔地の事業所において、医師面談が必要になったような場合、どのようにしますか。
マニュアルでは、テレビ電話による医師面談が認められていますが、御社の場合、テレビ電話の環境は整っているのでしょうか。
また、50人未満の事業所には、SCを運営する、できるスタッフは揃っているのでしょうか。

SC初年度の今年は、とにかく50人超の事業所においてのSCを、失敗なく、確実に実施することが、求められる命題です。
今年の体験がベースになって、反省による改善策を積み上げ、来年度に全事業所にて、SCを実施する、という
ストーリーが、次善の策として良いのではと考えます。

なお、50人未満の事業所におけるSCを来年度に繰り延べることは、
衛生委員会で審議し、全事業所、全従業員に周知することが必要になります。
参考までに、御社と同様に全国に拠点を構える大手企業においても、50人未満の事業所は、来年度に
先送りするという事例もあります。

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