数年前、山をこよなく愛した一人の人が癌で亡くなりました。
まだ48歳の若さでした。
彼は木曽駒ケ岳の濃ヶ池の水量が減るのを食い止めようと、
一人で濃ヶ池に登り、調査し自然保護の活動をしていました。
倒れてから一度も濃ヶ池に行けなかった彼は、病床にあっても「濃ヶ池に忘れ物がある・・」と言い続けていました。
彼が亡くなった後、山仲間や家族が登ってみると、調査に必要な道具がきちんと濃ヶ池近くの岩と岩の間に保管されていたそうです。
彼の奥さんは一年に一度は濃ヶ池に彼の思い出に会いに行きます。
今回、お祭の為帰って来た娘と、その友人と一緒に木曽駒ケ岳に登りました。
駒ヶ根に着いた頃、ちょうど木曽駒ケ岳を朝日が照らしていました。
駒ヶ池は朝の木曽駒ケ岳を映しています。
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ひんやりとした朝の澄んだ空気の中、可愛い朝顔の花が咲いていました。
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駒ヶ池のバス停から6:11分のバスに乗りました。
ロープーウェイから下りるとそこは別世界。
千畳敷カールからの景色は、駒ヶ根の街や東側の里山はすっぽりと霧に覆われ、
南アルプスだけがシルエットとなって現れ、
濃鳥岳と塩見岳の間から、富士山が頭を出していました。
何回か木曽駒ケ岳には登りましたが、こんなに天気の良い日は初めてです。
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千畳敷カールの緑の中、高山植物が咲き乱れて一番いい時でした。
空には筋雲が流れていて少し秋の気配を感じます。
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この日の登山者はおそらく3000人近かったと思います。
大勢の人が本岳を目指し、千畳敷から宝剣山荘に向かって歩き始めました。
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少しづつ標高が高くなりロープーウェイの乗り場の赤い屋根が遠くに見えるようになり・・
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宝剣岳、宝剣山荘
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そして、これから向かう濃ヶ池の方への分岐点に着きました。
濃ヶ池はこの写真のほぼ中央の白く見える所です。
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ほとんどの人が中岳を通って本岳に向かうので、
この日、濃ヶ池に向かう人はほとんどいませんでした。