一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

手間ひまをかけて得られるもの

2004-12-15 | うろうろ歩き
小豆島では醤(ひしお)の郷を訪ねた。

ヤマロク醤油の蔵を見学させてもらう。
4代目と5代目のご夫妻で切り盛りしている小さな会社。

一番奥にもろみ蔵がある。
江戸時代からの蔵に樽がずらーっと並んでいる。
上に登って樽の中を見せてもらう。
仕込んだばかりの樽は表面が泡立っている。
1日1回攪拌して(もちろん手作業)発酵を促進させる。
土壁に住んでいる乳酸菌や酵母が自然に飛んで発酵を助け、風味を与える。

小学生のころの千葉の醤油工場を見学したことがあった。
そのときは強烈な刺激臭に参った記憶があるのに、ここの蔵はほのかないい香りがする。
5代目によると、昔は大量生産する工場では大豆を蒸す工程で塩酸を加えて一気にやわらかくさせて後で中和するということをしていたので、その刺激臭だったのかも、ということ。

製品(丹波の黒豆を原料にした「菊醤(きくびしお)」と再仕込みの「鶴醤(つるびしお)」)を味見する。
直接舐めてみてもピリっとこないし、塩っぽくもない。
大量生産のメーカーでは熟成を促進するために、さまざまな機能の乳酸菌を加えるらしい。その結果発酵は進むが、滑らかさは得られない(5代目は「塩の味が立つ」と表現していた)。
しかしここでは、蔵に土着した乳酸菌がゆっくりと熟成をさせる。

ヤマロク醤油は30樽程度しか仕込みをしない。
それに、熟成まで2夏寝かせる。
しかも「再仕込み」といって一度熟成させたもろみを新しいもろみに加えて再度熟成させるものもあり、出荷量は少ない。

今年はかなり台風被害があったが「なにしろ先立つものがなくて」と5代目

やはり二兎は追えないものなのか・・・

お土産に鶴醤の小瓶(「やはり開封すると劣化が進むので」と言われたので)をいっぱい買い込む。

また、通販のお気に入りが増えてしまった。
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