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十分間俳句

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西村睦子「『正月』のない歳時記」

2010-08-22 | ジュニア俳句
八名川小学校を会場にした句会いちじはんの会合を終わって、家に帰ると、ポストに「小包」が入っていた。
アマゾンの古本で買った西村睦子著「『正月』のない歳時記-虚子が作った近代季語の枠組み」が届いたのだ。


「正月」のない歳時記―虚子が作った近代季語の枠組み
西村 睦子
本阿弥書店

これは、虚子が作った昭和9年の「新歳時記」を検証した研究書である。
ここに採用されいる季語をそれ以前、江戸期、明治・大正期と比較したのである。
本の圧倒的な部分を占める季語の分析を飛ばして、結論部分だけを読む。
極めて衝撃的な分析が書かれている。
小気味いいが、ショックでもある。
小見出しを見ただけでも少し分かるだろう。

虚子編「新歳時記」のしたたかな戦略
俳句の大衆化路線と新題開拓と経営基盤の強化
虚子編という枷
俳句の基本「有季定型」とは

子どもの俳句でも、最後に必要になるのは歳時記だ。
子ども歳時記なり学校歳時記なりを作る。
その時に、現代の季感に合ったものを作る。
このことによって、21世紀俳句への道を作る。
ここまで行けば、実におもしろい仕事になるだろう。

余談だが、中に「著者謹呈」の札がはさまっていた。
著者から送られた誰かが古本屋に売ったのだ。
この本の内容を快く思わない人かも知れないと思った。
それなら、小さなドラマがここに隠されている。
故人の家族という場合も多い。蔵書は宝の山から使いようのないゴミの山に変わるからだ。
だが、せめて「謹呈」の札は外して売ってほしいものだ。




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