( Vol 3390 ) 高齢者の山での事故に思う 若いときとは 体力 気力 は違う 己を知ることである
最近の山ブームは 自然を楽しむ 味わう ということで良いことだと思う
しかし 山での事故は 絶えない
ここには 自分に責任を持つ という意識が薄い ことがある
また 山ツアーのインストラクターの意識にも 商業主義強く 山での感動だけを強調しすぎて 山への心構えを 参加者に伝えていない のが残念である
誰かに連れていってもらった経験だけで 山を訪れるのは 力不足である
自分一人で 山に行くには どのような心構えが必要なのか 習得する必要である
どんなに低い山だろうが 高い山だろうが 山には変わりはない
長野県の山での事故の内訳をみると
態様別発生状況
(令和6年1月1日~8月12日)
男女別・年齢別比率
(令和6年1月1日~8月12日)
という報告がなされている
山での事故の件数は 日常生活における交通事故の件数よりも少ないが 悲しみや救助されることにおいては 同じくらい 重さがある
ここから見えてくるのは 中高年者の比率が高いことである
その内容は 転落、滑落、転倒といった事故が 多いことが目立つ
これは 若い時ほど 体のバランスをとるという とっさの対応行動ができていない ということを暗に示している
日頃から平地を歩いていても バランス訓練まではやっていない
若い人たちは 日頃から 遊びや運動を通じて 無意識のうちにバランス感覚を養っている
しかし 中高年になると 若い人たちのような 遊びや運動は避けている
そのために バランス感覚は 若い頃よりも衰えている
その認識もなく 若いときの感覚で 山に行く
そして バランスを崩して 事故になる
「私は 大丈夫」 と思うのは 過信であり 事故を誘発する
若いときは 無理もきく
中高年になると 無理はきかない
常日ごろから 自分と向き合い 自分を厳しい目でみて 自分を判断してほしい
山は素晴らしい
それを味わうには それだけの 体力 無気力 技量 が要求される
行く山には 「何が」 必要なのか 吟味する 必要がある
この「何が」 を考える ことが大事である
すべてが 「万が一」 ということを考える必要がある
しっかりと 自分を 常日ごろから 観察して 判断していれば 山は安全に楽しく 登ることができる
山での事故は 他人に何らかの 負担をかける ことになる
ということを 自分に 言い聞かせてほしい
観光気分で 山に行くのは 無謀に等しい
服装も 万が一 ということまでも考えて 用意する必要である
我を忘れてはならない
自分を知る
という大切さが 山に行く という行為には 必須である
サンダルで 山に行く というのは 無謀である
事故に会う確率は 高くなる
山に行くには 相応しい 姿勢が求められる
また 山に敬意をもってもらいたい
山を汚さない ゴミは持ち帰る 山に置いてくるのは 足跡と思い出だけにしてほしい
山に 咲いている植物は 写真に撮る だけにしてほしい
常に 次に訪れる人たちが 気持ちよく 自分が受けた自然の感動を 同じ様に受け取れるように 環境に気をつけてもらいたい
自分だけ その時だけ 楽しめればいい では困る
自然は 自分だけのものではない
誰でも 共有できるものである
だからこそ 山には 敬意を払い 気をつけて 山に行ってほしい