一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

東横インの社長は辞任しなければならないか?

2006-02-07 | 構造偽装・東横イン
(2/7一部加筆修正しました)

東横イン社長「自分が上等な人間だと増長して…」
(2006年 2月 7日 (火) 00:01 読売新聞)

テレビで、会見の映像を見ると、この社長は謝ったり反省した経験が極めて乏しい人なんだな、という印象です。


ところで記者会見で進退についても言及され、辞任する意思のないことがテレビでも非難がましく伝えられましたが、社長は辞任しなければならないのでしょうか?

多分東横インは非上場なので、社長または一族でほとんどの株を持っていると思うのですが、そうだとすれば、辞任する・しないで損をするも得をするもすべて自分なので、自分の意思に反してまで辞めなければならないということはないはずです。
昨日も少し書いたのですが、世間からの非難をしのぐためには反省(および世間への恭順の意を示すために)「辞任したほうが得策」だとは思うのですが「辞任すべき」とまでは言えないのではないでしょうか。


確かに違法行為は問題です。

ただ、建築基準法や条例違反については、行政が適切な監督措置をとるはずです。
行政が動かなければ国民として行政に建築基準法違反などで使用停止や保健所によるホテルの営業停止(これは根拠がないから難しいか?)を求めるべきだと思います。


またそれが公正な競争を阻害する、ということであれば、同業他社なりが自ら業界団体を通じてペナルティを課すとか、行政により厳しい罰則の適用を訴えるべきです。

企業活動では、こういう多少の不正を承知の乱暴な競争相手というのは常に現れます。
それに対し、いかに対処するかは企業の本来の仕事のはずです。
(自らのコスト競争力をつけて対抗しようと考えて結局総研に騙されてしまった京王プレッソはその判断を誤ってしまった例ですね)


そして、利用者としてけしからんと思うのであれば、どんなに便利でも安くても東横インを利用しなければいいだけの話です。

ただ製品の安全のように消費者本人が不利益を蒙るものについては直接的な非難が盛り上がりやすいのですが、「消費者は利益を得るが、第三者が(または社会全般が薄く広く)被害を蒙る」類型では、非難が具体的な形になりにくいという問題があります。
この「第三者」が日本国民(環境汚染とか脱税など)であればまだ社会問題化することもあるのですが、外国(環境汚染とか児童労働・低賃金労働)になるとそもそも意見が分かれたりもしますね。


要するに、問題の解決には「社長の辞任」は本質的な要素ではないのではないか、ということです。


「個人住宅などでの軽微な改造まで問題にされたくないが、こういうズルはやめさせてほしい」「自分は安くて便利なら使いたいけど、ちょっと気が引ける」という免罪符代わりに社長の辞任を求めるというような気持ちがあれば、それはちょっと間違っているのではないでしょうか。


「東横インの社長が辞任すべきだ」という発想の裏には、そういう自らの行動を回避する安易さが垣間見えるように思います。
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