熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

河野牛豚肉店で正月食材を買う

2019年12月30日 | 
   年末も押し詰まってくると、家族に頼まれてコープなどへの買い物に出かける。
   店内は、日頃のディスプレィとは違って、正月用品や正月食品一色となって、いつもの商品を買おうと思っても、どこにあるのか右往左往、とにかく、大変な混雑ぶりである。

   正月用品と言っても、決まっているようなものであるから、家族が、生協の配達で調達しており、近くの店へ行くのは、不足品やアドホックな商品くらいではある。

   ところが、正月の家族でのすき焼きパーティ用の肉とか、ステーキやしゃぶしゃぶ用の肉については、手広にある河野牛豚肉店へ予約をして、買いに行っている。
   安い肉ではないのだが、品質は保証もので、確かな肉なので、良い肉を食べたいときには、この店に出かけていくことにしている。

   鎌倉から藤沢への道路と、大船から江の島へ抜ける道路の交差点・手広にある小さな肉店なのだが、創業100年で、店頭の客が絶えたことがない。
   年末年始には、特別販売しているので、客が殺到する。
   今日も、店頭には長い列ができていて、明日は、もっと混雑するという。
   私の場合には、事前に商品リスト表と申込書を貰っておいて、24日までに、申し込んであるので、適当な日に、店に行って、店の外の仮設カウンターで、特設冷凍車から、商品を受け取ることにしているので、これなら造作がない。

   さて、正月やクリスマスなど、特別な日には、現役の時には、レストランに行って、特別メニューで楽しむことが普通であった。
   特に、ヨーロッパに住んでいた時には、その国の祭日などに合わせて、個性豊かな料理を味わうのが楽しみであった。
   それに、公的にも必要であり、また、私的にも思い入れがあって、ミシュランの3つ星や2つ星付きなど高級レストラン行脚を続けていたこともあって、この方面でのヨーロッパ文化を結構楽しんできた。
   逆に、日本の高級料亭など、日本の方は、まずまずで、日本の食文化の奥深さには、欧米ほど、触れる機会がなかった。

   しかし、仕事から離れて、個人的な生活に入ると、ガラリと変わって、改まった会合やレストランでの会食など、表向きのイヴェントが少なくなって、家族や親しい友人たちとのプライベートな食事が多くなっている。
   したがって、DIYというか、生産消費者になって、自前で、家庭で会食を楽しむということになって、これが、結構、孫までの三世帯の豊かなコミュニケーションの場になって、楽しいのである。
   すき焼きなどは、DOは、子供たちだが、食材の準備は、我々祖父母が当たり、孫たちは、あれこれ言う役割である。

   ところで、欧米と日本との客の接待というか持て成しで大きく違うのは、日本では、客の接待には、大切な客であればあるほど、できるだけ高級な立派なホテルやレストランや料亭で、持てなそうと思う。
   ところが、欧米では、外で接客するのは次善の策で、会社なら、自分たちのビルの中にある自社の食堂で自社の料理人がサーブする会食が最高の持て成しだと見なされている。
   したがって、自社ビルを持つと、自社ビルの最も良い場所に接客用の食堂を設えて、立派な会社になるほど、凄い接客環境が整えられていてびっくりする。

   これと同じことで、個人の家でも、自宅へ招待して会食を共にするのが、最高の持て成しで非常に喜ばれる。
   家内などその準備で大変だったが、時には、友人の英国人夫妻にアシストしてもらったことがあったのだが、ほかの英国人の家でも、結構地位の高い客が、サーブを手伝うケースがあって微笑ましかった。
   ヨーロッパ人相手では、これが功を奏するものの、これを真似て、日本人客に自宅に招いたら、「しみったれ」と陰口を叩かれたことがあった。

   蛇足は避けるが、これも、文化文明の衝突の一例で、東京本社とのビジネス上の常識の違いでバトルが絶えず、日本人の国際常識音痴の酷さには辟易しており、これでは、ビジネス戦争に負けて当然だと思っていたが、案の定、わが日本国、悲しくも30年(?)もGDP500兆円で変わらず、成長が止まって、普通の国に成り下がって、先進国でも、どんどん地位が下落して、これ以上下がれないところまで来てしまった。

   話が変な方向に行ってしまったが、イギリスも日本も、自宅での心の通った温かみのある人間的な触れ合いが、貴重だということであろう。
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