医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

糖尿病による心臓血管系疾患とニンニクの効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2013-06-26 21:58:40 | 健康・病気

糖尿病では、心臓の冠状動脈や細少動脈などが糖毒性やフリーラジカルにより、障害を受け狭心症や心筋梗塞、心不全が発症する危険性が増大します。これらでは、フリーラジカルや糖毒性などにより、血管や心筋が障害を受けると言われています。なお、糖尿病で増えるAGEs(終末糖化産物)の増大は、ビタミンB1やその誘導体(benfotiamine)により抑えることができると、研究は示しています。また、フリーラジカルは、ビタミンC、アルファーリポ酸、補酵素Q10などが抑えることがわかっており、糖尿病による心臓血管病や心不全の予防・治療に栄養サプリメントとして用いられています。今回は、数多くの研究で示されたように、糖尿病による心臓血管病に対する、ニンニクの予防・治療効果に関して、考えていきたいと思います。

疫学的研究では、ニンニクの消費と心臓血管系疾患の進行の間には、負の相関が見られます。心臓血管系疾患の発症は、血清総コレステロールの高値、LDLの高値、LDL酸化の上昇、血小板凝集の上昇、高血圧、それに喫煙などの複合的因子が関係しています。

多数のin vitroによる研究では、これらのパラメーターを減少さすニンニクの活性が確認されました。このように、ニンニクは脂肪合成に関係する酵素を阻害し、血小板の凝集を減少させ、酸化した白血球と赤血球による脂質の酸化を防ぎ、抗酸化状態を高め、アンジオテンシン転換酵素を阻害します。

1993年以来、臨床試験の44%で、総コレステロールの減少を示し、ニンニクは、血小板が凝集する能力を減らす活性を有することを、確認しました。他に混同した結果が有りましたが、それらは、ニンニクにより薬効に違いがあること、不適切な無作為試験、被験者の選択に於ける不適正化、それに臨床試験期間の短さなどによる可能性があります。また、in vitro、in vivoでの再調査による分析では、心臓血管系疾患と関係したパラメ―タの減少に於いて、ニンニクは有望性がありました。更なる研究の積み重ねを期 待しています。なお、生ニンニクは胃を痛める可能性があるので、ニンニクのハチミツ漬など加工したものがよく、食後に摂取した方が胃に負担をかけません。ニンニクエキスの栄養サプリメントも発売されています。

References

Garlic and cardiovascular disease: Critical Review: Khalid Rahman et .al, The Journal of
Nutrition, March 2006 vol.136 no.3  7365-7405

Garlic and heart disease: Let food be your medicine!

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