青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

アパートの裏山- Nature of Misty Hill青梅市霞丘陵の自然2021.6.1 (下)

2021-06-04 20:46:41 | コロナ 差別問題と民主化運動 身近な自然



モンキチョウ(とりあえず今回の分)

 
読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。
 
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毎回モンキチョウに関しては(キチョウもそうですけれど)ずっと保留ばかりし続けて来ました。どんどん溜まっていきます。今回(2021.6.1撮影分)は、単独アップで行きます。原則説明なし、写真だけで進行予定。説明となれば、これまで10数回のチェックで知り得たことから始めなきゃなんないし(んなこと言って今回も結構説明してますが、笑)。
 
モンキチョウがモンキチョウである所以(他の全ての蝶と異なる性質)は、特有の追飛翔(交尾拒否行動の一環?)を行うことです。空中で雌が雄を追い続ける(雌が拒否しているはずなのにも関わらず)。
 
しかし、この霞丘陵に於いては(殊に第一化では)、ここまで不思議なことに、そのモンキチョウ特有の、非常によく目立つはずの行動はチェック出来ないでいました。
 
*中国産のモンキチョウ(中国では山岳地帯に分布、それについては別の機会に)も同じ行動を示します。しかし(中国ではより普遍的な)フィールドベニモンキチョウは行いません。また僕が終日観察したことのある北米産2種も行わなかった。ヨーロッパ産の近縁種についても、(僕の知る限り)そのような特異な行動様式を持つことに触れた報文には出会っていない。
 
第二化出現後、暫く経ってから(今回のチェックは第二化出現後約10日目)、確かに雌→雄の追飛翔は確認できました。でもよく見かける長時間追飛ではなく、ごく短く終えます。典型的な長時間雌→雄追飛翔が為されるのは、次の世代ぐらいからなのでしょうか? この先チェックしてからでないと正確なことは分かりません。
 
それ以前に、僕の場合、未だ雌雄の区別が出来ていないんですね。もちろん白いタイプの雌は分かるけれど、黄色いタイプ(この辺りにはそれが少ない事は確かでしょうが)の雌は、雄との違いがいまいち把握できていません。
 
それはとりあえず置いておくことにして、白雌/黄雄に限って話を進めると、追飛翔時、雄が雌の行く手を防ぎながら飛んでいる、というよりは、やっぱり雌のほうが雄を意図的に追っかけているように感じます。
 
ただし、追飛翔が始まる直前は、雄が仕掛けて雌は拒否している場合が多いように思えます。また追飛翔の流れで地上に降りて(多くは上空で離れる)絡み合っている時も、雄→雌を多く見ています。
 
もひとつ“ただし”を付け加えると、雌→雄上空追飛後、地上に降りてそのまま交尾に至った例も(以前中国産で)観察しています。
 
さらに“ただし”を追加すると、(上空追飛翔の前後はともかく)普段の地上でのニアミス時には、最初は雌のほうがチョッカイを出している例のほうが多いような気がする(出会い頭ですぐに別れますが)。
 
そこら辺のシステムが、どのように相互関連しているのか? 求愛や交尾だけでなく、そのほかの飛翔(“産卵飛翔”や“ただ飛んでるだけ”等々を含む)、静止(休息)、吸蜜、産卵、、、の行動間に、一貫性が感じ取れない。その瞬間瞬間で目的が移り変わっているように思えるのです(実際、吸蜜しながら交尾とか、吸蜜から産卵に移り変わるとかも、普通に見られる)。
 
それらの行動を、人間(含・研究者)の考えの基準で理解しようとしても無理があるんじゃないでしょうか。蝶たちは、人間の解釈とは別の意識?の許で行っているのだと思うし。
 
ちなみに、気温とか日照とか、それに個体の日齢とかが、「上空雌→雄追飛翔」に関与している可能性は有るのでしょうが、春の東京よりも気温の低い標高2000mを超える雲南省西北部でもしばしば観察していることを考えれば、その辺りの事も説明に成らないような気もします。
 
モンキチョウの周年発生サイクルは、きちっとしているようですね。春一番(3月中旬過ぎ)に一斉に出現、晩春には姿を消してしまい、5月中旬に再び一斉に第二化(外観は第一化とほぼ変わらない)が出現します。そして、(おそらく)最初の出現時に、交尾を済ませてしまうようです。
 
じゃあ、何のために、一か月近く経った今も(産卵の使命がある雌はともかく、雄は)飛び回っているのでしょうか?(考察は機会を改めて行う予定)
 
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規則正しく各世代が出現(ただし世代間の外観は類似)するモンキチョウに対し、キチョウは、越冬後の個体(いわゆる秋型)がだらだらと出現し続けているようです。いつ第一化の新成蝶に切り替わるのか。そこんところが良く把握できていません。
 
実は、今日第一化(いわゆる夏型=非越冬個体)に出会ったのです。それもやや飛び古した(複数の)個体。いつの間に出現していたのでしょうか? というのも、ここまでずっと越冬個体も(少数とは言え)チェックし続けてきたわけで。早い話、今日だって第一化個体に混じって、越冬個体も飛んでいました。
 
前にも言ったけれど、早春に出会う全ての個体が本当に成虫越冬なのか? 外観上は越冬型であっても、幼虫や蛹で冬を越し、早春になって羽化したものも含まれてはいないのか? 早春に見るキチョウは汚損個体(ボロ)もいれば新鮮なのもいるし、遡って秋にも、ボロの夏型雄と新鮮な越冬型雌が交尾していたりします。実態がどのようになっているのかは分からないけれど、複雑に入り組んでいるらしいのは、確かなのではないかと思われます。
 
