青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

アパートの裏山- Nature of Misty Hill青梅市霞丘陵(and 周辺地域の森)の自然2021.6.28

2021-06-29 21:26:51 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然


 
“This is the worst trip I’ve ever been on”(「スループ・ジョンB」)、、、は、ちょっと大袈裟にしても、滅茶疲れました。これほど無駄に疲れたのは、2015年の広東省詔(左の扁は“音”)関市始興県に於ける「チ○○を求めて3000里」(歩いても歩いても“あと3km”)の時以来のことのような気もします。
 
朝9時出発。アパートから20分ちょっとのオオムラサキポイントに行ってみたけれど、天気は良いのに姿は見ません。 時間が早すぎるのかも知れないので、付近をぐるりと一周してきました。戻ってきた時も、やはり姿は無し。ボロヒカゲ3種もいません。ボロヒカゲに関してはもう姿を完全に消したとみれば良いのですけれど、オオムラサキは(例年ならともかく今年は)もうそろそろ出ていても良いのではないでしょうか。一時間近く待機していたのだけれど、曇り空になってきたし、途中カモシカに出会ったり、翅を開いたムラサキシジミを撮影したり、それなりの成果もあったので、今日の探索行は早めに切り上げて、(蝉の声*録音用に)K氏が送ってくれたIホーン(?)の使い方を調べたり、オオチャバネセセリの論文をチェックしたりすることにしました。
*ニイニイゼミは6月22日から鳴き始めています。ヒグラシはまだ聴いていない(例年の状況からするともう鳴いていても良いはず)。
 
写真1

二ホンカモシカ。10時22分。
 
写真2

ムラサキシジミ。10時48分。
 
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でも、まだ正午前です。もうちょっと頑張っても良いような気がします。ついでに、これまで一度も訪れていなかった(多摩川を挟んだ)南側の丘陵も、ちょっと見ておこう。F氏の観察地でもあるこのK医院裏のポイント、M氏に教わった愛宕山の3本の木、狭山丘陵の緑の森、、、オオムラサキはどこもまだ姿を見せていないようなのですが、ネットで検索したら、南側の丘陵、青梅市と日の出の境にあるゴミ廃棄所周辺では、既に発生中となっています。この機会にそっちのオオムラサキの発生状況などもチェックしておこう、ここからすぐ近くみたいだし。
 
それが「大失敗」、8時間、無意味に歩き続けることになってしまいました。
 
上記のごとく、午前中は「楽勝」だったんですよ。今日はそこでやめときゃよかった。
 
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とりあえず、午前中の撮影写真をもう少し紹介しておきます。
 


オオムラサキポイントの雑木林。K医院のすぐ近くです。M氏は、去年の7月上旬、この木の樹液に来ているのを2頭見た、今年は季節進行が早いので、6月下旬ではないか、という意見です。鳥に詳しいサイトウ氏によると、右から2本目の木の樹幹に、ツミが営巣しているとのこと。9時32分。
 


オオムラサキポイントの雑木林。9時32分。
 


クロホシタマムシ。小型種ですが、翅の金属光沢の美しさは、本家タマムシにも負けません。幼虫はこのコナラの木材を食べて育ちます。9時36分。
 


クロホシタマムシ。9時36分。
 


アオダイショウ。かなり大きいです。9時59分。
 


展望台?の手前の木組みの歩道上で、ニホンカモシカに出会いました。10時14分。
 


人間がいるのを知らぬふりして、木の葉を食べています。10時15分。
 


やっぱり、とりあえず茂みの中に移ろう。10時16分。
 


僕が正面からカメラを向けているので、固まってしまっているみたいです。10時18分。
 


狭義のカモシカ属は3種。(他の生物でもそうなのですが)インターネット上では、ニホンカモシカのみが(これでもか、と言うぐらい)詳しく紹介されていて、他の2種については、ほぼ全くと言って良いほど触れられていません。10時21分。
 


