先週は、辰巳小学校、八名川小学校、深川小学校と三つの学校で授業を行った。
中心は、波郷記念館の俳句コンクールへの投稿作品の指導である。
八名川小学校にいたときは、あまりこういう指導はしなかったが、今回は積極的に取り組むことにした。
それは、「取り合わせ」の指導だ。
これまで、何度も繰り返して述べているように、子ども達はほっておけば、作る句は99パーセント「一物仕立て」の句である。
しかし、市用仕立ての句で、だれもをうならせる句を作らせる事は非常に難しい。
ところが、取り合わせの句は、取り合わせと言うだけで俳句っぽくなる。
あとは、季語と内容との微妙な組み合わせだ。
この感覚というのは、子どもにとっては難しい。人生経験や言語経験がものを言う。子どもにはそこまでの技量はない。
しかし、「偶然」というのがあるのだ。何十人も作り、一人が何句もつくると、中に突然変異のように「これは」と思う句が出来ることがある。
私はこれが、俳句指導の本筋とは思わないが、極めて便利な方法であると思う。
この指導のポイントは、 出来事+それと関係ない季語 これが俳句だと言うことを指導の最初の段階で子ども達に感覚として納得させられるか否かに掛かっている。
適切な例句をいくつか持たないといけないが、
この日は、
「菜の花や月は東に日は西に」
「赤蜻蛉筑波に雲のなかりけり」
の二句を取り上げて、説明した。その後、教室の中にあるものを取り上げて俳句を作る。
色鉛筆は十二色
これに、色鉛筆と関係ない季語をつける。
初紅葉色鉛筆は十二色
秋の空色鉛筆は十二色
なんてなると、きれいだが、「関係ない」というところが、重要。どのきごでもいいが、「関係なくてよい」と分かれば、あとは、感覚の問題だけで、だんだんに分かるようになる。
ここを失敗すると、
今待ていろいろなフレーズを考えても、季語が示されたとたんに元に戻り、
秋の空青くて澄んできれいだな
となる。さっきの「色鉛筆は十二色」はどこにいってしまったんだということになるのだ。
しばらくこのやり方を続けて、「取り合わせの指導」に習熟しようと思っている。