面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「レント」

2006年05月01日 | 映画
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劇中歌の「SEASONS OF LOVE」が好きで、公開前から楽しみにしていた。
冒頭、いきなり歌うシーン♪
この曲を聴くだけで、こみ上げてくるものが。
渡部絵美に似た(?)トレーシー・トムズが素晴らしい!
ああ、このファーストシーンだけで満足満足。。

…というわけにもいかないや。

恋人がエイズを苦にして自殺してから曲が作れなくなったミュージシャンのロジャー、彼の同居人でドキュメンタリー作家を目指すマーク、彼らの階下に住むロジャーに思いを寄せる薬チュウでエイズに罹患しているナイトクラブ・ダンサーのミミ、ロジャーとマークの親友で哲学教授のコリンズ、コリンズと相思相愛のホモ相手でエイズ患者のエンジェル、自由奔放な性格で時に周りを振り回すパフォーマーのモーリーン、彼女のレズ相手で弁護士のジョアンナ、かつてロジャーとマークのルームメイトで資産家の娘と結婚してからはかつての中間達に家賃を催促するベニー。
ニューヨークのイースト・ヴィレッジを舞台に繰り広げられる、夢を追いかける若者達を描く群像劇のミュージカル。
ちょっと「グリニッジ・ヴィレッジの青春」を連想させるような話だが、時代背景もあって全く異質。
物語の中に、ドラッグ、エイズ、同性愛、格差社会といった現代アメリカを表すキーワードが散りばめられている。

どうしようもなく閉塞的な現実に苦悩する彼ら。
心の奥底にある思いとはうらはらな状況へと陥っていくが、エイズを発症して死んでいったエンジェルの存在が、彼らをもう一度“甦らせる”。
未来なんて無い。
振り返るべき過去も無い。
でも、自分の心に真っ直ぐ向き合い、今この一瞬をめいっぱいに生きる!

そして、その毎日が積み重なった1年という“時間”を、愛で計ることができたなら、こんなステキなことはないだろう。

レント
2005年/アメリカ 監督:クリス・コロンバス
出演:アダム・パスカル、ロサリオ・ドーソン、アンソニー・ラップ、ジェシー・L・マーティン、ウィルソン・ジェレマン・へレディア、テイ・ディグス