一寸の虫に五寸釘

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2011-02-15 | よしなしごと

今朝の朝日新聞の記事
「これは革命だ」エジプト、デモ計画した30歳の18日

・・・友人らと3年前、賃上げや民主化などを訴える「4月6日運動」を立ち上げた。インターネットの交流サイト・フェイスブックなどで呼びかけ、デモを始めた。だが、デモをしても警官の方が参加者よりも多かった。  

1月25日のデモも「二、三千人くればいい」と思っていた。フェイスブック上の別のグループも、この日のデモを呼びかけていた。  

そこに同14日、チュニジアでベンアリ政権が倒れた。デモ呼びかけへの賛同者が突如として増え始め、7万人を超えた。ネットの威力に、改めて驚いた。  

ここまでは今回よく言われている「Facebook革命」風なのですが、ネットだけで革命ができたとするのはちょっと過大評価のようです。  

マヘルさんらはタハリール広場に近い事務所に戻り、26日、27日とデモを続けながら、次の手を打った。イスラム教金曜礼拝がある28日の大規模デモの呼びかけだ。政権側は携帯電話とインターネットを遮断したが、メンバーが各地に走り、デモのことを知らせた。  

午後1時すぎ、金曜礼拝を終えた人々が、各方面からタハリール広場に向かった。「ガラベーヤ」という伝統的な服を着た貧しい農民や労働者、ジーンズ姿の若い女性、家族連れ。その多くは、これまでのデモで見かけたことのない顔ぶれだった。  

マヘルさんは腹をくくった。「チュニジアを見て、人々の勇気に火がついた。これはもはや抗議活動じゃない。革命だ。この流れは、だれにも止められない」

これはWSJのこの記事とも平仄が合います(下線は私)
The Secret Rally That Sparked an Uprising  

The plotters say they knew that the demonstrations' success would depend on the participation of ordinary Egyptians in working-class districts like this one, where the Internet and Facebook aren't as widely used. They distributed fliers around the city in the days leading up to the demonstration, concentrating efforts on Bulaq al-Dakrour.  

ネットにつながっているようなインテリ・エリート階層でない多数の市民が加わったことが政権打倒につながったわけで、携帯電話とインターネットを遮断しなければ「メンバーが各地に走り、デモのことを知らせた。」ということにならなかったのではないかとふと夢想したり。

"ordinary Egyptians in working-class"の参加がなければ「革命」には至らなかったわけですね。  

これは、日本の安保闘争・学園紛争は「学生運動」にとどまってしまっていたことが限界だったことを想起させます。
実際僕自身の子供のころの印象では、当時の学生より二世代近く上で低学歴の両親はそもそも主張の内容が良くわかっていなかったみたいだったし、たまに巡回で家に来る近所の交番の若い警官(昔はそういうのをやっていたんだよね)が家に上がってお茶を飲みながらの「好き勝手やってる大学生vs警備に借り出される高卒警察官」視点の話をしているのを聞くと、なんとなくそっちの方が気の毒な感じになったものです。  


一方でネットに押され気味の新聞の既存メディアは、自らの図体が大きく守るものが多いのか、「革命」という局面でも力を発揮できないようです。
同じ朝日新聞
エジプト政府系メディア、手のひら返す 革命称賛の報道  

約30年にわたって強権支配を続けたムバラク政権が倒れたことで、政権べったりの報道を続けてきたエジプトの政府系「御用」メディアが、手のひらを返したように一斉に民主化を求める市民の動きを伝え始めた。  

戦時中の報道を省みると(政府系ではなかったはずの)朝日新聞が言えた義理ではないと思うんですけどねぇ・・・  


豊かで平和で不満はあっても革命が起きるほどではない今の日本あたりが、既存のマスコミがそのままで生き残るには最適なのでしょうか(それじゃ全部が茹で蛙だが・・・)

コメント
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