熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

円安で海外旅行が難しくなった

2024年05月18日 | 海外生活と旅
   極端な円安にも拘わらず、日本人の海外観光旅行への意欲は依然として衰えない。
   私など、海外が長かったので、円安であまりにも割高になった海外旅行など、思いもよらない。

   Japan as No.1の時代、忘れてしまったが、円が強くて、1ドル80円台から100円以下の時代に、海外生活をして旅をしていたので、欧米などの物価は、それ程高いとは思えなかった。
   高級ホテルや高級レストランでも、手の届く価格で利用できたし、トップクラスのオペラやクラシックコンサートでも、日本並みの価格で楽しめた。
   尤も、まだ、日本の賃金水準が低かったので、今ほど、価格差を実感出来なかったかも知れないが、少なくとも、高級品や高級サービスの価格は、日本と殆ど変らず、我々並の海外駐在員にも、違和感なく生活が出来た。

   6月に来日予定のロイヤル・オペラの「リゴレット」のチケットが、1枚72,000円のようだが、最近殆ど変っていないにしても、私が、1993年まで維持していたシーズンメンバーチケットでも1万円を切っていたと思うので、円安の影響だとしても異常に高い。
   尤も、ロイヤル・オペラでも、パバロッティやドミンゴの「トスカ」と言った特別公演となるとチケット取得が至難のワザであるのみならず、当時でも、5~6万円はしたと思う。

   さて、東京大が授業料引き上げの検討を始めた。最大で年10万円増の64万2960円とすることも視野に入れると言うことであるから、円安と云っておれなくなる。
   日本の購買力平価は低いので、もう少し円安が円高に振れても良いと思うのだが、仕方がない。
   いずれにしても、円高水準から比べれば、現在の円の水準は半値であるから、私など、海外旅行など行ける身分ではない。

   さて、私の海外旅行だが、2013年のロシア、2017年の中国以来、止まっている。
   2年ほど前に、ニューヨークへの文化鑑賞とフィラデルフィアへのセンチメンタル・ジャーニーを思い立ったのだが、体力の限界を感じて諦めた。
   私の行きたい海外旅行は、このブログで書いたような、欧州紀行(文化三昧ミラノ・ロンドン旅)やニューヨーク紀行と行った形の文化芸術鑑賞三昧の旅である。体力が許せば、思い出が凝縮していて懐かしいイタリアやギリシャの歴史的遺産や故地を気ままに歩いて芸術文化を回想する歴史散歩をしたいと思っていた。
   最近の企画力に富んだ新しい旅などには、全く興味がなく、
   もう、歳だし、煩わしい旅に出て、面倒を起したくないし、海外旅行は完全に諦めている。
   海外出張も家族旅行も殆ど自分一人で企画して手配をしてきたので、裏表、旅の情報や事情を知り得て、二重にも三重にも海外旅行を楽しめた。長い間、海外業務に携わり、海外にも住んでいたし、とにかく、若くて元気であったから出来たのであろう。
   諦めてしまうと、もう、海外旅行に行きたいという気が失せてしまって、逆に、色々な旅の思い出が、走馬灯のように脳裏を駆け巡るのが面白い。
   NHK等では、海外情報の番組が頻繁に放映されており、実際に現地で味わった思い出を重ね合わせて見ていると、不思議にも、色々な物語が浮かび上がってくる。
   特に、歴史遺産などには、その後の、知見の増加もあって、新しい発見を感じて嬉しくなることがある。

   この口絵写真は、もう、50年も前のブエノスアイレスのナイトクラブ・ビエホアルマセンで撮ったタンゴ演奏のワンショットである。
   一眼レフのF1.2のレンズを開放して撮って増感現像したのだが、なぜだか、唯一の古い旅の記録として残っている。
   下記の修復なったレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の写真を見ると、必死になってレオナルド行脚に明け暮れていた頃が、無性に懐かしい。
   

   海外旅行は、若くて元気な時に行くべきで、行きたいと思うときが好機であって、円高などはどうでも良いのかも知れない。
   異文化異文明との遭遇と、世界規模での歴史的な驚異にインスパイアーされる魅力は、何ものにも代え難い筈。
   そんな気もしている。
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