フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

歴史的快挙!

2011-05-17 | ガーデニング

空は曇っていて、天気予報では、午後から一時雨になるとのこと。外気温6度、室温16度、湿度35%。

朝食を食べているとアカゲラがやってきた。最近、よく我が家を訪れるようになってきてくれた。ひと際鮮やかな赤い帽子が緑の庭に映える。

朝食を食べたあと寛いでいると、Kガーデンさんがやってきた。昨夜こちらに着きましたとのことである。特に要件はなさそうだ。折角だからと、Kガーデンさんから買った、丈夫でクリーミーな花が咲く「ソンブレイユ」の植え付け場所を訪ねた。家の西側のデッキの横に植え付け、南側に誘引して育てていく、ということで良いとのことだ。

そうこうしているうちに、轟音をとどろかせてKITAHOさんがやってきた。今日はKITAHOさんに樹木の伐採をお手伝いして頂くことになっている。丁度バラの話をしているときなので、早速バラの話に。立ち話では終わらないようなのでデッキでコーヒーを飲みながら話を続ける。プロの園芸家とKITAHOさんとの話は、私などのレベルをはるかに超え、バラの種類、咲き方、色合い、八ヶ岳の寒冷地に合う品種、バラの育苗家鈴木省三さんの話など、どんどん展開していく。その後は、ランに話が移る。東京ドームのラン展、ランの育苗家、新しい品種の開発技術の是非などなど。話は尽きないが、今日は庭作業をするのが課題なので、申し訳ないが話を打ち切らせていただいた。

KITAHOさんに来ていただいたのは、家の南側に生えている大きなクリ2本の伐採をお手伝いしてもらうためだ。まずは、二人で作業手順を相談する。クリの伐採は間違っても北側の家側に倒してはならない。屋根がへこんでしまうからだ。南側に倒すためには、その2本の更に南側にある、コナラとヤマザクラを先に伐採する必要がある、ということになった。それではやりましょうと、KITAHOさんはハクスバーナのエンジンをかける。見ている間に15メートルほどのコナラを伐採。続いて、ヤマザクラも難なく伐採した。私の方は、倒してもらった樹木の枝払いをする。まだ、新芽が出始めたところなので、枝払い作業は楽だ。そのころから強い雨が降り始めた。時々雷も鳴りだしたので、しばらく雨が通り過ぎるのを待つ。

雨が小やみになったので、作業再開。いよいよ、今日の本題の2本のクリ伐採だ。KITAHOさんは、右側のクリは、やや西側に傾いているので、家の方には倒れないでしょうと言って、早速、倒す方向を定めて受け口を刻む。その後反対側に回って追い口から切り込んでいくと、見事、コナラとヤマザクラの間に両木の枝に倒れて懸った。倒した後の斜めになった幹を切るのが、なかなか厄介な作業だ。まずは樹木の下に板を立て付け、樹木を固定する。下手をすると幹にバーが挟まってしまうので、それを避けるために切り込む切り口を大きくカットしてから切り込んでいくと上手く切ることができる。このあたりは私などが知らないテクニックだった。時には脚立に乗ったりしながら、何とかこの作業をやり終える。

 
続いて、最大の難関左のクリの伐採だ。困ったことにこの木は家側に完全に傾いてしまっているので、切る作業をすると、確実に家の屋根に倒れてくることになる。それをどう防ぐのか。KITAHOさんは、ロープがありませんかというので、2本のロープを出してきた。本来ならもう1本あった方がいいらしいが、その2本のロープを巧みにクリに絡め、西側の樹木に絡めて締め付けた。この結び方をすると、ロープにハンモックを吊ることができるほどの強度を保つことができるらしい。ロープを張ると、家側に傾いていたクリがやや真っ直ぐになった。クリの荷重が家側(北側)にあるのを西側に引っ張ることにより、伐採方向は北西側になるという段取りだ。

慎重に受け口を切り、追い口から伐採方向を確認しながら、切っていくと、とうとうミシミシといいながらクリが倒れ始めた。これが見事、北西の方向のガーデンに倒れ込んだ。そこにはヤマユリが咲き始めていたのだが、その細い苗を上手く切りぬけて、全く傷めることなく、巨木が倒れたのだ。二人で「やった!」と大歓声を上げる。これは、アダージョの森を開拓し始めてからの、まさに「歴史的快挙」だ。

 その後は、ガーデンに倒れた幹から太い枝を切る。私が幹を支えKITAHOさんがチェーンソーで切っていく。切り落とすと花を傷めるので枝が主幹から離れると直ぐそれを支えて、他の場所に移動する。これを数回繰り返して、ガーデン内の幹を切り終える。まだ、太い幹は残っているが、後は私一人でも片づけることができるので、ようやく本日の作業を終える。時間は午後2時を回っていた。昼も食べない突貫作業だった。

 食後は2時間ほど、花、庭づくりから、BMW、お孫さんの話などもろもろの話に花が咲いた。何事も前向きで、研究熱心で手を抜くことをしないKITAHOさんの人生観は聞いているだけでも楽しく、教えられることが多かった。その後、庭を案内し、付近を散歩したあと、KITAHOさんはBMWの轟音を残して去っていった。五月の爽やかな風が吹きぬけて行ったようだ。

 

 

  夕食はKITAHOさんに教えていただいたウドの生スティックさしみ

 蕗の佃煮


タケノコご飯、ウドと野菜のてんぷら、蕨のお浸し