面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

試合の流れ

2006年05月22日 | 野球
今日もタイガースはオリックスをくだして連勝♪
貯金も今年最多の8つとなって、単独2位!
息切れし始めた1位の讀賣の尻尾がつかめるところまできた。

それにしても土曜の試合では、「試合の流れ」というものの恐ろしさをまざまざと見せ付けられた。

先発両投手が好投を続けて膠着した試合で、6回裏に先頭打者の赤星が出塁してようやくつかんだチャンス。
続く藤本がきっちり送りバントを決め、3番シーツがしぶとくライト前へタイムリーを放ち、実に理想的な展開でついに先制点をもぎとる。
更に4番金本がライト前ヒットでつなぎ、シーツも走塁良く3塁を陥れ、ワンアウト1塁3塁という絶好のチャンス!
第1打席でヒットを打っていた今岡だけに、ここは期待した。
が、とんでもないことに今岡は、ものの見事に併殺打に倒れてしまい、一瞬にしてチェンジ…。
タイガースに来ていた「試合の流れ」が、完全に断ち切られた瞬間である。
そしてまたちょうど「誠のつけ麺」を食べ終えた瞬間で、今岡の打席もタイガース押せ押せの攻撃も消え去った瞬間でもあった。
球場中が深いため息に包まれ、いやーな予感がした。

野球とは不思議なもので、得点が入ると「試合が動き出す」。
つまり、タイガースが6回の裏に点を取った次の回である7回表は、失点しやすい、ということである。
なので、本当のエースピッチャーとは、味方が得点した次の回は絶対に無失点で抑えなければならないということを自覚している。
そして気迫をもってマウンドに立ち、抑えきる力をもつ。
西武の松坂がエースと言われる由縁はここにある。
讀賣の工藤も、中日の川上憲伸も、味方が得点した次の回は鬼気迫る投球を見せる。

残念ながら土曜日の福原には、そこまでの力はみなぎっていなかった。
6回表までノーヒットノーランに抑えてはいたものの、試合が動き出した中で迎えた7回表、いきなり先頭打者にヒットを許し、ノーヒットノーランも夢と消える。
そして続く4番中村に逆転の1発を浴び、今度は勝利投手の権利さえ消し飛んでしまうのである。

しかし、今季春先に故障して調整が遅れ、最近ようやく1軍に上がってきて、この日が初先発だった福原には、“いやーな流れ”を食い止める力は無いのが当然といえば当然。
それよりも、そんなタイガース絶対有利の流れを180度転換させてしまった、今岡の併殺打が全てである。
先に書いたように、タイガースにとって最も理想的な展開で先制点を取り、押せ押せムードにあったものを、一瞬にして消滅させた責任は大きい。
試合は勝ったから良かったものの、負けていれば、いわゆる「A級戦犯」である。
これでエラーでもしていたら、ファンはもちろんのこと、ナインからも総スカンをくらった可能性もある。
そういう観点からすれば、いっそエラーして更に険悪な雰囲気を作り、2軍で再調整させられた方が良かったかもしれない。

日曜の試合では、風邪気味の症状を呈しての急性胃腸炎とかで欠場した今岡。
風邪なんかではなく、精神的ストレスからくる不調なんじゃないだろうか?と勘ぐってしまったが、そこまで精神的に追い込まれているなら、まだ期待ができるというもの。
どんなに不調でも特打ち(集中的に打撃練習を行うこと)はしないというポリシーは、そうやって特打ちすることによって首脳陣にアピールし、試合に出る先輩選手を見て、そんな選手には絶対にならない!と心に誓ったからだという。
天才打者ならではのスマートな発想だと思う。
しかし、スマートさだけでなく、時にはガムシャラさというものも、不調から回復するためには必要であることを認識できれば、彼は更に飛躍できるはず。

月曜からの今岡に注目したい。