青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

日本の蝶(その3) オオチャバネセセリ[上]

2021-06-27 20:24:00 | コロナ、差別問題と民主化運動、蝶



はじめに表題についての注記をしておくと、「アパートの裏山- Nature of Misty Hill青梅市霞丘陵の自然」の紹介の中で、ここのところ立て続けにオオチャバネセセリの写真を載せています。それに、確か前回の記事の末尾にも「次はオオチャバネセセリについての記事を取り上げます」とか記したように思うので、「裏山シリーズ」とは別に「日本の蝶(その3)」として纏めてみました(考えてみれば「その2:下」もまだ掲載していない)。

1(ウスバシロチョウ)も2(ダイミョウセセリ)も、必ずしも僕の守備範囲の蝶ではありません。でも「裏山」で観察を始めてから良く出会う蝶なので、書いてみることにしたのです。関心が薄い分、気負いがなくて良いです。オオチャバネセセリに関しては、その二者を上回るほど、全くと言って良い程、無知な存在ですが、成行き上チャレンジしてみます(ただしその話題は途中から、最初は無関係な話を)。

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“教科書で教わった事”だけが「正しい」とされているらしい日本の社会では、“異論”を言うと「逆張り」とか見做されてしまうんですよね(あるいは「陰謀論」とかに)。でも僕にとっては事実だから、しょうがない。
*ちなみに、僕の書いた文章が複数の国語の教科書に載ってます(笑うしかないですけれどね)。

「オコエ選手(妹さんのほう)の話」
予告したまま、なかなか書き進めることが出来ません。差別、ヘイト、いじめの問題は、「単純」な問題(差別が無くなれば良いだけ)であると同時に、限りなく奥が深い。いじめにあっている本人が言うのだから間違いないです。

以下、別の話題です。

僕はニンジンが嫌いです。嫌いなんて生易しいもんじゃなくて、恐怖の対象です。見るだけで気分が悪くなり、食べると吐いてしまうこともあります。こうやって字を書いているだけでも嫌な気持ちになります。

西友ストアのサラダには、全部ニンジンが入っています。幾ら安くて(夜半額になる)美味しそうでも、ニンジンが混入しているために購入が叶いません。ジョナサンの日替わりランチに添えられたサラダにも、ニンジンが入っています。こちらはひとつひとつ指で取り除いています。みっとも無い事この上ないです。

無論、精神的なものです。といって、そう決めつけられるのは嫌です。客観的に見れば、決めつけられるのも何も、確かにその通りであるのですが、異なる解釈もできます。僕にとってのニンジン忌避が精神的な要因から来るものであれば、以下の例はどう解釈できるのでしょうか?

例えば、多くの人々にとっては、ご飯の中に一匹でも虫が混入していれば、嫌な気分になるのではないかと思います。中国の田舎に行くと、ご飯の上に、オケラとかトンボのヤゴとか芋虫とかゴキの親戚のようなよく分からない虫とかが盛られた、お客さんを歓迎するご馳走が出てきたりします。もちろん食べます。僕は平気です。でも「虫ご飯」は嫌がる人が多いでしょうね。それを嫌がることを、誰も「精神的なもの」とは言わないと思います。逆に、それを平気で食える僕がおかしいとされかねません。

もっと言えば、人肉。これは僕もさすが食えません。でも、純粋に「食べ物」として見た場合、ほかの哺乳類の肉と、同じではあります。しかし、皆(たぶん僕も)目の前に人肉料理を出されたなら、吐き気を催したり、気分が悪くなったりしてしまうはずです。そして、それは当たり前なことのわけです。

僕のニンジン嫌いが「精神的要因」に因るものであったとしても、“だから?”という思いでいます。
決めつけることは嫌い、ということ。

さて、ジョナサンで何をしているのか、といえば、インターネットで調べものをしています。

三日ほど前、オオチャバネセセリの事を書いた時に「“属Polytremisは単系統ではない”とは必ずしも限らない」と記したことが気になって、ネット上の論文をチェックしていたのです。

常識(分母は数人かも知れませんが、笑)では、“多系統”と考えられているはずです。まず、川副昭人氏が、 「日本蝶類大図鑑」(1976年、保育社)で、そう言っている。僕も「中国のチョウ」(1998年、東海大学出版会)で、川副氏の説を支持しています。

