愛知県新城市にある鳳来寺山は標高695mの山で、信仰の山です。
毎年春先、信州の山はまだ雪に覆われ、3月の声を聞くと雪崩の心配もあり・・・・、
なので、この時期には愛知県や岐阜県の山に行く事にしています。
今年で4年目の鳳来寺山の春
もう、桜が咲いていました。
長野県から出ると季節はもう春めいていて、鳥の声も何だか明るく感じます。
表参道の1300段近い階段を上ると汗がしたたり落ちて来ます。
この汗がかきたくてわざわざここまで来ていると言っても過言ではありません。
冬の間凍えた体を一気に暖めてくれます。
そして呼吸の激しさで、冬の間の運動不足を感じる事が夏山への準備。
石段の途中、仁王門に着きました。
一昨年は父ともくぐったこの門、今年は「こんにちは、今年も会えました」と声をかけて通らせて頂きました。
毎年同じことが出来るっていう事が、これほど幸せな事だという事を、若いうちは感じた事がありませんでした。
私たちの年になると、親の健康状態のみならず、自分自身の健康も危うくなって来るもので、
腰や膝が痛いとか、けがや病気をしたとかで、山に行けなくなって行く事が多いからです。
又、ほんのりと春めいた鳳来寺の階段を、一気に駆け上がる事ができたしあわせ・・・・。
病気になる前に実感した方がいい!!
鳳来寺本堂に到着しました。
この辺りの山は東海自然遊歩道に含まれているので、道も綺麗に整備され歩きやすいです。
慣れた道のりは気持ちも軽く
(あぁ・・去年と変わらない風景、変わらない石、変わらない石仏・・)
風景の一駒一駒が懐かしい。
眼下に見る鳳来寺町の町並み
春になると黄砂や花粉で霞がかかり、天気の良い時は特に風景が見えないのが残念ですが、
展望台からの風景は絶景です。
山頂には数人の登山者が昼食を取っていました。
周回コースで、東照宮の方に出ます。
山頂から約1時間半、東照宮が眼下に見えて来ると胸の鼓動が高まります。
88歳の父がこのコースを歩いて、まだかまだかと約5時間
見せて上げたかったのはこの東照宮
それも、父には上からみたこの東照宮ー「ようやく着いた東照宮」
どうしても「楽」を求めてしまいがちな日々
でも、「楽」の後は感動も少なく、同じ風景でも色褪せて見える。
汗を流して歩いた後の水一杯、求めて努力した後の到着点。
それらが心に感動をくれるから、敢えて楽を避けたい・・と日々思う。
お年を召した人たちには、違った意味で意味深い東照宮やヒノキの大木。
杖を突いて背筋を伸ばし、東照宮の参拝に向かう老紳士
大きな檜に手を当てて、「このエネルギーを頂こう・・」と言っていた老夫婦
来年も行けますように・・・。
ちっちっと啼く鳥の声に、慌ててカメラを向けると、首筋の赤いウソが枯れ枝に止まっていました。