ただし、もうひとつ別の捉え方も出来そうです。
 
キチョウ属に近縁のヤマキチョウ属の不思議な例について、以前書いたことがあります。ヤマキチョウ属は、成虫で越冬することは同じでも、多化性のキチョウ属と違って年1化で、越冬後に、スジボソヤマキチョウは ボロボロになり、ヤマキチョウのほうは新鮮なまま現れます。
 
何故だか理由はよく分からないのですが、そのような事実があることは確かなのです。そこで思ったのですが、キチョウの越冬個体の場合、スジボソヤマキチョウとヤマキチョウの両方の性質(すなわち越冬後も新鮮&極めて汚損)を併せ持ってるという、さらによく分からん理屈も思い浮かんできます。
 
参考として、中国雲南省梅里雪山(ミャンマー北部国境近く)の標高2400m付近の草原でのキチョウ族各種の2010.9.11サンプリング写真を添附しておきます。
 
*スジボソヤマキチョウは日本産と同一種、ヤマキチョウは日本産とは別種とされていますが、それぞれ日本産と同じ系統に所属します(詳しくは機会を改めて)。
*フィールドベニモンキチョウは日本には分布していません(中国では低山地を含む広い範囲に分布)。
*モンキチョウは中国では狭い範囲の山岳地帯のみに分布。形態的には日本産と相同です。
*キチョウは現在の分類に従えばキタキチョウに相当します。見てのとおり、同一場所・同一日時に、典型的夏型(非越冬個体)、典型的越冬型、その中間タイプが、バラバラに出現します(日本での秋や春の状況と相応します)。
 
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今回、霞丘陵のコリアス草原では、モンシロチョウ属2種を含むシロチョウ科の4種に出会いました。
 
個体数は、概ね、≪モンキチョウ7:キチョウ1:モンシロチョウ1:スジグロチョウ1≫ぐらいの割合です。実際にはモンキチョウの割合がもっと多いと思うのですが、少ない方が目立つので、感覚的にはざっとこんなところかな、と。
 
2ショット写真を(時間別に)何枚か選んでみました。追飛は同種間であるか否かに関わらず、原則としてごく短時間しか行われません(ほぼ出会い頭のニアミス)。
 
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モンシロチョウ、スジグロチョウについての説明は省略します。
 
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モンキチョウ雄→雌。10時41分。
 

モンキチョウ雌→雄。11時02分。
 


モンキチョウ雄→雌。12時42分。
 


モンキチョウ雌→雄(典型的「雌→雄」上空追飛翔、ただし短時間)。10時25分。
 


雌(右)がいるのに気が付かず、雄同士でニアミス(右上)。11時02分。
 


モンキチョウ。雄は相当にボロです(雌もかなり汚損)。10時24分。
 




モンキチョウ。吸蜜中の雌に雄がチョッカイ。10時23分。
 
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モンキチョウ雄→スジグロチョウ雌。10時16分。
 


モンキチョウ雄&スジグロチョウ雌。10時17分。
 


モンキチョウ雄→スジグロチョウ雌。10時47分。
 


キチョウ(越冬型)雄→モンキチョウ雄? 13時08分。
 


スジグロチョウ雌→?モンシロチョウ雄。10時15分。
 


モンシロチョウ雄→スジグロチョウ雌。10時55分。
 


モンシロチョウ雄→スジグロチョウ雌。12時28分。
*両種とも雌雄がいたけれど、撮影したのがたまたまこの組み合わせ。
 
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スジグロチョウ雌。10時16分。
 


スジグロチョウ雌。10時20分。
 


スジグロチョウ雌。10時59分。
 


スジグロチョウ雌。10時38分。静止時にもよく翅を開きます。
 


モンシロチョウ雄。11時08分。静止時にもよく翅を開きます。
 
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モンキチョウ雌。11時04分。静止時には原則必ず翅を閉じています。
 


モンキチョウ雌。11時04分。例外。
 


モンキチョウ雌。11時04分。“例外”はこのような場面の前後に限ります。
 


モンキチョウ雌。10時29分。透視光で表の模様が分かります。
 


モンキチョウ雌。12時43分。実に綺麗な蝶だと思いませんか?
 


モンキチョウ雌。10時32分。花はアカバナ科の在来種アカバナだと思うけれど、別の帰化植物かも知れない。
 




モンキチョウ雄。13時05‐06分。
 
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キチョウも静止時には翅を開かないので、透視光でのみ翅表の斑紋が確認できます。今年になって羽化した第一化個体と思われます。12時33分。
 


キチョウ第一化。順光では翅表の斑紋は分かり辛い。12時33分。
 


キチョ第一化。翅表の黒斑の出現パターンには個体差があります。12時54分。
 


キチョウ第一化。上と反対側からの翅裏面。やや汚損しています。12時54分。
 


キチョウ。越冬型もまだいました。かなりボロです。13時09分。
 


キチョウ越冬型。順光で。13時09分。
 


キチョウ第一化。13時12分。
 
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【参考】

2010.9.11 梅里雪山明永氷河下方(標高2400m付近)の草地に於けるキチョウ族5種のsample。
上段右:フィールドベニモンキチョウ Colias fieldii
上段中:モンキチョウ Colias erate
上段左:スジボソヤマキチョウGonepteryx aspasia(Gonepteryx mahguru)
中段:ヤマキチョウGonepteryx rhamni(ウスアオヤマキチョウGonepteryx amintha)
下段:キチョウ属の一種(おそらくキチョウEurema hecabe=キタキチョウ)とその季節型(越冬型と非越冬型および中間型)。






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