現在の日本の(蝶研究の世界での)見解では、オオチャバネセセリは、Polytremisから分離されて、Zinaidaとするのが主流な様です(今回、ウイキペディアをチェックして初めて知った)。

Polytremisの模式種は台湾にも分布するlubracansキモンチャバネセセリのはず(未確認)で、それとpellucidaオオチャバネセセリをはじめとする他の各種(台湾産で言えばeltola tappanaタッパンチャバネセセリとkiraizanaキライザンチャバネセセリ=図・解説無しでリスト中にPelopidas属の種として示されている)は、互いに形態的にもかなり異質です。Parnaraイチモンジセセリ属やPelopidasチャバネセセリ属など他の近縁各属の「属分類の区切り」の基準に合わせるなら、それぞれが別属に振り分けられて然るべきでしょう。

さらに、従来はPolytremisとは別属に置かれている種が、Polytremisとされている各種の中に割り込んで位置している(すなわち単系統ではない)可能性もあります。

そのような見解に立てば、Polytremisにはキモンチャバネセセリだけが所属し、タッパンチャバネセセリやオオチャバネセセリは、それぞれ別属に配置されるべきなのだと思われます。

ただ、別の見方も出来ると思います。より広い視野から、Polytremisとしての分類群に(他属の幾つかの種共々)含めてしまう見解。そうするとPolytremisは単系統ということになるわけです。

あるいは、オオチャバネセセリ属やイチモンジセセリを含めた、GegeniiniまたはBaorini(イチモンジセセリ族またはチャバネセセリ族、いわゆるゲゲネスグループ)の全てを一つの属に纏めてしまう。まあ常識的に考えて、さすがにそれはないでしょうけれど、それも一つの見解には違いないはずです。

その場合、属名はGegenesになるのかな? このグループの種は、ヨーロッパには、南縁付近の僅かな地域に(狭義の)ゲゲネス属の2種が分布しているだけですが、全てがヨーロッパ基準に置かれる学問体系の許、熱帯アジアやアフリカに数百種を擁する、イチモンジセセリ属、チャバネセセリ属、ユウレイセセリ属、オオチャバネセセリ属、ムモンセセリ属等々を差し置いて、ゲゲネス属がこのグループの代表とされているわけです。

結局のところ(他の生物群でもそうですが)、「大きく捉える(統合)」か「小さく捉えるか(細分)」か、どちらかになってしまいます。統合は、その証明に手間がかかる。決定することにリスクが伴う。細分は、(その処置が妥当かどうかはともかく)その結果自体は一応正しいことが多いでしょうから、リスクは少ない。

ということで、オオチャバネセセリが所属する属は、Polytremis改めZinaidaとしておくのが、妥当なところなのだと思います。

オオチャバネセセリの所属分類群については、これが最新の情報です(このあと原典にあったってみます)。が、時代を遡れば、もう一つ重要かつ膨大な作品がある。僕の座右の書のひとつ、W・H・エヴァンスの「セセリチョウ科のカタログ」(1937‐1955)。

日浦勇さん(当時「イチモンジセセリ研究会」を一緒にやっていた)が亡くなった時、奥さんから宮武頼夫氏を通して「青山さんへの形見に」と託されたのが、世界の全セセリの系統分類を纏めた、2000頁を超す3冊組の分厚い研究書です。

標本は一部しか示されていないのに対し、雄交尾器の図は全種について示されている、という、当時にとっては、まさに企画的な作品。ゲニタリアの図は、一見稚拙に思える略図ですが、分類指標となるポイントはきちんと押さえられています。

顕微鏡の性能も研究者の技術も向上した現在では、より詳細な見栄えのする図を描くことが出来るし、絵ではなくマクロ写真で実物を示すことが出来る。でも僕は、そのことが必ずしも「表現」の向上に繋がっているわけではない、と思っています。
*ちなみに東京の研究者は写真派、西日本の研究者は描画派、という傾向(伝統?)があるようです。

