陸に上がったカッパの海無し県生活

潜りから漁師へ。身体を壊し船を下りた。
海の話、釣りの話。脳脊髄液減少症。

海難事故

2007-02-12 21:49:46 | 海の話
宮崎県で行方不明になっていたマグロ延縄漁船の乗組員が無事に救助された。
本当に良かった。
冷たい冬の海上で、あの小さな救命ボートで三日間、
もし海が時化ていたら助からなかっただろう。
そして、例年の寒さだったら三日間ももたなかったかもしれない。

僕自身、海難事故や自然災害の現場には何度も出た事がある。
それは救助活動だったり、事故に遭ってしまった船の引き揚げだったり、
遺体の捜索であったりとあるが、
そんな現場で遺族の姿を見る事は辛い事だ。
そういえば、二十歳の頃付き合っていた彼女も海難遺児だった。
僕は彼女の気持ちも分からずに、海の仕事に就き、
「俺は海で死ぬんだ」なんて無神経な事を平気で言っていた。
それも若さだったのかもしれない。

こんな事もあった。
前日まで僕が仕事で乗っていた船が、翌日霧の中を横浜から東京まで回航中、
6万tのタンカーと衝突転覆した。
幸い死者は出なかったが、その時の仕事がもし日帰り作業だったら、
僕もその事故現場に居合わせる事だっただろう。

海で生きる男なら、海で果てる覚悟は出来ているかもしれない。
しかし家族を残し往く事は無念であろう。
そして残された家族の悲しみは計り知れないものとなる。
海の安全を願って止まない。

それにしても、当て逃げする船が多い。
シーマンシップという言葉は何処へ行ってしまったのか。
何か事が起きれば、自らの命を賭してでも救助に当たるのがシーマンシップ、
それが本当の海の男だ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