一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

オフィスグリコ

2010-10-25 | あきなひ

会社にオフィスグリコが置いてあるのだが、ウチの担当の人は月曜の朝にこそこそっと入ってきて、こそこそっと商品を補充してお金を回収し、「失礼します」と小声でつぶやきながら逃げるように出て行ってしまいます。  

菓子のリクエストを受け付けて売り上げ増に貢献したりマーケティングにフィードバックした方がいいんじゃないかとも思ったんですが、実はそうではないみたいです。

「オフィスグリコ」・・・3年かけた仕組みづくり によるとそもそも「単品管理」のようなマーケティングはしていないとか。  

単品情報の入力の手間をかけていると採算が合わないことがわかったからでした。  
また、そもそも「単品管理」をする必要性も低かったのです。
というのも、単品管理の主たる目的は、売れ筋・死に筋 を把握して在庫の適正化を図ることですが、お菓子は飽きられやすい商品であるため、単純に、 売れ筋・死に筋という判断はできないからです。

そこで、オフィスグリコでは年間52週分の商品配置計画を作成し、3回の巡回訪問(商品補充と代金回収のため)ですべての商品が入れ替わるようにしています。

ただ、単品管理をせず、在庫と販売の効率を最大化を目指しつつ、商品を頻繁に入れ替えるという「方程式」を 解くのは相当の難題だったようです。 実際、この方程式を解くために発見した一定の「法則」に ついては、特許申請も行っているそうです。

なので会社に来る人はホントに補充と代金回収だけが仕事なんですね。

オフィスグリコのQ&Aにも  

Q なかなかフォローにきてくれないのですが? 
A 訪問予定日が祝祭日に重なったり、サービススタッフの体調不良による急な休みなどで、どうしても訪問させていただけない場合がございます。大変ご迷惑をおかけ致しますが、訪問日の変更をもってできる限りご不便をおかけしないよう心がけてまいります。  

などとけっこうのんびりしたことが書いてあります。  
求人情報を見ても、時給1000円で「お菓子を届ける」のが仕事で、営業を期待されたり売上げのインセンティブがあったりするわけではないようです。 
勤務時間も平日の9:00~16:30(実働6.5h)なので、小さい子供を持った母親とかなどにはいいかもしれません。(運動不足解消にもなりそうだし。)

同じオフィスでの販売でも歩合が大きいのか良くも悪くもアグレッシブな営業が持ち味の「ヤクルトおばさん」(今でもこの用語は使っていいのだろうか?)と正反対のビジネスモデルですね。
以前ヤクルトの販売所が火事になって、ワゴンに積んだ商品の損失の帰属についてヤクルトと販売員で訴訟になり「販売員はヤクルトから商品を仕入れて売る事業者だ」という会社の主張が受け入れられなかったことがありましたが、(それを契機に今は変わっているかもしれません)それくらいヤクルトおばさんは「自営」度が高いのに比べて、オフィスグリコは単なる配達員でいい、ということのようです。  


置いてある菓子も、自社製品に限らず「office Glico」と印刷してある他社のOEM?品(中小メーカーのものが多い)や純粋な他社製品(カルビーなど)もあってバラエティに富んでいるのがいいです。 
注文をとると人気商品に偏ったり会社の中で喧嘩になったりするかもしれないし、中身がランダムに入れ替わったほうが意外な発見があったりしてかえって楽しめますね。
社内では議論があったんだろうけど、他社製品も入れたのは立派だと思います(でも必ずビスコは入っているのは最後の意地?)。 

この経済状況の中で10年近く発展してきている新商売、学ぶべきところも多いです。


ところで最近ウチに「オフィスグリコから独立して置き菓子の商売を始めたので切り替えないか」という売り込みがあったらしいです。
営業マンが怪しかったので門前払いしたようですが、競合に対しては「グリコ」というメーカーのブランドが強みになると思います。  

ちなみに「置き菓子」はグリコの登録商標だとこちらにあったけど、 ホントだ
よく取れたなぁ。

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