「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

思考を和らげる (1)

2016年06月21日 19時59分52秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※ 練習3-2-3 思考を和らげる
 
 これは 「アクセプタンス・コミットメント療法」 (ACT) から
 
 取り入れた技法です。
 
 感情的な苦痛に きわめて有効です。
 
 苦痛に満ちた思考が繰り返されると、 それらにはまってしまいやすくなります。
 
 思考を和らげると、 思考にはまらず、 マインドフルに観察する助けになります。
 
 練習をすれば、
 
 焦点を当てたい思考と 手放したい思考を 選択する自由を与えてくれます。
 
 このスキルの目的は、 思考が害を与えることなく 漂うように去っていくのを、
 
 イメージか言葉で視覚化することです。
 
・ 野原で、 自分の思考が雲に乗って 去っていくのを想像する。
 
・ 小川のそばで、 思考が木の葉に乗って 流れていくのを思い描く。
 
・ 砂浜に思考が書かれ、 波がそれを消し去るのを観察する。
 
・ 車を運転していて、 思考が書かれた看板が 過ぎ去っていくのを見る。
 
・ 思考が頭を離れて、 ろうそくの炎で焼けるのを 想像する。
 
・ ドアがふたつある 部屋の中に立ち、 思考が ひとつのドアから入ってきて、
 
  もうひとつのドアから 出ていくのを観察する。
 
 これらのアイデアがうまくいかなかったら、 あなた自身のアイデアを考えましょう。
 
 この練習の目的は、 思考にしがみついたり、 分析したりせず、
 
 それらがやって来ては去っていくのを 視覚的に見ることです。
 
 徹底的受容を用いてください。
 
 思考をあるがままにし、 自分を批判しないようにしましょう。
 
 ただ思考を 行ったり来たりさせてください。
 
 慣れるために、 次の指示を読んでください。
 
 タイマーを3~5分セットし、 慣れてきたら 8~10分と延ばしていきます。
 
(次の記事に続く)
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]