例えば、科学の発達により、「宇宙」(何兆光年離れた時空も、単に大気圏を外れただけに過ぎない地球の周囲の空間も、同じこの言葉に収斂してしまうことに対して僕はなんとなく違和感を覚えます)からの撮影を基にしたグーグルの詳細な地図が、一般の人も簡単に見ることが出来るようになっています。国土地理院の5万分の一図や、2万5000分の一図の需要は(少なくとも大衆にとっては)益々“不要の長物”になりつつあるようです。

その傾向は、全然間違っていますね。グーグルの地形図は、確かに“見たまま”を移し表しているわけではあるのですが、実際に見ているわけではない。高度感や傾斜感の判断は出来ません。等高線が示されていないからです。グーグルの地図と5万分の一の地図を比べると、いかに5万分の一図が素晴らしい存在であるか、今更ながらに実感できます。

交尾器(外部生殖器)の図の話に戻りましょう。画描よりも写真、これが現在の「進歩的」な人達の共通認識だと思います。しかし、写真は形を正確に示すことが出来ても、しばしば中身を捉えることが出来ていません。その点で、グーグルの地図と5万分の一の地図の関係と同様です。

例えば、カラスアゲハのグループ(種群)とミヤマカラスアゲハのグループ(種群)では、ユクスタという部分の隆起状況が系統分類上の最も重要な指標になります(僕以外誰も気付いていません、しばしば取り上げられる平面上の輪郭の凹凸は無関係)。デリケートで、かつ非常に安定した形質表現であり、それは写真では絶対に示せない。実際に“触れて”初めて認知することが出来るものです。ピンセットの先に触れた感触などで、膜質の部分からキチン化した部分への移行部分を探っていくのです。

これも例えば、ですが、「大きな突起がある」「全く突起がない」この2つの状況は、通常「別のもの」として捉えるはずです。「A=大きな突起がある」「B=全く突起がない」「C=全く突起がない」この3つの組み合わせの場合、「A対(B+C)」と分類されるはずです。

しかし、同じ全く突起がないもの同士を、同じ「形質」として捉えることが出来るかどうかと言うと、必ずしも
そうとは限らない。

同じ「突起がない」でも、許から「突起発生」とは無関係の場合もあれば、近縁種には突起があって、特定の集団のみ例外的に突起を欠く(消失した、或いは今後の発達を予測される)という場合もあるでしょう。両者は、一見同じに見えても意味が違うと思うのです。突起がない者同士の類縁上の距離は、あるものとない者のひとつとの間の距離より離れている場合もあるかも知れません。例えば「(A+B)対C」。

それを突き止めるには、近縁種との比較の中で俯瞰的に見渡すことが必要であり、また、痕跡の有無のような部分の確認は、ピンセットの先を通しての手触りの感覚で知らねばなりません。いずれにしろ「単体の写真」だけでは表し得ないのです。

全体の俯瞰と、基本的部分のチェック。ということで、70~80年前のアナログ仕事とはいえ、エヴァンスは素晴らしいです。段ボールのどこかに収めているのですが、今朝それを探し出そうとして重い段ボールを幾つか移動したら、S字状に曲がってしまっている背骨を更に痛めてしまったみたい*なので中断、それに下手に探し出して中身を読みだしたら、他の仕事が全く手に付かなくなる恐れがあります(笑)。

*昨日今日と猛烈に胸が苦しい(特に左胸の心臓の裏側辺り)。昨日K医院に行って心電図他いろいろ検査して貰ったのですが、全て正常なので、我慢するしかないです。

より新しい時代にも、セセリチョウ科各種の雄交尾器について詳しく触れた文献があります。川副昭人・若林守男著の「原色日本蝶類図鑑」(1976年、保育社)の川副氏による属解説(セセリチョウ科単独では更に前により詳しい報文が為されている)。こちらも段ボールの中で、今探し出せません。辛うじて手元にあるのが白水隆著(雄交尾器の描画は三枝豊平氏による)の「台湾蝶類大図鑑」(1960年、保育社)で、こちらも素晴らしい内容なのですが、台湾産に限られているのが難点です。

これら50年以上前の仕事以降にも、幾つかの重要な報文は有るはずです。殊に(現時点でインターネット上ではチェックし得て得ないのですけれど)T氏やC氏の論文。お二人(T氏は僕より年長、C氏は年少)とも素晴らしい能力を有した研究者で、僕も彼らから多くの事を学んでいます。

