面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「ウルフマン」

2010年05月05日 | 映画
19世紀末の英国。
兄が行方不明になったという知らせを受けた人気俳優のローレンス(ベニチオ・デル・トロ)は、生家のタルボット城があるブラックムーアの村へと向かった。

到着早々、父親のジョン(アンソニー・ホプキンス)から兄が死体で見つかったとの報告を受けてショックをうける。
無残に切り裂かれた兄の遺体と対面することとなったローレンスは、深い悲しみを押し殺し、激しい怒りを胸に犯人の捜索に乗り出した。
しかしある満月の夜、兄の遺留品を手がかりに流浪の民のキャンプに入った彼は、怪物の襲撃に遭遇し、あろうことか怪物に噛みつかれて深い傷を負い、タルボット城へと担ぎこまれる。

数日の療養で跡形もなく傷が癒えたローレンスだったが、満月の夜、おぞましいウルフマンへと変貌し、村人を襲った。
翌朝、残虐行為を働いた彼が人間の姿に戻って目覚めると、ジョンによって警察へと引き渡されてしまう。
実の息子に対する冷酷な行動の陰には、25年前の妻の死にまつわる恐るべき秘密が隠されていたのだった…

1935年、世界初の狼男を題材とした本格的な映画「Werewolf of London(倫敦の人狼)」が公開され、特殊メイクによる半人半獣の狼男がスクリーンに登場。
この作品で
「狼男に噛まれた者は狼男になる」
「満月の夜に狼男に変身する」
という設定ができあがったという。
そして1941年に公開された「The Wolf Man(狼男)」。
日本未公開のこの作品は、精巧な特殊メイクによる狼男の登場に、「銀の弾丸に撃たれると死ぬ」という設定が加わり、悲劇の貴族ローレンス・タルボットも誕生した。

主演のベニチオ・デル・トロはこのジャンルの映画が大好きで、プロデューサーのリック・ヨーンからの「狼男」リメイクの話に即同意。
そのまま主演のウルフマンに収まった。
本作におけるベニチオの顔は、正にウルフマンそのもの!
見事なハマりぶりで、“狂気の獣人”を大熱演。
スクリーンに映し出される彼の姿は「狼男映画フェチ」の域を超えていて、ホンモノの狼男一族なのではないか!?と、本気で疑ってしまうほど。
満月の夜に変身する様子は「マジやんけ!」とツッコミたくなる(ていうか、心の中でツッコんでいた)。

実際に狼男がいればこんな感じ!という“リアル・ウルフマン”を堪能できる、オーソドックスなモンスター・ムービー。
終盤、「サンダ対ガイラ」を彷彿とさせるシーンがあり、怪獣映画として意外な楽しみ方もできるところが愉快♪


ウルフマン
2010年/アメリカ  監督:ジョー・ジョンストン
脚本:アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー、デヴィッド・セルフ
出演:ベニチオ・デル・トロ、アンソニー・ホプキンス、エミリー・ブラント、ヒューゴ・ウィーヴィング


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