ニホンカモシカ:北海道、本州(中・東部)、四国と九州の一部。タイワンカモシカ:台湾。ニホンカモシカと同一種で亜種関係にあるとする見解や、別種と見做す見解があります。スマトラカモシカ(シーロー):中国大陸南部、インドシナ半島、スマトラ、ヒマラヤ地方。3者の関係は、なかなか興味深いです。例えば、タイワンカモシカ+シーローの分布域は、ほぼタイワンタイマイの分布域と重なりますね。10時24分。
 


ニホンカモシカは、日本固有種で特別天然記念物に指定されています。10時24分。
 


最近は、かなり棲息地が広がって(個体数が増えて)いるようです。ちなみに、科は異なりますが同じ偶蹄類の野生種であるシカ(ニホンジカ)も、この辺りにかなり棲息しています。数日前、オオムラサキポイントの手前の住宅密集地の、住宅から10mほどしか離れていない斜面にいました。写真を撮ろうとカメラを向けたら、住宅地のほうに逃げて行った。この日の昼間には住宅街の中をシカが歩いていたかも知れません。10時25分。
 


特別天然記念物として手厚く保護されているニホンカモシカ、実質的な害獣として認知され駆除されつつあるニホンジカ、、、、皮肉ですね。10時33分。
 


ピンボケ写真です。20分余撮影を続け、まあこんなところで、と切り上げて場を離れたら、一目散で山を下って行きました。僕がずっと前にいて、さぞ怖かったことでしょう。ゴメン。10時34分。
 


ムラサキシジミ。10時45分。
 


ムラサキシジミ。10時48分。
 
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18年間青梅市に住んでいて、東隣の町が瑞穂町であることを、ついこの間知りました。南隣の町が日の出町であることは、昨日知ったのです。あきる野市と日の出町が別の行政に属することは、たった今知った(笑)。
 
歩いて瑞穂町に行くと、いつの間にか別の行政地域に替わっています。武蔵村山市とか入間市とか、、、。昨日行った日の出町も、いつ通ったのかも分からない(車じゃなくて歩いてですよ)。あきる野市とか羽村市とかの表示が出てきたりします。
 
行政を跨ぐ、ということは(実際面として)どういうことかというと、アクセスが悪い、と言う事ですね。
 


多摩川を渡ります。東青梅南口の交番の若いお巡りさん(山梨の北杜市出身で、子供の頃オオムラサキは沢山見たそうな)の説明が細かすぎて(笑)、かえって迷ってしまった。通りかかったおねえさんに訊ねたら、親切に途中の分岐点まで案内してくれた。そのあと郵便局で地図を書いて貰って、とりあえず多摩川に架かる橋まで辿り着きました。12時26分。
 
しかしここからが大変。町境の峠(二つ塚峠、標高300mくらい?)までの秋川街道は、もの凄い数の車車車車。。。。。。。その(ガードレールもない)脇の歩行は、まさに命がけです。そして、いつまで経っても峠に登り着かない。
 
一帯全てが、老人ホームと霊園とゴミ廃棄所と杉林と雑木林で成っているようです。
 
心身共にくたびれ果てて、峠に辿り着きました(来るんじゃなかった)。十字にトラック道が横切っている(資材廃棄所とかが沢山有るのでそこに行く車をチェックする)管理所のおじいちゃんに訊ねました。
 
僕:
オオムラサキで有名な場所があると聞いてきたのですけれど、、、そんなのあるのですか?
 
おじいちゃん:
もちろんあるよ、でも今日は休みだよ。
 
僕:
休みって?
 
おじいちゃん:
日によって希望者(団体に限る、個人はダメ)を案内していて、その時だけ開いている。
 
僕:
なんだ、飼育しているのか、、、、。
 
おじいちゃん:
いや、そういうわけでもないと思う、詳しい事はここに連絡して聞いて。近い将来、この町(日の出町)の観光の目玉にする目論見らしいよ。
 
僕:
ここから遠いの?
 
