熨斗(のし)

のし(熨斗)について、趣味について、色々なことを綴っていきます

栗沢山から早川尾根

2019-07-28 10:18:27 | 

例年なら一番いい登山の季節に、まだ梅雨明け宣言も出ていなくて雨雲レーダーばかり見ているこの頃。、

南アルプスの栗沢山から早川尾根を歩こうという計画を立てた先週の日曜日は、

神様からもらった一粒も雨の降らない尊い日だった。

後から考えるとこの日雨が降らなかったことがどんなにラッキーだったか・・・。

じわじわと分かって来る事になる。

北沢峠でバスから下り栗沢山へ。

北沢峠から約3時間、栗沢山の山頂近くになって来ると甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳が見えて来た。

しかし、この辺りは岩場で結構きつい。

  

栗沢山山頂からは南アルプスの天然水のコマーシャルになった事で有名になった景色が目の前に見える。

甲斐駒ケ岳は、白砂と今にも崩れそうな石で雪を被ったように白く、尖った山頂が雄々しくどこから見てもかっこいい!

甲斐駒ケ岳を背にして立つとこれから行くアサヨ峰の向こうに北岳。

  

 そして甲斐駒ケ岳と対照的になだらかでずっしりとした仙丈ケ岳。

 

そこから鳳凰三山の地蔵岳の方角に延びている尾根が早川尾根で、その間にはいくつかのピークがあり、その最高峰がアサヨ峰(2779m)

  

アサヨ峰から甲斐駒ケ岳を振り返ると伸びている、このハイマツと岩の稜線を歩いて約2時間。

今回は一泊分の食料とシュラフを持っての登山で久々に荷物も重く、少々バテ気味ではあったけれど、

ここまで来ると富士山と鳳凰三山が見え、梅雨空の続くこの夏にこれだけの景色を見せてくれれば大満足。

 

北岳(山頂は雲の中)と富士山。

日本の1、2を一枚の写真に収められる絶景を見れる場所はそんなに多くはない。 

栗沢山とアサヨ峰は景色もいいし登山者が多いけれど、早川尾根を縦走する登山者は少なく、

アサヨ峰から先は友人と3人だけの静かな山歩きとなった。

ここからは眼下に見える広河原から北沢峠まで続く林道に沿って切れ立っている尾根を、眼前の鳳凰三山に向かって歩く事になる。

ミヨシノ頭を越えて幾つかの小さなピークを越え振り返ると・・、

このアップダウンの樹林帯を越えて来たかのかと思うと・・・大変なはず。

途中、目印のピンクのリボンも少なく、尾根伝いなので道に迷う事はないけれど思うように足が運べず不安が過る。

 

ようやく、ようやく、宿泊予定の早川尾根小屋に到着。

木の根の張る樹林帯のアップダウンの連続は結構きつく、あまり人が入らない訳も分かる気もするが、

静かな山歩きと、自分を鍛え直すためには持ってこいのルートかもしれない。

そう、これが雨でぬかるんでいたら…と思うとぞっとするけれど。

今は営業はされておらず、解放されている早川尾根小屋で一泊。

朝には青空に真っ赤な朝焼けと虹も見えたのだけれど・・・

歩き始める頃ぽつぽつと雨が降り出した。

昨日の長歩きの疲れもあり、天気の様子を考慮すると、ここから先は無理をしないように下山の方向で予定を変更し、

静かなシラカンバの林を歩き始めた。

木々の間から北岳が見え、

 

背伸びをして振り返ると甲斐駒ヶ岳が遠のいて行く。

昨日、あんなに大変で、途中で投げ出したいくらいの気持ちになった早川尾根歩きなのに

過ぎて振り返ってみると寂しい。

友人と、高校時代から山歩きの後はいつもこんな事言って又山の計画を立てたね。と話しながら、

広河原峠の分岐から広河原に下る。

 

下山道は登山道というより山肌を直で下る・・・と言った感じで、歩き疲れた膝や足にはこたえる。

この道は雨の中歩きたくない、下山の判断をしなければきっと泥だらけになっていた事だろう。

最後に優しい沢沿いの道を過ぎると、尾根から見えた林道に出た。

 

広河原についてすぐ土砂降りの雨。

何て運が良かったのだろう。

日頃の行いがいいからね。と、お決まりの最後だけど、

こういう時は冗談だと分かっていても日頃の行いは大事、と、思ったりもする。

 

 

 

 

 

 

 

コメント
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