小さな自然、その他いろいろ

身近で見つけた野鳥や虫などを紹介します。
ほかにもいろいろ発見したこと、気づいたことなど。

蝶の美しさ

2010年08月21日 22時04分47秒 | 自然観察日記






 最近庭でヒョウモンチョウやアゲハチョウをよく見かける。チョウは実に優雅で、その羽の模様の美しさはとても繊細で、いったいこの左右対称の曲線の美しい網目模様や、斑点の模様は誰のために描かれているのだろうと思わずにはいられない。
 もちろんチョウも種族の繁栄のために、オスがメスを呼び、メスがオスを呼ぶための模様や色彩であろうとは思うが、この虫たちが、この美しさを本当に理解して呼び合っているわけではなかろうに、虫たちにとっては、たまたまの形あるいは色に過ぎないのに、どうしてこうも美しいのかと不思議に思う。 
 もし人間がいなかったなら、この虫たちの美しさを美しいと感じるものはきっといないのだろう。鳥も爬虫類も、この虫たちを美しいなどと考えることもなく捕食し、世界はただの弱肉強食の世に過ぎないだろうけど、チョウを美しいと感じる人間のために、チョウは美しい姿をしてくれているのだろうか。などと考えたりしてしまう。
 こういう自然の美しさを見ると、私はキリスト教信者ではないが、聖書の次の言葉を思い出す。

 野の百合はいかにして育つかを思へ、労せず、紡がざるなり。されど我汝らに告ぐ、栄華を極めたるソロモンだに、その服装(よそおい)この花の一つにもしかざりき。今日ありて明日炉に投げ入れらるる野の草をも、神はかく装ひたまへば、まして汝らをや、・・・

 自然はどれだけ、気前よく、ふんだんにその美しい造形を次から次に出してくるのだろう。無限に尽きることなく無造作にそこにある美しさを見ると、キリスト教徒でなくても、仏教徒でなくても(家の宗旨は浄土宗だから仏教徒かも知れないが)、自然の中にある不思議な智慧に対して、畏敬の念が湧くのをおさえられない気がする。

 ツマグロヒョウモンのオス

 ツマグロヒョウモンのメス

 うちの庭にいた幼虫です。しっぽのようなトゲがおしりのあたりにあって、パタパタとしっぽのように前後に動いていました。何の幼虫かわからないけど、アマチャヅルの葉っぱを食べていました。蝶か蛾の幼虫でしょうが、調べてもわかりませんでした。
 芋虫と思うとちょっとギョッとしますが、よくみるとそれなりにきれいな模様です。ずっと見ていると、可愛くなってくるからふしぎなものです。



今年のヒヨドリ

2010年08月09日 14時16分47秒 | 自然観察日記


 夜が白み始める頃、ヒヨドリの声が遠くから聞こえてくる。おそらく北側の田んぼの後ろの植木畑の木々の中からではないかと思うが、寝床で聞く声なので、そんな気がするだけかも知れない。ヒヨドリの声は、冬場に聞いた甲高く鋭い声と違って、穏やかでやさしい美しい声に聞える。今年巣立ったばかりの若鳥かも知れない。
 ひと月くらい前に、うちの庭の北側にヒヨドリの声が聞こえるので言ってみたら、裏の空き地との間のフェンスの上に止まっていたのだが、まだほんとに巣立ったばかりのようなほっそりしたヒヨドリで、頭だか肩だかに産毛が付いているように見えた。あっという間に飛び去ってしまったので定かではないが、まだ巣立ったばかりの子供なんだと思うと、可愛くてしかたがなかった。私の姿を見て、びっくりして慌てたように飛んでいったが、もしかしたら、近くに親鳥がいたのかも知れない。
 その同じ鳥かどうか知らないが、よく北の道路の電柱の当たりで、しきりに鳴いていることが多い。見上げて探しても、どこにいるのかわからないが、声は大きく聞こえるし、声の方角からすると、どうしても電柱の上しかないのだが、姿が見つからない。一生懸命上を見上げて目を凝らして、いろんな角度から見てみたがよくわからない。でも声はするから、かなり長い間見上げていたら、やっと何か黒いものが動いたのがわかった。影になっていて、電柱の部品だか鳥だかわからないくらいだったが、カメラのズームで覗いてやっと鳥の姿に見えた。





 いったい何をしているのだろう。規則的な鳴き方でかなり長く鳴いている。最初は、子どもが親を待っているのかと思ったが、親鳥らしきものは、全く姿も見せないので、これは求愛行動だろうと思うのだが、それらしい相手も現れない。その後2~3日くらい同じ場所で鳴いていた。最近はもうそこで鳴いてはいないが、それが求愛だったのか、相手が見つかったのかも分からないが、公園の桜の木に2羽で着ていたヒヨドリがいて、もしかしたらと思ったが、それも勝手な思い込みかもしれない。



 最近は鳥の声より蝉の声の方が大きくなって、よく聞くと鳥も鳴いているのだが、閉めきってエアコンをかけていると、鳥の声はかすかだが、蝉の声はそれを打ち消すほど激しく鳴り響いている感じだ。鳥の声も時たま大きくなったりする。家の周りに来ているらしい。ヒヨドリも今の時期は虫を食べたりするらしいから、柿の木や桜の木についた毛虫などを食べているのだろうかと思ったりする。
 ヒヨドリは冬の時期には、農家の畑を荒らすギャングなのだが、別な時期には、虫を食べているのだから、時期によっては、害虫駆除をしてくれているのではないか。ヒヨドリが夏の時期に虫を食べてくれなかったら、あるいは虫が大発生することになるかも知れない。まあどの程度かはわからないが、自然というのは、バランスをとるものだと思う。