面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「R100」

2013年10月21日 | 映画
都内の有名家具店に勤める片山貴文(大森南朋)は、ふとしたはずみから謎の秘密クラブ「ボンデージ」に入会した。
契約は1年。
途中退会はできない。
クラブの“メニュー”は、日常生活の中に突然、現実離れした様々な“美女”が現れるというもの。
現れた美女には絶対に手を出してはならず、常に受け身でいなければならない。
日常に突然巻き起こる緊張感によって得も言われぬ愉悦を味わうことができるという。
その快楽にハマる片山だったが、次第にエスカレートしていくメニューに不信を抱き、危機感を募らせていく…


デビュー作の「大日本人」では、円谷プロばりに特撮技術を駆使して“怪獣モノ”を描き、次の「しんぼる」では、タイトルそのままに“男性シンボル”が溢れる抽象画のような映像を展開し、「さや侍」では時代劇というモチーフを取り上げ、次々と新たな世界を我々に見せてきた松本人志監督。
「さや侍」公開時、記者会見で次回作についてむちゃくちゃな映画を作ると語った監督は、会見直後の企画会議で「R100」というタイトルから決定し、作り込んでいったという。
今までは現場で、その場その時の感性で撮影していくことが多かったが、今回は台本をしっかり作ってセリフを固めて作りあげていったとか。
これまでの作品とは違い、一番映画らしく作られた作品といえる。
とはいえ、監督の宣言どおり内容はむちゃくちゃ。
ワケの分からない登場人物と荒唐無稽なストーリーが展開する。

が、突然、思わぬ形で観客はパラレルワールドへと放り込まれる。
その瞬間は呆気にとられるが、また違った眺めを味わうことになって更なる摩訶不思議に包まれる。
松っちゃんは鈴木清順監督が好きなのか?とふと思ってしまったが、それは余計な詮索だった。


この作品を理解できるのは、タイトルどおり100歳を超えてから。
101歳の誕生日に、本作のDVDを鑑賞することを楽しみに、これから生きていこう。


R100
2013年/日本  監督:松本人志
出演:大森南朋、大地真央、寺島しのぶ、片桐はいり、冨永愛、佐藤江梨子、渡辺直美、前田吟、YOU、西本晴紀、松本人志、松尾スズキ、渡部篤郎


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