朝日新聞の一面左側に「5段抜き」で掲載されていた記事のタイトルなのだが、途中には大きな文字で「消費税25%に」「株価が暴落」「物価は高騰」と言う言葉が踊っている。
内容的には私が普段ブログに書いている事と似たような内容ではあるが、朝日新聞を読んでいない方も多いのではないかと思うので、改めてここに記事を書いてみる事にする。
20××年ーーーー。
ある週末の夜、首相官邸の記者会見場は熱気に満ちていた。緊急会見に臨んだ首相が震えた声で切り出した。
「国民の皆様、深刻なお話を申し上げなくてはなりません。日本の財政は破綻の危機です。本日、国際通貨基金(IMF)に緊急支援を要請し、関係国と協議に入りました。挙国一致内閣で危機を乗り越えるため、野党各党に政権協議を呼びかけます」
続いて財務相が「前年度比5%以上の歳出削減を5年間続ける」などの「財政再建緊急プラン」を公表した。極秘に練り上げたプランだ。数ヶ月前から国債の引き受け先を決める入札が不調に終わるようになり、海外の市場関係者の間に「日本は投資先として危険」とのリポートも出回っていた。
財務省が、1年前に税率が20%上がっていたばかりの消費税について「当面の間25%にします」と語ると、テレビ中継を見ていた財務省幹部は、若手にささやいた。
「おれが入省した時の首相は『4年間は5%から上げない』と断言していたんだぜ。今思えば、その時の10年度予算が転落の節目だった。戦後初めて当初予算で税収より多い国債を発行したんだ」
会見で記者が「金融市場への影響をどう見るか」と問うと、財務相はカメラを見据えて「緊急プランとIMFの支援で、市場の動揺は必ず抑えられる」と断言した。
だが、会見の最中から外国為替市場で円安ドル高が一気に加速。週明けの市場でも国債が投げ売りされ、長期金利は跳ね上がった。株価も過去最大の下落幅に。市場は「日本売り」一色になった。「お札が紙くずになる」「預金封鎖も近々ある」。うわさがネット上を飛び交い、現金を引き出そうと、銀行には長蛇の列が出来た。貴金属店は、金塊や宝石を買い求める人でごった返した。
輸入品などの物価が高騰。ガソリンは連日1リットル当たり10円以上値上がりし、野菜や肉、魚も2倍以上の値段に。スーパーには「クレジットカードや電子マネーでの支払いはお断りします」との張り紙。人々は現金をかき集め、日用品の買占めに走った。
原料を輸入に頼るメーカーは経営難に陥り、工場の操業停止と従業員の解雇が相次いだ。銀行は国債暴落で巨額の損失を抱えた。混乱は金融システムに飛び火し、誰にも制御できなくなっていた。
以上が記事の全文なのだが、その後に、
いずれこんな「破局のシナリオ」が現実になるかもしれない。国・地方の借金は先進国で最悪の水準で、10年度政府予算案は税収が歳出の半分にも満たない異常事態だ。このままで大丈夫なのか。
と書いて終わっているのだが、現実の話、このままで大丈夫なわけなど全くなく、「破局のシナリオ」を演ずる舞台装置は着々と作られており、その舞台の上で「苦悶の演技?」をする人に中に「私も含まれるのでは?」と考えるとゾッ!としてならないのであるが、このような「歓迎されざる?記事」をネット上で探す事は不可能に近く(探そうと思えば見つかるだろうが、一体誰がこんな記事を見つけようと努力するだろうか)、多くの能天気な人々は「破局のシナリオを演ずる舞台への道」を突き進んでいるのだが、日本全体がその道をたどっている以上「自分だけは例外に」と言う事は「出来ない相談」ではないだろうか。
2010.03.07.
追記です。
この記事を書いたのはほぼ10年前です。
その後も赤字国債の増発が続き、さらに財政状態は悪化の一途を驀進中だが、そこにさらなる追い討ちが。
そう、去年の暮れごろの突然降ってわいたがごとく起きた「新型コロナウイルス問題」である。
感染爆発を防ぐ必要から、「緊急事態宣言」が発令され、日本の経済は壊滅状態に。
追加予算もかなりの額が必要で、そのすべては「赤字国債」で賄わなくてはいけない。
今現在でも、「国民一人当たり1000万円以上」という巨額の借金を抱えているが、それがさらに「100万円」も増えそうな情勢に。
が・・・・。
新型コロナウイルス問題も、早期に収束しそうもない感じも。
これがさらに長期化すると、さらに追加の補正予算が必要になる。
「金の生る木」や「打ち出の小づち」「埋蔵金」でもあればいいが、そんなものはあるはずもない。
どうやら、「悪夢「20××年日本破綻」」はかなり現実味を帯びてきていると思うのだが・・・・。