ミカンを食べるヒヨドリ
最近、一羽のヒヨドリが、かなり頻繁に来て、何となく自分の縄張りの主張をしているような感じがします。姿形では区別はつかないのですが、多分同じ一羽がいつもいるようです。ときどきリンゴやミカンを突っつきますが、そんなにがつがつ食べるわけでもなくて、それでもしょっちゅう枝にとまっているのを見ます。メジロのカップルが来てもこのヒヨドリを見ると、少し離れた枝を飛び移りながら様子をうかがっていますが、なかなか近寄れません。そんなメジロを見て、ヒヨドリは威嚇するように少し翼を開いて小刻みに震わせます。で、次にはメジロたちの枝にさぁーと飛んで行って、完全に追い払います。それでもこのヒヨドリがここを離れることは多いので、というか人間の庭なので、当然何度も逃げ出すことになって、そのすきに別の鳥が来ることも多く、メジロも以前ほどではなくても、隙を見てリンゴやミカンを食べます。ムクドリはいつもカップルで来るので、ヒヨドリもかなわずに場所をあけることが多いです。それでもこのヒヨドリは、けっこうムクドリに向かってけんかを売ることが多く、かなり近くでつつきあうような、争う場面もあります。接触して争っては、少し離れた枝に飛び移り、メジロの時のように翼を半開きにして、細かく震わせて威嚇し、また再びムクドリに向かって突撃します。でも結局二羽の方が優勢で、ヒヨドリもあきらめて甲高い声を張り上げながら飛び去ります。ムクドリのカップルは仲が良くて、お互い両側からいつもりんごをつつきますが、ヒヨドリと喧嘩した後は少し興奮しているようで、ムクドリ同士で時たまくちばしでつつき合ってけんかしそうになることもあります。
ムクドリのカップル
ムクドリはりんごの皮を残してきれいに内側を食べつくします。
最近はミカンもけっこう完熟しておいしいので、そんなにいつもいつもりんごを置いているわけではありません。ムクドリはりんごがないとあまり来ません。ムクドリもミカンを食べるようですが、あまり低いところには留まりたくないようで、柿の木にミカンを突き刺したものは食べても、ミカンの木の枝にはあまり来ません。というか、人間に対する警戒心が強いので、人間の気配のあるところでは用心しているのでしょう。意外と平気なのがメジロで、自分たちが小さいことを認識しているのか、目立たないと思っているのか、よほど近くでない限り、逃げません。確かに緑色で小さいので、完全に木々にまぎれています。しかし決して油断はせず、ものすごくきょろきょろとしょっちゅう首を動かしていて、警戒は怠りません。
周囲に同化するメジロ
この小鳥たちが、庭に来ていろんなかわいい元気なしぐさを見せてくれるので、私や家族に対する癒し効果は抜群です。私の住んでいるのは、日本中どこにでもある地方の市で、そんなにど田舎というわけではないのに、こうして自然がけっこうあることを考えれば、よほどの都会でない限り、日本は自然が生活の中にかなり残っているといえるのでしょうか。未開拓の自然だけでなく、人間と共存する自然がもっと増えてほしいものです。 神社の森や、公園、ちょっとした緑の庭、そんな草木の多い場所が増えてほしいものです。最近、私の住んでいるところの田畑の圃場(ほじょう)整備事業【田畑土壌改良や区画整理の工事】で、かなり広く工事をしていましたが、以前の用水路の土手や畦道にはいろんな草が生えていて、そこを歩くと、何となく子供の頃の草はらで遊んだ記憶などもよみがえって、郷愁を感じたものですが、そうした草はらがすべて掘り返されて工事が始まった時は、これらの草が絶滅してしまうような不安があって、とても心配したものですが、工事が終わったら少しづつ草も復活して、以前のような草はらが戻ってきたのでほっとしました。野草も近年すごい勢いで絶滅していっているという話なので、何とかこれらの植物を守る工夫をしてほしいものです。きれいな草花や立派な木を植えるのもいいですが、こうした名も知られぬ野草を何とか保護する工夫がないものかと思います。名もなき野草とはいえ、昔はけっこう多くの野草の名前を子供たちは知っていたものですが、今の子はヨモギやスギナすら知らないのに驚きます。いろんな草にはけっこう風流な名前が付いていたりするもので、調べてみると面白いものです。こうした草はらに虫が育ち、鳥が来て、子供たちが、そうした自然を身近で見られる環境があればほんとにいいなと思います。