おじいちゃん:
左のダンプ道を1.5㎞。
 
飼育放蝶なら、出現が他の地域より早いことも肯けます。わざわざ見に行く必要もないでしょう。でも今日はまだ時間もたっぷりあるし、せっかく(車の洪水の中を)苦労して登ってきたので、一応どんな感じのところなのか、見ておくことにしよう、と示された方向に歩いて下りました(そのまま行くと五日市線の駅に出る由)。曇り空で、蝶もいないでしょうから、写真を撮る必要(ことに時間配分を決めなければならないというプレッシャー)もないし。
 


1.5kmは結構長いのかな?なかなかそれらしき建物は見つからない。あ、これかも。それにしてもオオムラサキ飼育ケージとしては目立ち過ぎない? 14時08分。
 


むろん違いました。ここは、あの有名なロンヤス会談場(日の出町の別荘)なのです。会談場所は、この建物の中で
はなく、ここは入口のモニュメント? 14時13分。
 


少し下ったところにあった道案内。14時17分。
 


ケージのある場所が分かりません。1.5㎞は歩いたと思うんですけれど。やがて住宅街に出ました。庭にいたおばさんに聞きました。電話でご主人だかに聞いて調べて貰った結果、どうやら遥か前に通り過ぎているらしい、とのこと。ここは峠から4kmはあるそうです。それで来た道を引き返し、ロンヤス別荘入口にいたおばさんに訊ねたりして、たぶんゴミ処理所の中ではないか、ということになりました。ここだ! 14時57分。
 


ケージの中で網振って走っている(ちょっとシュールな光景)人がいます。お~い!と呼ぶと、来てくれました。Fさんというおばさん(もとい、おねえさん)で、自分が所属する研究機関(名前聞いたけれど似たようなのが沢山あるので忘れた)から派遣されて来ているのだとのこと。14時57分。
 
僕:
(もし失礼な質問だったらごめんなさい)
飼育放蝶しているのですか?
 
Fさん:
違います。野生集団を一時的に取り込んでいるのです。
 
僕:
見学の為?
 
Fさん:
それも違います。保護と研究のついでに一般の人たちへの啓蒙活動を行っているのです。
 
僕:
一時的、、、というのは、どういう事なのですか?
 
Fさん:
このゴミ処理(集積・廃棄)所には、もともとエノキが数多く生えていて、オオムラサキも多数棲息していたのです。それが処理所の方針で、苔土を大量破棄することになりました。となると越冬幼虫が棲めなくなってしまう。それで、一時的に(といっても年の半分以上?)ケージに移しているのです。羽化すれば外に放ちます。それと個体数を数えるなどの調査も行っています。ここ数年、増えているのですよ。
 
僕:
なるほど、一応、野生のままで「仮の処置」と言うわけですね。僕は、ここのオオムラサキが、他の場所(僕が観察しているところなど)ではまだ見ることが出来ないのに既に発生していることをネットで知って、その理由を“飼育放蝶しているからなのかな?”と思っていたのです。
 
Fさん:
そうではありません。ケージ外の野生の個体もとっくに発生しています。今年は特に早くて、5月末からです。6月に入ってすぐ、雄のピークを迎えました。今はもう雌の時期です(ちなみにF嬢は雌のほうが好きなんだとか)。
 
僕:
え? もうそんな状況なの! これはのんびりしていられない、、、。
 
Fさん:
そうですよ。もうシーズン終わり近くに来ています。
 
と言って、ケージの中の蝶を写したところで意味ないし、野生で沢山飛んでいるという背後の森に“特例で入れてくれ”なんてことも言いたくないし(どっちにしろ今日はもう天気が悪すぎる)、それで、一応目的(実態の確認)は達成したと言う事で、「“金輪際ここには来たくない(車の洪水!)”と思っていたけれど、結構いいところなので、またチャンスがあったら来てみます」と、お礼を言って、そこを辞しました。
 
峠に引き返して「金輪際来たくない」道を通り抜けねば、アパートには戻れません。峠の上で考えました。「車道ではなく山道があるはず、そこを通って戻ろう」と。
 
再び、ケージ、ロンヤス、老人ホーム、霊園、、、を経て、住宅街手前の4kmほどの道を、北側に入る道がないかとチェックしながら歩きました。Fさんは、「時々採集者の声が斜面の上から聞こえたりします」と言っていたはず。ということは、どこかに道はあるのです。
 
