今日は久しぶりに熨斗屋さんらしい話題です。
最近、1通のメールを頂きました。
豆熨斗の御注文のメールでしたが、内容がとても興味深かったので、お客様に了解を得て、
御紹介させて頂く事にしました。
普段心づけ用にたとうに折った懐紙を使っています。
が、前もって知らなかった突発お祝い事の時に
この懐紙のポチ袋でも、熨斗をつけるとお祝い感が増すかと思い、
ご連絡させていただきました。
きっと豆のしなら2,3枚持ち歩いてもかさばらないですよね…
じつは最近結婚しまして、結婚して最初に主人に言われたのが、
(常に心づけ用の新札とポチ袋を持っておくように)
だったんです。
新札が折れない様にお財布も長札にしてねって…(^_^;)
それで、はじめは可愛らしいポチ袋を集めていたのですが、
私が使うならともかく、主人から渡す時は可愛らし過ぎるのも微妙で、
あと、持ち歩いていると、結構ポチ袋がヨレヨレになってしまったり、
場合によっては目立ち過ぎたり何だか大き過ぎる気がしまして…
結局常に新しい綺麗なものが使え、わざとらしく無く使えるということで、
懐紙に落ち着きました。
懐紙も最近は色々な柄物が有りますが、
季無し最強(苦笑)ということで、無難な雪月花や色付き無地を数枚と、
白無地の物を色々活用しつつ持ち歩き、ポチ袋にも流用しています。
でもいくら色付き懐紙でもお祝い事にはちょっと寂しいかなぁ、
(の〜し)って書いてある和紙のシールでもあれば大袈裟過ぎず、ついでな感じにならずに良い感じなのに何か無いかなァ…
と検索していて、上田屋さんを見つけました。
もちろん(の〜し)って書いてあるシールより、折のしの方が良いに決まってます‼
と言うことで、長々書きましたが活用させていただきます(o^^o)
という素敵な内容のメールを頂き・・・。そして八分豆、五分豆など何種類かお送りしたら、
懐紙で作ったポチ袋の写メールを送って下さいました。
久しぶりに聞く「懐紙」という言葉
そう言えば、5年前に他界した義母はいつもバックの中に入れていた事を思い出し、
未だ、片付けるに片付ける事の出来ない義理の両親の箪笥を開けてみると、
やっぱりありました、何種類かの懐紙。
昔はこのように懐紙を結婚式の引き出物に付けたりした事もあったのです。
義母の箪笥には、懐紙入れに入った懐紙が使いかけで入っていました。
あぁ、やっぱり義母は、ずっと懐紙を持ち歩いていたんだなぁ・・・
在りし日の義母を思い出しながら、少し折形などについて調べてみました。
お客様のメールの中にあった「たとう」という折り方ですが、
私の持っている本「四季を装う折り方・・荒木真喜雄著」ではこのように説明されています。
畳紙(たとう)は今多くの人にとっては金子を包むもの、あるいは着物を包む紙と受け取られています。
もう一つ、違う物もあります。
日常を着物で過ごしていた時代、紙を折り畳んで組み重ねて懐中した物を「たたう紙」と呼びました。
これは「はな紙」でもあり、同時に詠んだ詩歌をしたためたり備忘の記事を書いたりと様々な用に当てたものです。
進物に熨斗を添えるのは古い時代からの習慣。
半紙や懐紙をたとうに折り「付け熨斗」と呼ぶ小さな折形を向かって右上に付けて使います。
・・・という事が書かれていました。(折り方も載せておきます)
今ではほとんど、半紙や持ち合わせた懐紙をたとうに折って付け熨斗を添えて心付けとして使う事はありません。
が、こうした使い方は昔から使われていたようで、古にのっとった使い方でした。
私もメールを下さった方の様に、義母の懐紙入れから出した懐紙でポチ袋を作ってみました。
もう一種類、金封に使われている包み方が本に載っていました。
金封包みには祝儀用と不祝儀用がありますが、この折り方は祝儀用です。
この折り方で懐紙を折ってみると、
これもお札を4分の1に折って丁度いいサイズだったので、ポチ袋を作って豆熨斗を貼ってみました。
小さい赤い熨斗は五分豆熨斗です。(この熨斗は手織りで、ほんとに可愛いです。)
バイトに来ている女の子がこのポチ袋を見て言いました。
「甥っ子か姪っ子が産まれたら、このポチ袋でお年玉をあげようかなぁ・・」って。
私もそうしよう・・・
熨斗屋さんなのに、今までは、銀行で年末くれるあんぱんまんとかが印刷してあるポチ袋使っていたなぁ・・。
これからは、
義母の使っていた懐紙を懐紙入れに入れて、バックに入れておきたいと思うようになりました。
1通のお客様のメールから、いろんな事を勉強させて頂きました。