「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ひとつの物体に 焦点を当てる

2016年06月14日 20時23分15秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※ 練習3-1-2 ひとつの物体に焦点を当てる
 
 マインドフルでないことの 落とし穴のひとつは、
 
 注意が ひとつの物 (思考) から 次の物 (思考) へと
 
 さまよってしまうことです。
 
 その結果、 自分を見失ったり、 イライラしてしまいます。
 
 練習の間に注意が、 思考, 記憶, その他の感覚によって それてしまうでしょう。
 
 それでも構いません。
 
 ただ、 自分の心が さまよっていることを認識し、
 
 観察している物に 焦点を戻しましょう。
 
 焦点を当てる 小さな物を選んでください。
 
 机に置くことができ、 触っても安全で、
 
 好き嫌いや何か感情を 引き起こさないものを選びましょう。
 
 数分間 邪魔されない部屋で、 心地よい所に座ってください。
 
 その物を机に置き、 気をそらす音は消しましょう。
 
 タイマーを5分間 セットしてください。
 
 この練習を1日1~2回、 2週間行ない、 そのたびに異なる物を選んでください。
 
● 指示
 
 数回ゆっくりと深呼吸します。
 
 その物に触れずに、 ゆっくり観察してみてください。
 
・ その物の表面は どのように見えますか? 
 
・ 光沢がありますか、 ありませんか? 
 
・ 滑らかに見えますか、 ざらざらして見えますか? 
 
・ 柔らかそうですか、 堅そうですか? 
 
・ カラフルですか、 単色ですか? 
 
・ 他に ユニークなところは何ですか? 
 
 今度はそれに触れて、 様々な感触に注意しましょう。
 
・ 滑らかですか、 ざらざらしていますか? 
 
・ 突起した所はありますか、 平らですか? 
 
・ 柔らかですか、 堅いですか? 
 
・ 曲げられますか、 頑丈ですか? 
 
・ 感触が異なる部分がありますか? 
 
・ 温度はどうですか? 
 
・ どのくらいの重さですか? 
 
・ 感触について、 他にどんなことに気付きますか? 
 
 ゆったりと呼吸を続けてください。
 
 注意がそれたら、 その物に焦点を戻してください。
 
 アラームが鳴るまで、 それを続けてください。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]