途中、広い霊園の中を隅々まで歩きまわったりして、4㎞の道を1往復半、3時間近く「山道」の入り口を探しまくりました。Fさんに聞こうにも既に帰ってしまったみたいだし。道端にいた地元の郵便配達の兄ちゃんに詳しく調べて貰ったのだけれど、何処にも北に分岐する山道は無さそうです。
 


その間の成果はイチモンジセセリ、これだけ。16時00分。
 


今年2頭目のチェック。この時期としては、かなりの貴重な記録です。16時00分。
 


諦めて峠(二つ塚峠)に戻りました。実は、こっちの道も、秋川街道に劣らず、車車車、、、です。それも急カーブの連続で、もちろんガードレールなどありません。ひやひやものです。車の運転手たちも、なんでこんなとこ歩いてんだ、危ないったらありゃしない、と怒っていることでしょう。僕だって、そう思っているから、車の通らない山道探してるんです。峠の市/町境の、ほんの少し青梅市側に入ったところに、ハイキングコースが横切っていました。(たぶん西は御岳山、東は?)とりあえず東に向かってそこを行くことにします。途中左に河辺方面に下る道があるはずです。道標もありました(17時20分)。
 


直進すればいいはずですが、一応右のほうもチェックしておきましょう(17時22分)。思った通りさっきのケージのすぐ上に出ました。仕切りも何もないので、一般の採集者も容易に調査中のオオムラサキを捕らえることが出来そう。生育地を囲い込んで「部外者採集禁止」を訴える権威を持った研究者側も、なんだかなあ、と言う気がしますが、調べている最中の蝶を採集していくコレクターも、トンデモ野郎です。
 
うろうろしていて何か言われると嫌なので、すぐに分岐点に戻りました。道標に従えば、直進した後、どこかで左に曲がって、小作駅に向けて下っているようです。駅ひとつ分行き過ぎますが、まあ仕方がないか。しかし、行けども行けども、左に下る道はありません。少々焦り出した頃、やっと左に(結構いい)道が出現。でも「私有地に付き通行禁止、怪我しても責任は負えぬ」という立札や貼り紙が何か所も。見つかると銃で撃たれたりするのかも知れない(まさか)。ここは安全策を、ということで、仕方なく直進します。
 
またいい加減不安になってきた頃、左に分岐する道。これも、なんだかよく分からないことが細々と書かれたプレートが立っています。「少し先で道が2つに分かれる、右の道は病院の裏に出る、しかし途中で道が消えて通行は困難、左の道は広場に出る、しかし非常に危険な悪路」、、、、そんなこと言われても、、、。諦めて先に進みます。
 
一体この尾根道(ハイキングコース)は、どこまで続いているのでしょうか。時たま見かける道標には「二つ塚峠方面-草花(出口?)方面」と書かれているだけ(あとは「狩猟禁止」と赤字で書かれたプレートがやたら目立つ)。もしかすると、拝島と八王子の間の多摩川縁とかまで行っちゃうのでしょうか?
 


やがて車の音が聞こえて来た辺りで3つ目の左へ下る道が現れました。今度は何にも書かれていません。しかし道標もないので、どうしようか迷った挙句、下ることにしました。何とかなるでしょう。低山のはずなのに、まるで日本アルプスの登山口付近のような急な下りが続きます。本当に標高200m程度なんでしょうか? 
 
やっと下の車道に出ました。どっちに行って良いのか分からずに、とりあえず高速道路?のトンネルの下をくぐって(18時17分)進みました。民家に辿り着いて、今いる場所と道を尋ねました。「小作の南の羽村寄り」とのことで、ほっとしました。そこから小作駅までと、小作駅からアパートまでも、結構大変だったです(各40分)が。
 
思ったこと。
 
山道は、「ハイキングコース」と「自然観察(許可制)路」、あとは私道(通行禁止)だけしか有りません。「生活路」が全くないのです。「生活者」は全員車を利用していて、歩くことはしない。
 
その「ハイキングコース」も、目的地(出発点-到着点)だけが分かれば良い(ハイカーはそれに従って歩くだけ)ので、途中の事などは関係ない、というわけです。





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