しかし、同時に、少なからぬ嫌な想いも受けている。それは、僕がしてきた数多くの嫌な想い(ヘイト、パワハラ、イジメ)の典型でもあります。殊にC氏(典型的な「エリートこそが正しい」とする立場の方だと思う)には、許しがたい思いを持っています。

僕は、有る時代、1970年代後半から1980年代初めにかけて、日本の石垣・西表島固有種「アサヒナキマダラセセリ」は中国大陸に広く分布する「ウスバキマダラセセリ」と同一種である、という事を検出し、その検証を正確に為すため、必死に取り組んでいました。

この「両種」は、アカセセリ・セクションのコキマダラセセリ属に含まれます(オオチャバネセセリやイチモンジセセリなどのゲゲネス・セクションなどと共に、広義のアカセセリ族の一員)。

コキマダラセセリ属の各種は、いわゆる「北方系」の蝶と信じられています。アサヒナキマダラセセリも、当初「北方系」のコキマダラセセリの近縁種が南の小島に閉じ込められて独自の進化を成したもの、と考えられていました。

しかし、コキマダラセセリ属の各種(更に範囲を広げてアカセセリ族の主要な種)の雄交尾器を詳細に比較していくと、アサヒナキマダラセセリは、コキマダラセセリをはじめとする(いわゆる)北方系の種との類縁上の繋がりは希薄で、台湾や朝鮮半島や中国大陸(インドシナ半島やヒマラヤ地方も含む)に広く分布するウスバキマダラセセリにごく近い存在であることが分かりました。しかも、東シナ海に沿った、朝鮮半島から中国大陸東南部の集団とは、寸分も相違がないのです。

(北方系のグループが古い時代に取り残されたのではなく)大陸対岸域に普通に広く分布しているウスバキマダラセセリが、(残存か移入かはともかく)比較的新しい時代に八重山諸島に残存し(または移り住み)、その外観が島嶼的環境の外圧によって特化したのに過ぎない、という確信を得たのです。

そのような見解は、その時点では誰も言ってなかったので、完全に無視されていました(すなわち当時のイリオモテヤマネコの分類上の処置と同じケースです、ちなみに、ウラナミジャノメ属についても同じ)。

それをきちんと検証すべく、ウスバキマダラセセリの各地域産、及び近縁種の徹底チェックを行うことにしました。80年代初めの時点で、必要なサンプルは、ほぼ揃えたのですが、当時まだ情報収集が困難だった中国奥地の個体群の一部が入手できません。それがなくとも全体像を纏めることは可能な段階には達していたのですが、どうしても完璧なチェックを行って置きたいと思い、人脈の広かったI.M氏(埼玉県の蝶愛好家の重鎮)の仲介で、当時、セセリチョウ科の気鋭の研究者(ハワイのビショップ博物館に在籍)であったC氏を始め、東南アジアのシジミチョウ科の研究者らを含めた何人かの方との会合をセッティングして頂きました。

そこでC氏に、僕がこれまでに纏めてきたウスバキマダラセセリの資料を渡して、協力を請いました。なんにしろC氏はプライドの高い、よく言えばアカデミックな立場の学研肌の方です。僕のような学歴もなく所属もない人間に対して 露骨に見下ろしているであろうことはありあり感じ取れます(数年後ハワイにハワイアンブルーとカメハメハバタフライの探索に行った際、現地のビショップ博物館のスタッフとの仲介の労を取って頂いたのだけれど、その時にも侮蔑的な言葉をかけられたのを忘れることが出来ません)。

何もC氏に限ったことではないのです。大半の研究者、あるいは金満コレクターのような人たちから、どれほど数多く露骨に侮蔑する言動を取られ続けてきたことか(本人たちには自覚はないのかも知れませんが)。それは、分野に関わらず、無数にです。

蝶の世界でいうと、白水隆先生、柴谷篤弘先生、川副昭人先生、日浦勇先生、、、(より新しい世代では、三枝豊平教授、矢田修氏、原聖樹さんらも)、、、、、本当に凄い人たちは、僕のような若輩にも、(身に余るほどの)敬意をもって接してくれているだけに、そうでない人たちの露骨な蔑みの態度が、より一層悲しく思えてくるのです。

