12月11日の夜から12日の明け方まで、上村の上町正八幡宮でも霜月祭りが行われました。
正八幡宮の宮司さんにお話しをお聞きしながら、神事の内容をまとめてみました。
私が着いた午前1時半頃には
「襷の舞」が始まる所でした。
刀で人を刺す所を舞っているのだそうです。
そして次の舞が「羽揃えの舞」
一ノ宮様という女性の神様には湯立ての神事がないので、
この羽揃えの舞は一ノ宮様に奉納する舞です。
2人が肘を合わせて回る「肘掛」と呼ばれる部分と、扇子の要を合わせて舞う部分があり、
この所作を「要」と言います。
午前2時頃から1時間半に渡り、「志づめの湯」が行われます。
煮えたぎった湯に始まり、森羅万象までをも鎮める儀式で、
このお祭りの中で最も大切な儀式です。
まず、釜戸を清めます。
大根と塩と切火(火打石)は清めの品で・・
「このように清めの品を備えて釜戸を清めます」という意味の言葉を唱えています。
指の形が特徴的で五大尊の印を結んで唱え事をします。
湯を鎮めます。
私たち観客はつい面や湯切りに心を奪われてしまいますが、
ここが一番肝心な所です。
神の舞いの後
湯木舞をもってこの神社に祭られている神様と全国津々浦々の神様に湯を差し上げ、
全国の神様にお帰り頂いた後、地の神様のお祭りが始まります。
ここから面(おもて)が登場します。
神太夫夫妻が伊勢参りに行く途中にこの里に立ち寄り、この釜に願い事をすれば願い事が叶うと村人に言われます。
湯に向かって「しわや腰が伸びるように」と願い事をするのですが、実際には伸びる訳はなく、
観客から「そりゃ、騙されたぁ」という掛け声がかかります。
それでも神太夫夫妻は騙されたとも知らず伊勢参りをせずに帰ってしまうのですが、願い事はどうなってしまったのかなぁ?
「おじい、おばあ」と呼ばれるこの神太夫夫妻と観客との面白い掛け合いも楽しめます。
次に登場するのが遠山を治めていた遠山家一族です。
8人の一族の中に女の人が一人います。
この人が「羽揃えの舞い」を奉納した一ノ宮様です。
つづく