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熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

都心に住むか郊外に住むか

2005年04月06日 | 生活随想・趣味
   都心の病院で手術を受け、少し長引いたが、15日間の入院生活を終えて、今日の午後、都心から約1時間半の郊外千葉の自宅に帰ってきた。急に暖かくなって初夏の陽気で、都心の桜も一挙に満開になってしまった
病院が大久保だったので何十年ぶりかで帰って来た感じであるが、この2週間病院で、幸いにと言うべきか、前と同じ様に新宿の副都心の時々刻々変化する高層ビル群を眼前にしながら、術後を静養に努めた。恐らく東京でもこれだけの美しい夜景を楽しめる場所は少ないであろう、百人町からの新宿はそれほど眺望が素晴らしい。
   しかし、少しずつ慣れてくると、殆ど緑や自然を感じさせてくれるものが、8階の病院の窓からは殆ど見えないことに気が付いた。やっと花らしいのを見つけたのは、ある屋敷の大きな白木蓮の木と別な屋敷の藪椿、看護学校の桜、それに並木の白木蓮3本程度である。(もっとも、グローブ座から高田の馬場にかけては緑があるが。)それに、飛んでいる鳥はカラスだけ。正に、極めて魅力的ではあるが、コンクリート・ジャングルそのものの風情である。
   私は、良く歌舞伎や文楽、オペラ、クラシック・コンサートで夜を東京で過ごすことが多いが、その観劇等の後、都心のホテルやシックな場所で余韻を楽しみたいと思うのだが、郊外まで帰るとなるとそれもママならず、残念な思いをすることがあり、都心に住まいがあればと思うことも多々ある。兎に角、勉強をするにも文化生活を楽しむ為にも、機動性においては都会、それも東京都心に過ぎたるものはない。
   所で、今日久しぶりに自宅に帰って見ると、椿の花が咲き乱れている。「白羽衣」の豪華な大輪が枝もたわわ、それに、ピンクの大輪「曙」の黄色い蘂の鮮やかさと大杯の風情の「花富貴」の豊かさが好対照、「岩根絞」も「四海波」も「玉の浦」も「崑崙黒」も「正義」も「アラジシ」も「さつま紅」も今を盛りに咲いている。斑入り葉の越の吹雪や小磯や福島百合の少し小輪の一重咲の赤色が夕日に映えて美しい。大輪の山茶花に似た中国りんご椿が赤い花を開いた。白い斑入りの細長くて優雅な孔雀椿も、ピンクの金魚葉椿も、それに優雅な乙女椿と紅乙女も妍を競っている。
遅れていたチューリップやムスカリ、水仙、花韮、もう花盛りで、2週間見ないうちに庭には春がむんむんしている。それに、野鳥が入れ替わり立ち代り訪れてくる。
   やはり、何やカヤと言っても住み慣れてしまったのか、今住んでいる所が「故郷」。総てが懐かしく愛しいのである。
   ロンドンに居たときには、郊外のキューガーデンに住居を構えて、ロンドンの都心が仕事と活動の場であったが、深夜までオペラや会食、シェイクスピアやパーティを楽しんでも、車でゆっくり自宅に帰って寛げた。そして、休みには、カメラを抱えて王立キュー植物園に出かけて花や緑を楽しめたし、近くの森にははテームズ河が蛇行し、広大なリッチモンド・パークには、野生の鹿が草を食んでいた。
   都心に住むか郊外に住むか、総てはお金次第かも知れないが、病癒え、久しぶりに我が家に帰って、そんなことどもを考えてしまった。
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