一年間に人工妊娠中絶される胎児は、届出数だけでも22万件くらいあるそうです。実際の数字は、この2倍とも3倍とも、あるいは100万件とも言われています。
胎児を殺すということを、産めない事情があれば仕方がないと考え、当然のように堕胎手術をする人、あるいは勧める人もいます。胎児はまだ人間ではない、まだ人間として出来上がっていないから、生まれる前に処理するのは、別に殺人ということでもないと考える人もいます。
だったら人間はいつから人間なのでしょうか。人間はこの肉体だけの存在であり、魂とか霊魂を信じない人ならば、人間として生まれた時に初めて人間になると考えるかもしれません。しかし本当にそうでしょうか。
戦争に於ける殺人を非難する人でも、人工妊娠中絶はいとも簡単に行う人がいます。しかし胎児も同じ対等の人間だとすれば、これは殺人であり、しかも胎児というもっとも弱い立場にあるものを一方的に殺す行為であり、非常に卑劣な行為と言えます。
どんな事情があろうと、胎児から見れば、その残虐さ卑劣さは、群を抜いています。
最近、この胎児を救おうとして立ち上がられた方のブログを見ました。そのブログを転載したいと思います。
生命の尊厳教育
「100万人の
赤ちゃんの
生命を救う運動」
国民プロジェクト
一般社団法人
「いのちを守る親の会」
赤ちゃんは生きるために
「いのち」を授かったのです。
だから親の事情で
「赤ちゃん」を殺さないでください。
親が守ってやらねば、
赤ちゃんは「生きたい」と
言えないのです。
「いのちを守る親の会」
が相談支援。出産支援。里親支援
をさせて戴きます。
まずはご連絡下さい。
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下記の「荻野 久作先生」の文章は、「生命」を考える上で
大変、有名な一文です。
「 ななさん」という産婦人科医がこれを紹介した時に・・
「僻地の産科医」という方から 衝撃の書き込みが・・。
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先日、理由あって人工妊娠中絶術を施行しました。
胎児が少し大きくなってからの手術でしたので、
肋骨と思われる骨の一部が見えて、背筋が凍りました。
多くを語るよりも、ご紹介したい談話があります。
荻野式避妊法を考案された荻野久作先生による、歴史に残る談話
「”オギノ式”乱用者に告ぐ」です。 (産婦人科医:なな)
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「”オギノ式”乱用者に告ぐ」
[医師] 荻野 久作
(荻野式避妊法考案者)
どんな職業についている人でも、
それぞれの仕事の上の喜びというものがある。
大工さんは、木の香も新しい家を前にして、胸をふくらませるであろうし、
教師もまた、巣立っていく教え子の後姿に自分の夢を描いているに違いない。
私が専門にしている産婦人科医の場合も、それはまったく同じである。
難しいお産を無事に切り抜けたとき、
まだ人間の態をなしていないような赤ん坊が手足をばたつかせて、
「オギャア」と第一声を放つその瞬間ほど、
我々の心を解きはなしてくれるものはない。
この道を歩みはじめてから六十年近く、私はもう八十歳を越えているが、
それでも勤務先の病院でこの「オギャア」を毎日のように耳にするたびに、
朗らかな気分になる。
沈痛な面もちで、為すこともなくただうろうろと廊下を歩き回っている若い夫に、なにか祝福の言葉でも贈ってやりたいような気分になるのも、
おそらくは「生命の誕生」というものが持つ犯しがたい価値に由来するのであろう。
私は、産婦人科医を、すばらしい職業だと信じている。 (中略)
一人一人のケースについて、我々産婦人科医が本気で悩んでいたら
自分が死んでしまうだろうから、
あとは教育なり政治なりにおまかせするのが順当だが、
どうしても言っておきたいことがある。
それは、世の男性諸君がもっと真剣に、
子供とは何であるかを考えるようになってほしい、ということである。
子供を育てていく自信があったら、
親の誇りと責任に於いてすばらしい子供を生むように夫婦で協力する。
もし、子供を生むのはまだ無理だと考えるなら、そんな自信が湧いてくるまで、妊娠しないように慎重な配慮をするのが当然である。(中略)
性に対する不当な抑圧感が解けて、じめじめした感じが無くなったことは喜ばしいが、反面、よい加減な解説書が巷にあふれて、
科学に対する安易な考え方を植え付けてしまう傾向も、困ったものである。 (中略)
金があればレジャーに費し、欲情のおもむくままに、深く考えもせずに行動して、その結果については人間としての最低の責任すら果たせないような、そんな人間に、いったい何がなせるというのであろうか。
~昭和39年、文藝春秋第42巻第2号より~
コメント<1>中絶経験者です。
中絶経験者です。
最低の責任すら果たせなかった人間です。
でも、心のどこかでその事実が認められません。
苦しさをいつも抱えて、一生懸命生きています。
・・・涙がとまらなくなってしまいました。
我が子に対する罪の意識、逃げた相手への恨み、
そして辛いお仕事させてしまった先生への申し訳なさ。
死ぬまで消えることはないと思います。
先生は、「産むことは考えられませんか?」
と声をかけてくださいました。
当時の自分の力ではシングルマザーとして
生きていくことはできませんでした。
でも、あのお医者さまの一言が、今も心に残っています。
我が子の命をかえりみて下さった、
たった一人の人が、あのお医者さまでした。
あの時以来、産婦人科医という存在を、絶対的に信用しています。
なな先生、こんな私ですが、陰ながら応援しております。
written by 元・オギノ式乱用者 / 2007.09.20 19:19
<コメント2>医師です。
中絶行為は気分の悪いものです。
どのように小さな赤ちゃんでも、
経腹エコーガイド下(子宮穿孔の危険が高そうな場合には行います)で中絶手術を行うと、私たちの鉗子から手足をばたつかせて逃げようとする。
もっと週数のいった赤ちゃんで、
手術ではなく分娩と同じ形態をとる「中期中絶」では
生きられないとわかっていても、最初泣きます。
泣いて段々声が弱くなって痙攣して
黒くなって亡くなっていきます。
その事実を、まだ妊娠していない若い
方々は知るべきです。
性教育のためなら、エグイと言われようと、
寝付けなくなろうと、一度はみてほしいくらいです。
あまりの残酷さに泣きだす人だっているはず。
産めない方々の心痛はわかりますけれど、
医療者として、そのたびに何かが
擦り切れる気がします。
どうして、産めないとわかりながらも
避妊をしてくれない、またはきちんと考えも
しない方々のかわりに、
私自身の手でご丁寧に赤ちゃんを
殺してさしあげねばならないのか。
産む選択ができなかった方々へ、
せめて自分の体験を、人に話すこと。
妊娠って簡単にするんだよってことを、他の同世代や、自分のご子孫に、話してあげてください。
written by 僻地の産科医 / 2007.09.20 21:24
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FAX(0774)66-5299
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