面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「グッドナイト&グッドラック」

2006年05月27日 | 映画
仕事で脳みそが疲れたときは、レイトショーで映画を観る。
真っ暗な映画館の中で、ひたすらスクリーンに没頭し、その世界に浸りきる。
終わればスッキリ♪

本日のレイト観賞は、前々から絶対観る!と決めていた、ジョージ・クルーニー監督の本作。
いわゆる“赤狩り”全盛期のアメリカで、「そらおかしいやろ!」と敢然と立ち向かった一人のテレビニュースキャスターとそのクルー(番組スタッフ、ブレーン)達の実話。
こういうストレートな“反権力”ストーリーは大好きだ。

「自由の国」を標榜するアメリカで、“思想の自由”という自由が奪われつつあった1953年。
圧力や権力に屈することなく、自由を守るために戦ったスタッフと、それを見守った経営者(テレビ局会長)の姿を、泥臭い裏方的なシーンは排除して淡々と追いかける。
当時の報道フィルムが挿入されるが、モノクロで撮影されているために、全く違和感なく画面にはまっていて、スクリーンの世界への没頭を阻害されることがないのがいい。
(「フォレスト・ガンプ」でガンプがケネディと握手するシーンなんかメじゃないね)
また、主人公でエース・ニュースキャスターのエド・マローがダンディでカッコいい!
グレンチェックのスリーピースの着こなしは勉強になる。

物語の終盤、ジャーナリズム本来の姿を追求した気骨あるニュース番組が、時世の流れに押されて、バラエティー番組にとって代わられていくのは哀しい。
それは現代日本にも当てはまることでもあるだろう。
マローのセリフに出てくるが、テレビが「娯楽と逃避のためだけにあるのなら、その存在意義は無」く、ただの「メカが詰まった箱」に過ぎないが、「それを決めるのは使う人間」である。
そして「使う」というのは、作る側・見る側両方を指すと考える。

クルーの仕事に対する情熱が熱い。
使命感を持って仕事をすることほど、カッコいいことはない。
また、そんな仕事をやり遂げたときの充実感は堪えられい!
ついつい忘れてしまいそうになる仕事に対する“思い”を、もう一度見つめ直させてもくれる。
カッコ良く、仕事しよう!

グッドナイト&グッドラック
2005年/アメリカ  監督:ジョージ・クルーニー
出演:デヴィッド・ストラザーン、ジョージ・クルーニー、ロバート・ダウニー・jr、パトリシア・クラークソン、ジェフ・ダニエルズ