C氏も、僕に対しては微塵も敬意を持ってくれていない一人でしょうね(笑)。それはそれで仕方がないことなのですが、許し難いことがあります。

「協力を期待」どころか、それとは正反対の行動をとられてしまった。「アサヒナキマダラセセリは実はウスバキマダラセセリである」という話を、僕に何の相談もなく、しれッと学術論文として発表してしまった。お会いした時点では、そのことに微塵とも気が付いていなかったようなのにも関わらずです。もちろん(お渡しした)僕の未発表報文も完全無視。参考文献も、謝辞もなし。同じようなデジャブ経験が(分野に関わらず)一体何度繰り返されてきたことか。大袈裟ではなく無数です。

ウスバキマダラセセリの実態にしても、僕が、それこそ血肉を削って調べ上げた仕事です。それが完全無視される。どれほど辛い事か、分かって頂けるでしょうか?

僕の報文は、リアルタイムでは結局表に出ないままになってしまったのですが、幸い当時非常勤講師をしていた専門学校の授業テキストとして使っていた印刷物が残っています。それも添附して、後に刊行した単行本の「中国のチョウ」のウスバキマダラセセリ(アカセセリ族)の項目に、12頁に亘り、相当に詳しく記述しています(この本自体の存在が完全無視されているようですが、(;´д`))。

「“アサヒナキマダラセセリがウスバキマダラセセリと同じ”だなんて、なにをお門違いの事を言っているの?」と嘲笑の的とされていたのが、今は一転して「アサヒナキマダラセセリの正体はウスバキマダラセセリ」と、学名や和名までが同じにされてしまっています。「偉い人」の意見は皆素直に聞くのです。

まあ、白水先生らは分かってくれている(亡くなる前に僕の報文を激賞する私信を頂いた)ので、それで良いのですが。
*ちなみに、新種アサヒナキマダラセセリの記載に使われた雄交尾器は、破損したサンプルです。僕以外は皆それに気が付いていません。

ということで、「アサヒナキマダラセセリ/ウスバキマダラセセリOchlodes subhyalina」に関しては、自信を持って様々な見解を述べることが可能なのですが、「オオチャバネセセリ」Polytremis pellucidaについては、80年前のエヴァンスと、50年近く前の川副氏の作品からの知識(それも文献自体に当たれず頭の中に覚えているもの)に頼るしかありません。

その間、オオチャバネセセリに関しても、C氏らはより詳細な報文を示されてと思います。でも、向こうが無視するなら、こちらも無視して敢えて調べることはしません(アジサイに関してもヒグラシに関しても同様です)。

いずれにせよ、オオチャバネセセリについては、僕は何にも知らないのに等しく、一から勉強です。

幸い、その全く無視されている「中国のチョウ」に、Polytremisについても、エヴァンスの見解を基にした記述を行っています。ここで(次回のブログで)それを紹介しておくことにします。

それと、その刊行10年余後の2009年夏の、四川省西嶺雪山に於ける、オオチャバネセセリ近縁種の観察記録。それを改めて紹介しておきたいと思います。

この続き(記事や写真の紹介)は明日のブログに予定しています。

今日紹介するのは、オオチャバネセセリとは全く無関係の写真です。四川省産オオチャバネセセリ近縁種を撮影していた時に、同じところでホタルガの写真を撮影しました。たまたま前回ブログの霞丘陵の記事でもホタルガの写真を紹介しました。

ホタルガの分布はどうなっているのだろう?と、インターネットで調べてみました。日本産のホタルガ自体の記事は無数にあるのですが、分布について示されているのはどれも国内だけで、国外に関する記述がありません。やっとひとつ見つけた記事には、「国外での分布は朝鮮半島、華北(中国北部)」「インドシナ半島などに近似の別種が分布」とされていました。

この四川省西部産は、どっちに属するのでしょうか? 地域的には中国北部よりも、どちらかと言えばインドシナ半島に近いと思うのですが、写真で判断する限り、別種とは思えません。

この種に限らず(動物植物に限らず)、日本での“いわゆる普通種”の国外での分布が、ネットをはじめとする文献で調べてもよく分からない場合が多いのです。

写真1

ホタルガ。青梅霞丘陵。2021年6月26日。

写真2

ホタルガ。四川省西嶺雪山(標高1700m付近)。2009年8月7日。






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