一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

木鐸とか灯台とか

2009-02-26 | あきなひ

そろそろアリバイ作りが始まったのかもしれません。

日経不動産マーケット情報「【インタビュー】「破綻するようなREITはない」、金融庁監督局の神田孝司課長補佐」

──そもそもREITは、ミドルリスク・ミドルリターンの投資商品ということでスタートした。しかしニューシティ・レジデンス投資法人の破綻以降、信じられないような高利回りの銘柄が登場している。 

「ミドルリスク・ミドルリターン」という言葉を誰がキャッチフレーズにしたのかよくわからないが、2倍のレバレッジをかけて不動産に投資するというのは、ヘッジファンドよりリスキーだと思う。一部の高利回り銘柄については、投資家がヘッジファンドと同じだと評価したということだろう。

まあ、確かに投資法人の制度上は、90%配当の導管性要件を満たそうとすると借入金の元本を借入期間中に返済する原資が(原価償却費以外には)ほとんどないので、結局期限一括返済で借り入れるしかなくてリファイナンスのリスクはつきものだというのはReit側も最初からわかっていたはずなので、投資利回りを上げようと勝手にレバレッジをかけたたほうが悪い、という理屈ですね。
「投資法人の登録の時点であれほど注意喚起した」とか過剰なレバレッジに前から警鐘を鳴らしていたと言えれば完璧だったのでしょうけど。

また、一応Reit支援についてこんなことも言ってますが、微妙な距離感です。

──資金繰りに困っているREITに対し、何か支援策は検討していないのか。 

 REITに限らず、融資の残高維持の努力だとか、貸し渋りや貸しはがしがないようにといった一般的な要請は金融機関に行っている。しかし、もっと即効性のある政策的手段となると、金融庁単独の手段というのは限られている。クレジットエンハンスメント(信用補完)の形で何かできないかという話は出ているが、今のところ我々の方から具体的な提案ができる状態ではない。
 我々としても本音では、REITやファンドに対してできるだけお金が回るようにしてほしいと思っている。ただ住宅会社とか、不動産会社など“実業”の会社に比べると、REITやファンドというのは“金儲けの手段”とみられがちで、扱いが後回しになってしまう。

(日経のサイトは有料購読者限定ですが【東証:8965】ニューシティ・レジデンス投資法人株主の会ブログに全文があります。)



ところでちょっと話が飛びますが先週のニュースにこんなのがありました。
108年の歴史終えた灯台、銘板盗まれる…収集目的か
(2009年2月19日 読売新聞)

このニュースでは結局持ち去った解体作業員が返却したようですが、投資ビークルの解体作業にあたっては担保で何を押さえているかが重要です。

プライベートファンドなどの不動産の証券化とかでは、融資する金融機関(の弁護士)からやれ債権質だの譲渡担保だのとガチガチに担保設定しろと言われるわけですが、実際にリファイナンスができないファンドに対しては手間隙がかかるという理由かはたまた関係者で横になったりトンヅラする奴が出るとsophisticatedな仕組みが機能するかどうか心配なのか結局「大人の解決」をするようで、ガチでデフォルトさせて担保実行したというような話は聞きません。
あれだけ弁護士費用をかけたんだから、(わたしと少し離れたところで)誰か実験してほしいものです。

担保に取った銘版を掲げて自分の足元を照らせと灯台守に命じても、灯台の電源が切れてしまっていたり灯台守がいなくなってしまっていたら銘版だけでは何の役にも立たない、というようなことになったりして・・・


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