一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

リストラ予算案

2011-02-20 | まつりごと

「リストラは業績好調のときにこそすべき」という名言を、NHKの日曜討論会を見ながら思い出しました。

不採算事業を整理したり新規分野に進出するにも資金が必要なので、好業績で余裕のあるうちのほうが事業の再編をやりやすい、というわけです。

大概の会社は好業績のときはボーナスを奮発したり、「余剰資金」を自社株買いにあてROEを上げたりと、好業績を謳歌してしまいます。

しかし業績悪化局面になってからリストラをしようとしても、不採算事業からの撤退には部門の閉鎖や人員整理には巨額の費用がかかり、また新事業分野への進出にも初期投資が必要でしかも「一発必中」で成功するとは限らないので、悪化した財務体質下で資金需要がふくらむというジレンマに陥ってしまう、だからリストラは好業績のときにそれに浮かれずに先を見て行なえ、ということです。


このジレンマに陥ってしまっている典型が今の日本の財政なわけです。

民主党の予算編成の理屈は
①マニフェストを実現するために支出が必要
②景気を刺激するためには財政支出が必要
③景気が悪いので税収が減っている。
④しかも景気を刺激するために法人税減税も必要
⑤歳入が減る割りに歳出が増えるから国債発行が必要
(⑥事業仕分けなど財出削減の努力は続けるけど限界はある)
(⑦だから将来的には消費税増税が必要)

撤退・事業縮小(=歳出削減)よりは、新規事業(=景気拡大して中期的には歳入を増やす)を優先しよう、というわけです。
企業だとしたら、業績回復のために負債比率を上げてで起死回生の勝負に出る、というところでしょう。


景気刺激のためには何が正解かを論じるだけの知見はないのですが、企業の業績回復と考えると

① 総花的な施策はとらない。
② 「不退転」にこだわらずうまくいかないことがわかったらとっとと方針転換する。

というあたりがポイントではないかと思います。
具体的には
・ 徹底した歳出削減か景気刺激のために財政出動するのかの大方針のメリハリをつける。
・ 大方針と矛盾した「個別の配慮」は行なわない
(やるとしても総枠を設定してその範囲内で優先順位をつける)
・ 目的と手段の整合性をつける
(法人税減税と租税特別措置法の関係とか年金財源とか八ツ場ダムや諫早水門とか)
・ リストラはやるとなったら一気にやる。そのために費用を惜しまない。
(特殊法人改革とか公務員制度改革とか)
・ 新規事業は総論の議論でなく各論の収支計算を前提に仮説・検証をしながら進める(TTPはそもそも最近のアイデアで道具としてどう使うかを議論すべきなのに「平成の開国」と振りかぶるからおかしくなる。農業の議論も「空中戦」になっている)

てなところでしょうか。


コメント
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