エビ投資詐欺、2年で849億円集金 逮捕者計10人に
(2008年7月3日(木)00:43 朝日新聞)
昔水産会社の社長さんに聞いた話ですが、その社長さんも昭和40年代にインドネシアでブラックタイガーの養殖事業に投資して見事失敗したそうです。
現地に行くと、養殖場といっても田んぼの出来損ないのような泥水の池の中で勝手に育っていて、いかにも低コストで出荷できそうで、これをエビの需要の高い日本に持ってくれば一儲けできるワイ、と思える雰囲気なんだそうです(参考画像はこちら参照)。
ところが実際にやってみるとエビの生育管理や冷凍加工の品質管理だけでなく、ちょっと目を離すと使い込みやら横流しなどもあり現地の管理に手間がかかるうえに、やはり儲かりそうだと大勢参入してくるので価格も軟化してきて、結局すぐに撤退してしまったとか。
アイデア以上にそれをビジネスとしてくみ上げることの方が難しいという一例ですね。
最近では低コストだからと言って中国での食料品生産に安易に乗り出して苦労しているようなものでしょうか。
WOFは05年夏ごろから、「フィリピンに東京ドーム450個分のエビ養殖場がある。出資すれば1年で2倍になる」と匿名組合員(出資者)を勧誘していた。
(昔の話ではありますが)玄人でも欲をかきたくなるくらいらしいので、素人相手の詐欺のシナリオとしては話が大きいほうがいいのかもしれませんが、エビの輸入量自体は年間25万トン程度なので(参照)、「東京ドーム450個分の養殖場」という規模自体がさすがに現実的ではないようにも思えます。
それに、そのボリュームを処理するための加工場や労働者の確保についての事業プランはどうなっていたのでしょうか。
「海外で一攫千金」となると欲のうえに「夢」とか「ロマン」がからんできてますます冷静な判断が難しくなりがちですが、やはり投資にあたっては、事業計画を冷静に見定めたうえで決断する必要があると思います。
特に自分がわからないことは要注意ですね。
わたし自身はニカラグアのサトウキビ農場とバングラデシュの縫製工場、そしてナミビアのプラチナ鉱山に投資をしていますが、それぞれ順調に収益を上げています。
やはり信頼できるビジネスパートナーの作った綿密な事業計画を吟味することが肝要だと思います。また、国際投資は分散が基本ですね。
それぞれの事業は順調に拡大しているため、ビジネスパートナーの判断を尊重して収益は配当に回さずに再投資していますが、さらに追加投資を募集しているとのことです。
もし興味がある方がいらっしゃいましたらこちらをご覧ください。