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【宇都隆史】正しい報道を!国を憂えるからこそのTPP反対論[桜H25/2/15]

2013年02月16日 00時17分06秒 | TPP



メディアのほとんどがTPPを推進しているという話ですが、そのせいで、非常に印象操作、情報操作をした報道をしているようです。このTPPが日本にとって、第二の占領だといわれるくらい、国家主権を失うような条約となることは、少し勉強すればわかります。

我が国では国内法の上に国際条約が位置するような法体系となっており、条約で決めたことは、国内法を変更してそれに合わせたり、国内法の超法規的な例外のように位置したりするようになります。

このTPPに関して、アメリカは、日本の市場に参入し輸出を増加させ、アメリカの雇用を増やすという目的で行うと、オバマ大統領ははっきりと言っています。

アメリカがこのTPPで掲げている貿易の自由化というのは、関税だけの話ではありません。日本の国内のいろいろな法的規制、それらは国民の健康や、あるいは国家としての主権を維持するための国益、たとえば空港、港湾、海上水路、鉄道いろいろな国の重要な施設を日本国家や日本国民自身が管理するように規定した法律など、そういう規制をすべて自由化して、そうした分野にもTPP加盟国である外国資本つまりはアメリカが参入してくるということです。

これは内国民待遇と呼ばれるもので、加盟国間では、自国の国民と他の加盟国の国民とを差別しないという規定があり、他の加盟国の資本を受け入れざるをえない のです。

極端には、日本の自衛隊の軍事関係の技術もすべてにアメリカが入って来るということにもなります。そうしたことを阻止できないような状況が起こってくるということです。そして、それを国益のために守ろうとすれば、ISD条項というものがあって、参入しようとしたアメリカ資本が、日本の国を訴えることができるのです。

ISD条項等による紛争処理機関は、アメリカの中にあって、この機関は、加盟国の安全保障だとか主権だとかそういうことには一切関係なく、純粋に貿易の自由化ついてのみ、企業の損失を判断するところであり、たいていは、訴えた企業側が勝っています。

さらにアメリカの企業のためにあるような機関であって、アメリカ自身が国益を損なうような時は、アメリカでは国内法が条約より上にあるので、アメリカでは全く自国が損をすることはありません。実際にカナダやメキシコはNAFTA(北米自由貿易協定)をアメリカと結びましたが、たとえばカナダでは、ある神経性物質の燃料への使用を禁止していました。同様の規制は、ヨーロッパや米国のほとんどの州にあります。ところが、米国のある燃料企業が、この規制で不利益を被ったとして、ISD条項に基づいてカナダ政府を訴えたのです。そして審査の結果、カナダ政府は敗訴し、巨額の賠償金を支払った上、この規制を撤廃せざるを得なくなりました。

 また、ある米国の廃棄物処理業者が、カナダで処理をした廃棄物(PCB)を米国国内に輸送してリサイクルする計画を立てたところ、カナダ政府は環境上の理由から米国への廃棄物の輸出を一定期間禁止しました。これに対し、米国の廃棄物処理業者はISD条項に従ってカナダ政府を提訴し、カナダ政府は823万ドルの賠償を支払わなければならなくなりました。
 メキシコでは、地方自治体がある米国企業による有害物質の埋め立て計画の危険性を考慮して、その許可を取り消した。すると、この米国企業はメキシコ政府を訴え、1670万ドルの賠償金を獲得することに成功したのです。
 要するに、ISD条項とは、各国が自国民の安全、健康、福祉、環境を、自分たちの国の基準で決められなくする「治外法権」規定なのです。識者の中には、治外法権などというほどのものではないという人もいますが、実際のカナダ、メキシコで国家が敗訴しているのですから、これは日本でもありうることです。

これはアメリカ以外の国との条約であれば、治外法権などという程にひどいものにはならないかも知れませんが、アメリカと結んでしまうと、ほとんどアメリ カの一人勝ちになるような仕組みになっているのです。

去年トヨタが言いがかりに近いような車の欠陥で訴えられるということがアメリカでありましたが、結局そういう欠陥はなかったという結果になりました。しかしその間トヨタは、多くの倍賞を払わされました。アメリカという国のシステムでは、いくらトヨタが欠陥はないと主張してもダメで、それを知っているトヨタは、欠陥はないとわかっていても、それを改善する努力をしてみせたりと、アメリカに合わせてひたすら堪えるしかなかったのです。

これと同じような不条理なことが、いくらでも起きてくる可能性があります。資本主義のこのような裁判に関しては、日本よりもアメリカのほうがズッと上手(うわて)で、また悪辣な部分があります。こんな国に日本は太刀打ちできるでしょうか。治外法権などというほどではないと高を括っていたら、とんでもない目にあってからではもはや遅いのです。


 

 

 

【宇都隆史】正しい報道を!国を憂えるからこそのTPP反対論[桜H25/2/15]


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